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2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
令和元年度の財政力指数は0.51で、類似団体内平均値は上回っているものの、大阪府平均を下回っている。これは、高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少や地価の下落等による町税の減収に加え、担税力の高い企業も少なく、町税に占める法人町民税の割合が低いことなどが要因である。今後においても大幅な町税の増収は見込めないところではあるが、徴収業務の強化や、使用料・手数料の適正化など自主財源の確保により、引き続き財政基盤の強化に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
令和元年度の経常収支比率は103.7%で、全国平均や類似団体内平均値を上回る状況にあり、依然として高い水準で推移している。これは、経常収支比率の算定要素のうち、過去に行った建設事業等に伴う公債費が、未だ高い水準にあることに加え、社会保障関係経費の増加や、団塊の世代の退職による人件費の増加などが要因である。今後においても公債費負担を抑制しながら、定員管理・給与の適正化を堅持し、事務事業の見直しによる経費の削減を図るとともに、町税をはじめとする自主財源の確保に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
令和元年度の人口1人当たり人件費・物件費等決算額は142,435円で、類似団体内平均値よりは下回っているものの増加傾向となっている。これは、人件費では退職手当の増、物件費では、各種計画等の策定業務委託や専門職配置による賃金などが高水準を維持し、横ばい傾向にあるなか、人口減少が影響していると考えられる。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
これまでに、給与構造の見直しによる職務・職責に応じた構造への転換や給与制度の総合的見直しによる給料表の改正、枠外昇給制度の廃止、55歳昇給抑制を実施した。また、調整手当を廃止し地域手当に移行、令和元年度から初任給を引き下げなど給与の適正化に努め、ラスパイレス指数を100以下に抑制してきた。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員数は、行財政改革の推進により、平成14年度(144人)をピークに年々減少(令和元年度114人累計-31人)し、全国平均を下回っている状況である。また、集中改革プランにおける数値目標(平成17年度職員数から8人以上の削減)は、平成21年度に達成した。今後、定年退職者の増加が見込まれることから、平成27年度に定員適正化計画(目標職員数115人)を策定し、適切な定員管理に努めている。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
令和元年度の実質公債費比率は7.1%で、全国平均や大阪府平均を上回っている。これは、地方債(町債・企業債)の償還にかかる公債費や、下水道事業会計への繰出金が高い水準で推移していることが要因である。今後においても、建設事業等にかかる地方債の新規発行の抑制、平準化とともに、下水道事業の経営基盤強化による繰出金の縮減を図るなど、引き続き公債費負担の軽減に努める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和元年度の将来負担比率は生じておらず、これは将来負担比率の算定要素のうち、地方債現在高や退職手当負担見込額が減少したことが主な要因である。今後においても、下水道事業の経営基盤強化による繰出金の抑制や、地方債残高の推移を注視し、適正な負担の範囲となるように努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
令和元年度の人件費は32.0%で、類似団体内平均値、全国平均及び大阪府平均全てで上回っている。これは、当該年度において一定の退職者が生じたことが大きく影響しており、今後の定年退職者数についても年度間によっての増減があることから、退職手当基金の効率的な活用を図るとともに、事務の委託化や、補充採用も含め定員管理・給与適正化により、人件費の抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
令和元年度の物件費は20.9%で、類似団体内平均値、全国平均及び大阪府平均全てで上回っており、高い水準となっている。これは、ここ数年各種計画等の策定をはじめとした業務委託が増加傾向にあることや、行政サービスの多様化により、主に福祉分野における専門知識が必要となっており、それを補うための非常勤職員数の増加なども影響している。今後においても、事務事業の見直しや、施設の維持管理経費の精査により、物件費の抑制に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
