経営の健全性・効率性について
①…100%未満は赤字、100%以上は黒字であることを示している。→全国平均及び類似団体平均より比率は下回っているが、黒字を維持しており、昨年度に比べ、比率が上昇している。②…営業収益に対する過年度からの累積欠損金の状況を示しており、0%であることが求められる。→0%であり、経営は健全である。③…短期的な債務(1年以内に支払うべき債務)に対して支払うことができる現金等がある状況を示す100%以上であることが必要。→過去の企業債償還が多く残っており、流動比率の低下は経営上の大きな課題となっている。④…料金収入に対する企業債残高の割合を示しており、企業債残高の規模を表している。→料金収入に対する企業債残高の割合が高いが、経年で見ると少しずつ下降している。⑤…使用料で回収すべき経費をすべて使用料で賄えている状況を示す100%以上であることが必要。→人口減に伴い、収益(下水道使用料)が減少し、汚水処理に要する経費を下回ったため、経費回収率が低下した。⑥…有収水量1㎥あたりの汚水処理(資本費・維持管理費含む)に係るコストを表したものである。→R3汚水処理単価163.62円(使用料収入÷有収水量)となり、R3汚水処理原価164.60円(汚水処理費÷有収水量)を下回っており、処理費用が下水道使用料で賄いきれていない状況にある。⑦…数値が高いほど施設を無駄なく効率的に使用しているといえるが、数値が高すぎると施設に過大な負荷がかかっていることになる。→類似団体や全国平均を上回っているが、昨年度と比べると減少している。⑧処理区域内人口のうち実際に水洗便所を設置して汚水処理している人口の割合を示しており、100%であることが望ましい。→毎年僅かずつではあるが上昇しており、今後も100%となるよう取組を継続していく必要がある。
老朽化の状況について
①…施設の老朽化の度合いを示したもの。→毎年少しずつ上昇しており、類似団体と比べると数値は高くなっている。少しずつ老朽化が進んでいるといえる。
全体総括
経営は健全な状態にあり、類似団体と比較しても、施設の老朽化の度合いは低く、長寿命化計画の実施効果が表れているといえる。現状の課題としては、料金収入に対する企業債残高の割合が高いため、今後の事業費や起債割合を見直す必要がある。また、人口減少による下水道使用料収入の減少が続くことが予想され、流動比率も低いことから、経費削減や有収水量を増加させる取組等を今後も継続し、汚水処理のさらなる効率化を図るとともに、料金改定の必要性についても検討する必要がある。今後は、既に策定された経営戦略に沿って計画的に事業を進め、広域化についても検討を行うとともに、必要に応じて経営戦略の見直しを行う。