経営の健全性・効率性について
・経常収支比率は100%を越えており、累積欠損金は生じていないことから、現状は健全な経営状態といえます。ただし、料金及び一般会計繰入金の低下などを要因として経常収支比率はここ数年減少傾向にあるため、今後厳しい経営状態が想定される。・流動比率は、類似団体平均値を上回って推移しており、短期的支払返済能力は確保されているといえる。なお、平成26年度は、新会計制度へ移行したことにより減少している。・企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均値よりも低水準で推移していることから、現状は財務健全性は保持されているといえる。ただし、ここ数年増加傾向にあるため、今後、企業債残高と投資規模及び料金水準とのバランスに留意していく必要がある。・経費回収率はH24、H25年度を除いて100%を下回っており、汚水処理原価も類似団体平均を上回る水準であることから、汚水処理原価の抑制に努めながら適正な使用料収入を確保していく必要がる。・施設利用率が54%程度と類似団体平均を下回っているものの、本市は普及拡大途上であることから、今後は普及拡大に関する計画も見据えて処理場の非効率性の有無を確認していく必要がある。・水洗化率は、1%台で伸びているが、類似団体平均を下回っている。今後、下水道の普及拡大と合わせ公共下水道への接続勧奨を進め、適正な使用料収入と施設稼働を確保していく必要がある。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却率は、増加傾向にあり、引き続き老朽化しつつある施設や設備を適切に維持管理しながら、下水道の機能を確保していく必要がある。・管渠老朽化率は、類似団体や全国平均と比べて、法定耐用年数を経過した管渠がないことから、管路の健全性は一定確保できていると考えている。・管渠改善率は、類似団体や全国平均と比べて低い値となっており、これは対象となる老朽化管渠がまだ発生していないためである。今後、管路老朽化率の上昇が想定されるため、ストックマネジメント計画による管渠の改善延長を増やしていくことを検討している。
全体総括
・中長期的な視点から収入と支出のバランスを確保すべく、経営戦略を平成28年度に策定した。今後、使用料収入の見直しの目途である3年ごとの見直し及びストックマネジメント計画の策定等投資計画の変更があれば随時見直しを行っていき、効率的な施設整備と適切な料金水準及び接続勧奨の推進により、将来安定した経営を継続できるように取り組んでいきたいと考えている。