令和元年度の扶助費は8.4%で、類似団体内平均値を1.6ポイント上回っているものの、全国平均や大阪府平均は下回っている。本町には福祉事務所がなく、生活保護費の支給がないため全国平均などと比べると低い率となっているが、ここ数年では、特に障がい者施策に要する経費の伸びが著しく、加えて、少子高齢化による各種給付費などの増加が見込まれることから、扶助費の占める割合はより一層高まり、財政負担となる懸念がある。
その他
その他の分析欄
令和元年度のその他は17.1%で、類似団体内平均値、全国平均及び大阪府平均全てで上回っている。これは、その他を構成する要素のうち、下水道事業や国民健康保険事業、介護保険事業など特別会計に対する一般会計からの繰出金が、本町の決算額に対して大きな割合を占めていることが要因である。今後においても、各特別会計における使用料や保険料の適正化を図るとともに、事務経費などの削減に取り組み繰出金の低減に努める。
補助費等
補助費等の分析欄
令和元年度の補助費等は11.9%で、類似団体内平均値は下回っているものの、全国平均や大阪府平均を上回っている。これは、ゴミ処理等を一部事務組合で行っていることや常備消防業務を委託していることが要因であり、引き続き加入する一部事務組合や常備消防業務の委託先団体とともに業務内容及び負担金の精査に努める。また、補助費等を構成する各種団体などへの補助金等についても、より一層適正な執行がなされるよう精査に努める。
公債費
公債費の分析欄
令和元年度の公債費は13.4%で、類似団体内平均値、全国平均及び大阪府平均全てで下回っている。これは、建設事業等にかかる地方債の新規発行を抑制してきたためである。今後においては、公共施設の老朽化対策をはじめとする建設事業等が確実に見込まれることから、引き続き地方債の新規発行の抑制、平準化など公債費負担の適正化に取り組む必要がある。
公債費以外
公債費以外の分析欄
令和元年度の公債費以外は90.3%で、類似団体内平均値、全国平均及び大阪府平均全てで上回っている。各項目毎の分析等については上述のとおりであるが、本町では人件費、物件費、その他(特別会計繰出金)の水準が特に高く、それが数値に表れている。公債費以外で構成される本指標については、当該年度の経常的な財源をもって措置されている状況にあるものの、その財源には臨時財政対策債を含んでいる点などを考慮すれば、今後においても、歳出経費の削減及び自主財源の確保に努める必要がある。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
目的別歳出の分析欄
本町の目的別歳出のうち、民生費が歳出全体の3割超と大きな割合となっている。民生費については、少子高齢化等に伴う社会保障関係経費の増加、人口減などにより、住民一人当たりコストも引き続き増加している状況である。類似団体、全国平均及び大阪府平均と比較していずれも低い水準となっているが本町には福祉事務所がなく、生活保護関連経費がないということから考えると、決して低い水準であるとは言えない状況である。今後も、少子高齢化等の影響による民生費の増加が懸念される。次に大きな割合となっているのは、総務費で歳出全体の1割を超えている。総務費は主に庁舎や電算関連の維持管理経費、税務や戸籍事務などの経費が計上されている。住民一人当たりのコストは、平成29年度では水道事業が企業団へ経営統合されたことから、その関連経費の影響などもあって大幅な減となったものの、全国平均及び大阪府平均を上回っており、今後も維持管理経費等の削減に努める必要がある。そのほか、農林水産業費や商工費については、他団体と比較し、著しくコストが低いのが特徴となっており、今後の少子高齢化等を考慮し、税収等の確保という観点からも農林業や商工の振興に効率的に配分していく必要がある。また、教育費については、類似団体内平均値を下回っているものの、令和元年度は、中学校などの改修、生涯学習施設等整備や国指定史跡二子塚古墳保存整備などの影響により大きく増加している。今後も、社会保障関係経費や施設の整備、老朽化対策などにより、歳出の増加が懸念され、限られた財源の中、選択と集中により効率的な財政運営に努めていく必要がある。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
性質別歳出の分析欄
