小林市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率の向上理由については受託給水工事収益の大幅な増額と修繕費・材料費等の費用の減によるものである。100％以上を維持しているが、給水人口が年々減少していくと伴に収益の減少も危惧されるため。給水戸数増加に伴う収益増への取組みと併せて経営手法の見直しが早急事項となる。③流動比率の増大については、④にも関連するように新規の企業債借入による現金増によるものと考えられる。企業債残高対給水収益比率は類似団体より低い状況であるが、新規借入れにより向上した。今後も給水収益を維持確保するとともに企業債の一部繰上償還を検討していく必要がある。⑤料金回収率については、⑥と併せて分析すると今年度は総費用が縮小したため給水原価も低下したと考えられる。また、料金回収率については、現状の数値で問題はないと考えるが、今後は減価償却費の増加に伴い給水原価の増加により、料金回収率の低下が見込まれることから、給水収益と施設整備費のバランスを図ることが重要と考える。⑦施設利用率の減少理由については配水量の減少に伴う低下であり、類似団体と比較すると高い数値だが給水人口減に伴い配水量も低下しているため施設の縮小・廃止を考慮していく必要があると考える。⑧の有収率の増大については本管の漏水修繕による有収水量の増加である。類似団体と比較すると低い数値なので引き続き管路の修繕を行う必要があると考える。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率48.32％、管路経年化率22.49％と類似団体と比較しても高い状況であり、資産の老朽化が進み法定耐用年数を超えた管路も急激に増加したと思われる。管路経年化率はＨ27年で急激に増大し、今年度でさらに増大した。今後も年々老朽化した管路は増加していくと思われる。③管路更新率は類似団体より高い数値であるが、今後、管路の老朽化に更新が追い付かない状況を招く可能性があることから、計画的な工事・修繕による資産管理が必要になると思われる。

全体総括

年々、人口減少に伴う料金収入減少が見込まれる中、収益を確保していくには、給水戸数の確保、経営手法の見直し、料金改定など総合的に水道事業基盤を戦略的に強化する必要があると考える。また、施設の老朽化に起因する事故防止や安定供給のため設備の長寿命化を図る必要があると考える。さらに、給水需要は低下と併せて施設規模の縮小・廃止統合の実施などにより、給水体制を適正な規模に見直すことも必要と考える。