経営の健全性・効率性について
平成28年度は企業会計移行2年目である。経常収支比率は、100%の水準を維持している。経費回収率は、前年度と比較して上昇し、汚水処理原価は、前年度と比較して減少しているが、これは、平成28年度から分流式下水道に係る一般会計からの繰出金の算出基準が変更され、汚水処理費に対する公費負担額が増となったことによるものである。流動比率は、現金預金の増もあり前年度と比較して上昇しているが、類似団体と比較すると低水準となっている。但し、1年以内に償還する建設企業債を除いた流動負債の額は流動資産の額を下回っており、支払能力に問題が生じている状況ではない。企業債残高対事業規模比率は、前年度と比較して低下しているが、これは、起債残高の減及び上記分流式下水道に係る繰出金の算出基準変更に伴い、企業債残高に対しての一般会計負担額が増となったことによるものである。施設利用率は、類似団体と比較し高水準となっているが、当該数値の算出に用いる数値の内、晴天時一日平均処理水量は流域下水道の数値を含めているのに対し、晴天時現在処理能力は当市の終末処理場だけの数値であり、当市の終末処理場のみによる施設利用率は、平成28年度で60.41%となっている。水洗化率は、類似団体及び前年度と比較してほぼ同水準となっている。
老朽化の状況について
昭和26年に事業開始した一文字処理区では、管渠の老朽化が進んでおり、管渠老朽化率は類似団体を上回る状況となっている。すでに管路長寿命化計画を策定し、優先順位の高いものから順次改築更新を進めているが、管渠改善率は類似団体と比較して低い水準となっており、今後はストックマネジメント計画を策定し、より効果的で効率的な改築更新を行っていくことが必要である。なお、有形固定資産減価償却率が類似団体と比較して低い数値となっているが、これは企業会計移行前に取得した資産について減価償却累計額が反映されていないことによるものであり、実際には管渠老朽化率が示すとおり施設の老朽化はかなり進んでいる状況にある。
全体総括
当市の公共下水道事業は、普及率が依然低いうえ一部処理区では施設の老朽化が進んでおり、新規整備と改築更新の両方を進めていかなければならないという厳しい経営環境にある。こうした状況の中、本事業においては、平成28年度に特定環境保全公共下水道事業とあわせて経営戦略を策定し、特定環境保全公共下水道事業と合わせての事業運営の中で、継続的に経費節減に取り組むなど、経営戦略に基づいた経営状況の改善に向けた取り組みを進めるとともに、経営戦略の進捗管理及び見直しを行っていく必要がある。