義務的経費のうち、建設事業等の抑制に努めてきた結果、公債費は32,735円と抑制につながったものの、人件費や扶助費、物件費はここ数年増加傾向にある。人件費については、82,426円と類似団体内平均値を下回っているものの、全国平均及び大阪府平均を上回り、高水準にある。主に業務の多様化に伴う時間外勤務手当の高止まりや退職手当などが増の要因となっている。また、扶助費については、72,629円と福祉事務所がなく、生活保護費の支給がないことから低い水準となっているものの、障がい者施策や子育て支援の充実などから着実に増加傾向にあり、少子高齢化を踏まえると今後も増加していくことが懸念される。物件費については、71,467円と類似団体内平均値を下回っているものの全国平均や大阪府平均を上回っている状況にある。これは、ここ数年各種計画等の策定をはじめとした業務委託が増加傾向にあることや、行政サービスの多様化により、主に福祉分野における専門知識が必要となっており、それを補うための非常勤職員数の増加なども影響している。このような各種性質別歳出の増加などから、経常的経費が増加傾向にあり、税収等の減と相まって経常収支比率の悪化につながっている。加えて、今後施設老朽化に伴う改修などが必要となると想定されることから、計画的な施設更新による平準化を図るとともに、経常的経費の抑制に努めていく必要がある。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄令和元年度の実質収支は28百万円の黒字となったものの、収支不足により財政調整基金より取り崩しを行っており、実質単年度収支は大きく赤字となっている。これは、社会福祉関係経費などの増加や物件費の高止まり、主要施策においても、ハード事業からソフト事業への転換が多くなってきている結果として、経常化してきていることから歳出が増加傾向にあり、令和元年度は特に定年等の退職者が多くなったことで増加に拍車がかかった。一方、歳入においては、交付税が増加したものの、町税や各種交付金などが減少したことにより一般財源は横ばいになった。また、財政調整基金残高は取崩しの影響もあり1,494百万円、標準財政規模(3,203百万円)に対し46.64%と減少している。本町の依存財源の割合は60%を超える脆弱な財政基盤であり、今後も費用負担増が想定されるため、施設改修や社会保障経費に対応するための貴重な財源となると考えている。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄令和元年度の連結実質赤字比率は生じておらず、早期健全化基準(20%)を下回っている。また、一般会計以外においても赤字決算となった会計はない。一般会計以外の黒字額の内訳では、下水道事業特別会計が27百万円で一番多く、標準財政規模(3,203百万円)に対する比率は0.84%、次いで介護保険特別会計の実質収支額が14百万円で、同0.44%となっている。なお、各特別会計においては、一般会計から財源の繰入を行っており、特に下水道事業特別会計については、公債費の増加もあって基準外繰入を行っている状況にある。そのため、今後においても、使用料や保険料の適正化、並びに徴収事務の強化、広域化・共同化を含めた事務事業の効率化などにより、繰入金(一般会計の負担)の縮減に努める。
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実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄令和元年度の実質公債費比率は、早期健全化基準(25%)を下回る7.1%で、前年度から0.1ポイント悪化した。これは、令和元年度では改善しているものの、3か年平均の算定年度のずれによるものである。今後も予定される公共施設の老朽化対策をはじめ、新たな建設事業等にかかる地方債の需要については、交付税算入のある事業債を活用できるよう事業計画を策定し、下水道事業の経営基盤強化とともに、引き続き実質公債費比率の抑制に努める。
分析欄:減債基金該当なし
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将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄令和元年度の将来負担比率は、昨年度に引き続き生じておらず、早期健全化基準(350%)を下回っている。地方債現在高が減少したことが、将来負担比率の健全化維持につながったと考えられる。今後、下水道事業に係る公営企業債等繰入見込額(1,153百万円)については、過年度発行分の償還が進み減少傾向になると見込まれるものの、公共施設の老朽化対策として、新たに需要が見込まれる。これに対応するため、一般会計の建設事業等における地方債の発行については、基準財政需要額算入のある事業債を優先的に、また退職手当の負担については、退職手当基金を計画的に利活用することにより、将来の負担に備えた財政運営に努める。
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基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)これまでの行政改革の推進により、投資的経費をはじめとした歳出全体の抑制に努めてきたことや、歳入においては、税収が減少傾向にあったものの、消費税増税に伴う地方消費税交付金の増や普通交付税の算定見直しによる増加などにより、歳入総額が膨らんだ結果、一定額の剰余金が発生したことから、積立を行うことができた。しかしながら、人件費や扶助費の義務的経費や物件費などが年々増加し、令和元年度では財源不足から、財政調整基金の処分を行ったことで、残高の減少となった。