経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率今年度は下水道使用料は着実に増加していますが、それ以上に施設の修繕費、委託及び地方債償還額が増加しているため、対前年比△6.98%の数値の減少で80.40%となっています。今後も施設の修繕費用の増加傾向となることから、より一層の施設の健全な維持管理と、営業収益の増収に努め、収益的収支の改善に努めていきます。④企業債残高対事業規模比率今年度は類似団体に比べ改善できました。要因は下水道使用料の増と地方債残高の減が要因で、引き続き下水道使用料の増加と、施設の効率的な整備計画を行い、企業債の適正な管理計画を行います。⑤経費回収率下水道使用料は増加していますが、管渠の維持管理費の支出も増加しており、対前年比△2.2%となっています。毎年の維持管理費の増加もあり、効率的な維持管理に努めます。⑥汚水処理原価今年度は、汚水処理原価が8.91円増加する結果となった。類似団体と比べ同水準と認識していますが、引き続き維持管理業務の縮減に向けて効率的に取り組んでいきます。⑦施設利用率下水道使用料の増加により汚水処理水の増加や不明水の把握が要因となって施設利用率が改善されています。引き続き汚水量の増加や処理汚水量の不明水調査及び適正な汚水量の把握に努めていきます。⑧水洗化率前年度比2.87%水洗化率が向上しています。引き続き未接続世帯の家庭訪問や接続補助等を活用しつつ水洗化率の向上に努めます。
老朽化の状況について
石川地区においては、管更生や圧送管の改築工事を実施した結果、管渠の改善率が伸びています。終末処理場及びポンプ場については、長寿命化計画に伴い改築更新事業を引き続き、平成30年度から平成31年度で終了する予定で進めています。今後は石川地区を皮切りに管渠の老朽化に伴う更新時期が到来するため、更新計画を策定する必要があります。そのためには、管渠の維持管理や調査点検計画などを踏まえたストックマネジメント計画の策定を進める必要があるため、取り組んでいきます。
全体総括
今年度は前年度から引き続き、下水道普及促進の向上として下水道接続補助制度を行い、自主財源である下水道使用料については着実に増加しています。その一方で汚水処理原価が年々増加傾向を示しており、老朽化に伴う管渠及び処理場の修繕費などの維持管理費用が増加する結果となりました。また、道路改修工事など他企業による移設費用も多額になっていることから依然、市の操出金に依存する厳しい運営が続いています。上記の状況から今後の経営の課題を研究し、経営戦略を策定しなければいけません。まずは、現状の経営状況を把握し、今後予想される経営状況のギャップを確認し、無理のない適切な経営方針を検討していきます。これからも下水道に求められる環境保全を十分に配慮し、引き続き、厳しい地方財政の現状を見据え経営分析数値を確認しながら、安定して継続できる事業経営を行います。