経営の健全性・効率性について
収益的収支比率及び経費回収率が前年度より低下しています。これは、平成29年度から地方公営企業法を適用することに伴い、平成28年度が出納整理期間のない打切決算であったことによる料金収入の減少が主な要因です。両指標とも依然として100%を下回っている状況であるため、引き続き、水洗化の促進及び経費の削減が必要です。企業債残高対事業規模比率が類似団体の平均値に対し高い状況であるのは、未整備地区の整備を行っていることと、処理施設の更新事業を実施しているためです。企業債残高を減らしながら事業を進める必要があります。前年度と比較して比率が上昇しているのは、打切決算に伴う料金収入の減少によるものです。汚水処理原価については、類似団体の平均値を上回っていますが、老朽化した処理施設の改修費用が数値を押し上げている状況ですので、現在、実施している処理施設の長寿命化事業を推し進め、処理施設修繕費用を低減する必要があります。施設利用率が低いのは、未整備の区域がまだ多く残されていることと水洗化率が低いためです。水洗化率は前年よりわずかながら上昇しているものの、類似団体の平均値に対して低い状況にあります。これは、未整備地区の整備を進めていることや高齢化世帯の水洗化が進まないことが原因と考えられます。引き続き水洗化率の向上を図る必要があります。
老朽化の状況について
老朽化した管渠の更新が進んでおらず、管渠改善率は類似団体の平均値より低い状況にあります。今後は、平成29年12月策定予定のストックマネジメントに基づき、増加する老朽化した管渠の更新を計画的に実施する必要があります。
全体総括
各指標において類似団体の平均値との比較で優位な指標は少ない状況であります。水洗化率の向上を図ることで料金収入を増やし、企業債務残高対事業規模比率、収益的収支比率及び経費回収率の改善が必要であります。また、老朽化した処理施設の長寿命化により投資費用の低減を図るとともに、今後増加する老朽化した管渠の更新を計画的に進める必要があります。なお、経営戦略については、平成28年度に策定済みです。