また、特定目的基金については、これまで計画的な処分を行ってきたものの、令和元年度は、定年退職者が多く発生したことや、公共施設等の整備や改修に要する経費の財源として活用したことで、残高の減少となった。(今後の方針)今後、少子高齢化等に伴う町税の減少により、歳入総額の増額が見込まれない中で、歳出においては、社会保障関係経費の増加や施設の老朽化対策経費の増加が懸念されるところである。このような状況を踏まえると、限りある財源を計画的に有効活用していく必要がある。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)これまでの行政改革の推進により、投資的経費をはじめとした歳出全体の抑制に努めてきたことや、歳入においては、税収が減少傾向にあったものの、消費税増税に伴う地方消費税交付金の増や普通交付税の算定見直しによる増加などにより、歳入総額が膨らんだ結果、一定額の剰余金が発生したことから、積立を行うことができた。しかしながら、人件費や扶助費の義務的経費や物件費などが年々増加し、令和元年度では財源不足から、財政調整基金の処分を行ったことで、残高の減少となった。(今後の方針)今後、少子高齢化等に伴う町税の減少により、歳入総額の増額が見込まれない中で、歳出においては、社会保障関係経費の増加や施設の老朽化対策経費の増加が懸念されるところである。このような状況を踏まえると、限りある財源を計画的に有効活用していく必要がある。
減債基金
減債基金
(増減理由)定期預金の利息のみの積立となっている。(今後の方針)現状、繰り上げ償還等の予定がないことから、利息のみの積立となっている。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・特定目的基金のうち、公共施設整備基金が大きな割合を占めており、本町では、生涯学習等施設整備(複合施設)に多額の費用を要することから、その費用に充当するため、また、既存施設の老朽化対策のため、積立てを行ってきた。平成31年度から複数年かけて生涯学習施設等の整備が開始し、順次充当財源として取り崩す予定である。また、既存施設の老朽化対策経費にも計画的に取崩し、充当していく予定である。・太子まちづくり「夢」基金については、個性的・魅力的なまちづくりの推進、豊かな発想を育み「夢」の膨らむソフト事業の展開に充てるため設置しており、基金にも限りがあることから、現在では、教育振興事業(英語検定試験検定料補助金、中学生国際交流事業)に充当している。(増減理由)・公共施設整備基金は、生涯学習等施設整備や公共施設の老朽化対策経費に充当したことにより減少している。・退職手当基金は、団塊の世代の定年等退職手当負担緩和のため処分を行ったことで減少している。(今後の方針)大きな割合を占める公共施設整備基金については、生涯学習施設等整備に向けかなりの規模の処分を見込むとともに、その他既存施設の老朽化対策についても、かなりの経費が見込まれることから今後大幅に減少していく見込みである。退職手当についても、今後の定年退職者に備え、順次処分していく予定である。このようことから、今後基金総額としては、減少していく見込みである。そのため、限りある財源であることから、計画的に有効活用していく必要がある。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は、大阪府平均、類似団体内平均値を下回ってはいるが、老朽化が進んでいる状況には変わりない。また、1人あたりの資産規模は比較的少ないが、近い将来、公共施設等の長寿命化や更新等に多額の費用を要することが予想されるため、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、老朽化した施設について計画的に改修を行う等、公共施設等の適正管理に努める。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率が大きく増加しており、大阪府平均、類似団体内平均値よりも上回っている。これは基金の取崩しにより基金残高が大きく減少したことが要因である。今後も、公共施設等の老朽化対策として、多額の費用が見込まれ、地方債の借入と基金の取崩しに頼らざるをえない状況であり、比率の悪化が予想される。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
平成17年頃からの行財政改革により、投資的経費なども含め予算規模の抑制を実施してきたことで、公債費や地方債残高の減少を図るとともに、決算収支による余剰金を基金へ積み立ててきたことによって増加傾向にあった。そのため、将来負担を現在のストックで賄えてきたことから将来負担比率はマイナスとなり、「-」となっている。しかしながら、令和元年度には、収支不足により、財政調整基金から多額の取崩しを行ったことから基金残高が大幅に減少したことで、比率は悪化傾向にある。一方、投資的経費を抑制してきたことで、施設の老朽化が進み、有形固定資産減価償却率は悪化していたが、ここ数年は、比率の悪化は抑制されており、比較的適正な維持管理が行えていると言える。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
