経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、営業費用が増加したため減少している。企業債残高については、施設の長寿命化計画に基づきR3年度から施設の更新等整備に着手している。このため、企業債を借り入れる計画であり、今後は増加する見込みである。経費回収率については、使用料収入の減少、営業費用の微増により減少している。汚水処理原価については処理水量にかかわらず維持管理費等についての経費は必要であり、更に離島・海岸半島部という地理的要因により小規模であるため、高水準となっている。施設利用率においては、ここ数年横ばい状態が続いている。また、水洗化率については前年度と同程度である。現状では、使用料収入で賄えない部分について、一般会計からの基準外繰入を行っている状況である。今後の使用料金の改定については現在他市と比較して高料金となっており、利用者に更なる負担を求めることは当面困難と考えている。
老朽化の状況について
各施設、供用開始から19年から25年が経過している。管渠について、法定耐用年数が経過するまでには期間があり、改修計画の見直しや大規模な修繕改修は予定していない。しかし、海岸部のため塩害等も予想されるため、適正な点検・維持管理に努める。また、設備・機器については、機能診断を実施し長寿命化計画を作成している。その計画に基づきR3年度から施設の更新・整備に着手したところである。
全体総括
今後も人口減少が主な要因となり、使用料収入の減少や施設利用率の低下が懸念されている。しかし、事業の広域化、管路延伸による区域の拡大は離島・海岸半島部に点在しているため、今後も困難な現状である。使用料金については、1月20㎥あたり津島地区が5,400円、遊子地区が4,795円と他市に比べて大変高い料金設定を導入しており、利用者に更なる負担を求める改定は当面困難である。また、地区住民にとっては生活環境を維持し快適な市民生活を送るために必要不可欠な施設であり、今後も安定的にサービスを提供する必要がある。R3年度から長寿命化計画に基づき、効率的で適正な施設の更新等に着手している。また、未接続の世帯に対しても、接続による地域環境の改善に理解を求めるなど普及・啓発活動の推進を行い、使用料の増収に努めるとともに、随時点検等を細かに実施することで費用発生の抑制を図り、今後も更なる経費削減に努める。