経営の健全性・効率性について
飯塚市下水道事業の経営比較分析表を公表します。経常収支比率は、料金収入や一般会計からの繰入金等の収益で、維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを表す指標です。本市では、112.4%で100%以上となっているため、単年度の収支は黒字であることを示しています。しかし、その数値は減少傾向にあるため、今後も経常費用の削減を図るなど事業の健全経営に向けて取り組んでいきます。累積欠損金比率は、営業収益に対する累積欠損金の状況であり、本市では発生していません。流動比率は、短期的な債務に対する支払能力を表す指標で、1年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す100%以上であることが必要です。本市では115.21%であるため、引き続き、単年度で支払えるよう支払能力を高めるよう経営改善を図っていきます。経費回収率は、使用料で回収すべき経費をどの程度使用料で賄えているかを表す指標で、全て賄えている状況を示す100%以上であることが必要です。本市では104.49%ですが、その数値は減少傾向にあるため、今後も引き続き、下水道使用料の徴収強化を図ります。施設利用率と水洗化率については、他団体に比べて低い状況であるため、引き続き、下水道への接続促進に向けた取り組みを行うことで、使用料収入の増加とともに適正な汚水処理による水質保全に努めます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、有形固定資産(建物、機械・装置等)のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを示す指標で、資産の老朽化度合を示しています。一般的には、数値が高いほど、保有している資産が法定耐用年数に近づいていることを示しています。本市では、35.05%と類似団体平均値を上回っているため、将来の施設の改築(更新・長寿命化)等に向け計画的な検討を行っていきます。管渠老朽化率は、法定耐用年数を超えた管渠延長の割合を表した指標です。また、管渠改善率は、当該年度に更新した管渠延長の割合を表した指標で、管渠の更新ペースや状況を把握できます。本市では、ともに0ですが、老朽化は進んでおり今後も計画的な管渠の更新等に努めていきます。
全体総括
経営の健全化・効率化については、経常収支比率・流動比率・経費回収率で類似団体平均値を上回っており、現時点では概ね健全な状況です。しかし、施設利用率・水洗化率では類似団体平均値を下回っており、引き続き、水洗化率向上の取り組みが必要であると考えられます。老朽化の状況については、有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を上回っていることからも推測できるように、今後は管渠及び各施設の老朽化に伴う更新時期に入っていきます。その中でも、安定的な経営が継続できるよう、現在策定中のストックマネジメント計画を基に計画的な更新を行っていきます。