平成17年頃からの行財政改革により、投資的経費の抑制、償還終了に伴う元金償還額減少の範囲内での借入等を実施してきたことから、公債費、地方債残高が減少傾向にある。実質公債費比率については、制度開始当初の平成19年度には18.9%であったが、令和元年度には11.8ポイント減の7.1%となっている。充当可能財源についても、予算規模の抑制などにより黒字を確保してきたことから、余剰分を積み立てることで基金残高は増加傾向にあった。また、地方債については、交付税措置のある事業債を考慮しながら計画的に借入を行ってきたことから、基準財政需要額への算入見込額が増加してきた。その結果、将来の負担は現在のストックで賄えていることから将来負担比率はマイナスとなっており、「-」となっている。しかしながら、令和元年度には、収支不足などから基金の取崩しが増加し、比率は悪化している。今後も公共施設等の長寿命化や更新が必要なことから、基金の取崩しや、地方債の活用を続けていく必要があり、数値としては悪化することが懸念される。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
施設情報の分析欄
投資的経費や予算規模の抑制等を実施してきたものの、道路、橋りょう・トンネルの有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値を下回っている。これは類似団体に比べ道路延長等の一人当たりの資産規模が小さいことが要因であると言える。一方、幼稚園、学校施設においては平成13年度の幼稚園新園舎の建設や校舎の耐震補強、空調整備等の大規模改修を計画的に実施してきたものの、それ以上に資産の償却が進んでおり、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を上回っている。公民館においても類似団体内平均値及び大阪府平均を大きく上回っており、かなり老朽化が進んでいるものの、施設の集約化により今後除却する予定である。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
施設情報の分析欄
社会教育施設である図書館及び体育館の有形固定資産減価償却率は共に類似団体内平均値を下回っており、類似団体に比べ、施設の維持・更新が進んでいる状況であると言える。一方、福祉施設、保健センター、市民会館(万葉ホール)、庁舎、消防施設については、どれも類似団体内平均値を上回っていることから、類似団体と比べると老朽化が進んでいる状況であると言える。一人当たりの資産規模は類似団体内平均値に比べ少ないにも関わらず、償却率は高いことから施設の維持・更新等を計画的に進め、対策を急ぐ必要がある。特に類似団体内順位の高い、市民会館(万葉ホール)と庁舎については、今後多額の更新費用を要することが予測されるため、一定の基金の取崩しや地方債に頼らざるをえない状況である。
財務書類に関する情報①(2019年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額は前年度末から348百万円減少(△2.2%)し、負債総額は前年度末から246百万円減少(△4.5%)した。資産のうち、固定資産は前年度末から140百万円減少(△1.0%)、流動資産は前年度末から208百万円減少(△11.4%)した。固定資産は、公共施設整備や退職金支給による目的基金の取り崩しで152百万円減少があったものの、減価償却以上の資産取得による有形固定資産等の9百万円増加による変動である。流動資産は、財政調整基金の取り崩し225百万円の影響により、208百万円の減少となっている。負債の減少の要因は、地方債の返済による106百万円減少、退職手当引当金の108百万円減少があげられる。流動比率(流動資産/流動負債)は過去から継続して200%を超えているものの、資産合計のうち固定資産が85%以上を示しており、固定資産の大半を占める有形固定資産の減価償却率が年々上昇していることから、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正管理に努める必要がある。全体会計では、資産総額は前年度末から2,682百万円増加(+15.0%)し、負債総額は前年度末から2,221百万円増加(+29.2%)した。資産総額は、下水道事業の令和2年度決算からの公営企業会計移行による前年度末から3,027百万円増加の影響が大きく、一般会計等に比べて5,281百万円多くなっている。負債総額も資産と同様に下水道事業の令和2年度決算からの公営企業会計移行による前年度末から2,472百万円増加の影響を受け、一般会計等に比較して4,547百万円多くなっている。連結会計では、資産総額は前年度末から2,638百万円増加(+12.1%)し、負債総額は前年度末から2,186百万円増加(+25.1%)した。資産総額は、一部事務組合・広域連合等の資産が含まれるため、全体会計に比べて3,994百万円多くなっており、負債総額も同様に一部事務組合・広域連合等の地方債等が含まれるため、1,071百万円多くなっている
2.行政コストの状況
一般会計等においては、純行政コストは前年比+153百万円(+3.50%)、純経常行政コストは前年比+196百万円(+4.53%)となっている。経常費用は4,636百万円(前年度比211百万円の増加(+4.77%))となっており、業務費用(2,737百万円)の方が移転費用(1,899百万円)よりも多くなっている。業務費用のうち、最も金額が大きいのは減価償却費(436百万円)を含む物件費等(1,619百万円、前年度比+100百万円)であり、物件費等は経常費用の34.92%を占めている。今後、民間委託による事務の効率化や公共施設等の適正管理を進めることにより経費の縮減等を図る。全体会計では、純行政コストは前年比+83百万円(+1.22%)、純経常行政コストは前年比+117百万円(+1.73%)となっている。一般会計等に比べて、下水道料金等が使用料及び手数料に計上されるものの、国民健康保険や介護保険の負担金も補助金等に計上されるため、純行政コストは2,355百万円多くなっている。連結会計では、純行政コストは前年比+311百万円(+3.82%)、純経常行政コストは前年比+331百万円(+4.08%)となっている。全体会計に比べて、連結対象団体の人件費や物件費が計上されるため、純行政コストは1,571百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(4,383百万円(前年度比+171百万円))が純行政コスト(4,521百万円(前年度比+153百万円))を下回ったことから、本年度差額は△138百万円(前年度比+18百万円)となり、純資産残高は101百万円の減少となった。基準日時点における将来の本町の金銭必要額は、現金預金残高と比較しても大きく足りていないため、固定資産等の所有や管理を検討していく必要がある。純資産残高の減少が続いているため、純資産の減少を食い止めるべく、財源の確保とともに行政コストの縮減に努めたい。全体会計では、財源(6,933百万円(前年度比+320百万円(+4.84%)))が純行政コスト(6,876百万円(前年度比+83百万円(+1.22%)))を上回ったことから、本年度差額は57百万円(前年度比+237百万円)となった。下水道事業の企業会計移行の影響(398百万円)等により純資産残高が460百万円増加した。一般会計等と比べて、国民健康保険特別会計・介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料、国や府の補助金が財源に含まれるため、本年度差額は195百万円、本年度純資産変動額は561百万円多くなっている。連結会計では、財源(8,496百万円(前年度比+466百万円(+5.80%)))が純行政コスト(8,447百万円(前年度比+311百万円(+3.82%)))を上回ったことから、本年度差額は49百万円(前年度比+155百万円)となった。全体会計と比べて連結対象団体の国県等補助金等が財源に含まれるが、相殺処理の影響もあることから、本年度差額・本年度純資産変動額はともに8百万円少なくなっている。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は100百万円であったが、投資活動収支については、公共施設への投資を大幅に行ったものの、基金の取り崩しが大きく52百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△135百万円となっている。本年度末資金残高は前年度から17百万円増加し、47百万円となった。地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況であるものの、本年度は退職金の支給により業務活動収支が前年度に比べて△198百万円(△66.44%)となった。業務活動収支が減少傾向にあるため、マイナスとならないよう、健全な行政運営を行う。全体会計では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、下水道事業の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より178百万円多い278百万円となっている。投資活動収支は、一般会計国民健康保険特別会計の基金取崩により23百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△273百万円となり、本年度末資金残高は前年度から28百万円増加し、107百万円となった。連結会計では、業務活動収支は全体会計より100百万円多い378百万円となっている。投資活動収支では、連結対象団体が資産の取得を行ったことにより67百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△302百万円となり、本年度末資金残高は前年度から10百万円増加し、比例連結割合変更に伴6百万増加により1,042百万円となった。
財務書類に関する情報②(2019年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額が類似団体平均値を大きく下回っている。これは、統一的な基準では、昭和59年度以前に取得した道路、河川等の敷地については、取得価額不明なものとして取扱い、備忘価額1円で評価することとされていることによる。内訳としては、住民一人当たりの有形・無形固定資産は90.8万円(前年度+1.0万円)、住民一人当たりの投資等・流動資産は23.8万円(前年度△2.4万円)となっている。歳入額対資産比率については、類似団体平均値を下回る結果となった。一見、社会資本整備が進んでいないようにも見えるが、本町では継続して一定の整備を実施している。道路や河川の敷地のうち、取得価格が不明なため備忘価格1円で評価しているものが多いことが類似団体平均値を下回っている要因のひとつと考えられる。令和元年度については主に繰入金の増により、歳入総額が増加したことが、前年度からの大幅な減少の要因である。有形固定資産減価償却率が類似団体平均値と近似値である。経年の推移も近似しており、有形固定資産の適正な維持・更新が実施できていると言える。公共施設総合管理計画に基づき、今後も適正な維持・更新を図る。
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均値を大幅に下回っている。その要因として、道路や河川の敷地のうち、取得価格が不明なため、備忘価格1円で評価している資産が多いことがあげられる。類似団体平均値は年々減少傾向にあるが、本町は僅かながら増加傾向にあり、将来世代の負担を軽減できていると言える。なお、インフラ資産を除いた実質純資産比率は平均して約42%を示していることから、純資産比率の増加の要因はインフラ資産であると考えられるものの、油断禁物である。社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均値を上回っていたが、H29年度からは下回っている。継続してポイントは減少しており、これは地方債の償還を進めた結果であるため、今後も将来世代の負担をより減少できるよう努める。
3.行政コストの状況
住民一人当たりの行政コストは類似団体平均値を大きく下回っている。類似団体平均値は年々増加しており、本町も例外ではない。今後、少子高齢化に伴う社会保障給付をはじめ、人件費や物件費も増加傾向にあることから、今後増加していくことが懸念される。そのため、民間委託の効率化や施設集約化等により経費削減に努める。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を下回っている。類似団体平均値は増加傾向にあるが、本町は減少傾向にある。これは、これまで投資的経費を必要最低限とすることで地方債の発行を抑制してきたため、地方債の償還が進み、地方債残高が減少傾向にあることが要因である。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、△195百万円となっている。これまでは類似団体平均値を上回っており、特にH30年度は大幅に上回っていた。令和元年度において投資活動収支が赤字となっているのは、財政調整基金を取り崩して業務(投資)活動に充当したため・公共施設整備基金を取り崩して公共施設等の必要な整備を行ったため・退職手当基金を取り崩して退職金を支給したための3つが要因として挙げられる。今後、再び基礎的財政収支が黒字となるよう、健全な行政運営・適正な公共投資に努める。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均値を大きく下回っている。これは、年々増加傾向にあるコストに対して適正な使用料・手数料の設定ができていないことが要因と考えられる。公共施設等の使用料・窓口業務の手数料の見直しを検討するともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。なお、類似団体平均値(6.9%)まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、2,969百万円経常費用を削減(△64.0%)する必要があり、経常費用を一定とする場合は、205百万円経常収益を増加(+178.2%)させる必要がある。
類似団体【Ⅲ-2】
岩内町
東神楽町
上富良野町
野辺地町
石巻市
松島町
古河市
足利市
佐野市
桐生市
榛東村
加須市
越生町
鳩山町
皆野町
一宮町
長生村
白子町
松田町
山北町
箱根町
小松市
白山市
高浜町
身延町
木曽町
各務原市
富士宮市
焼津市
掛川市
藤枝市
東伊豆町
瀬戸市
半田市
刈谷市
小牧市
稲沢市
東海市
桑名市
朝日町
川越町
紀宝町
彦根市
長浜市
草津市
東近江市
大東市
能勢町
太子町
神河町
湯浅町
上富田町
岩美町
南部町
伯耆町
隠岐の島町
早島町
里庄町
尾道市
坂町
防府市
周南市
平生町
板野町
東みよし町
丸亀市
土庄町
小豆島町
新居浜市
鬼北町
佐川町
芦屋町
桂川町
大木町
香春町
川棚町
佐々町
甲佐町
屋久島町
徳之島町
本部町
恩納村
金武町
嘉手納町