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平成28年度の財政力指数は0.52で、類似団体内平均値や全国平均値は上回っているものの、大阪府平均値を下回っている。これは、高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少や地価の下落等による町税の減収に加え、担税力の高い企業も少なく町税に占める法人町民税の割合が低いことなどが要因である。今後においても大幅な町税の増収は見込めないところではあるが、徴収業務の強化や、使用料・手数料の適正化など自主財源の確保により、引き続き財政基盤の強化に努める。
平成28年度の経常収支比率は93.9%で、大阪府平均値を下回るものの全国平均値や類似団体内平均値を上回る状況にあり、依然として高い水準で推移している。これは、経常収支比率の算定要素のうち、過去に行った建設事業等に伴う公債費が、未だ高い水準にあることに加え、社会保障関係経費の増加や、介護保険特別会計、国民健康保険特別会計などへの繰出金の増加などが要因である。今後においても公債費負担を抑制しながら、定員管理・給与の適正化を堅持し、事務事業の見直しによる経費の削減を図るとともに、町税をはじめとする自主財源の確保に努める。
平成28年度の人口1人当たり人件費・物件費等決算額は127,345円で、全国平均及び大阪府平均値を上回っているものの、類似団体内平均値よりは下回っている。これは、人件費では退職手当の増、物件費では、各種計画等の策定業務委託や専門職配置による賃金などが増傾向にあるのが主な要因である。なお、決算額の増加については、公共施設等総合管理計画や観光振興ビジョン策定業務委託料、小中学校パソコン機器賃借料などが増額となったことが主な要因である。
これまでに、給与構造の見直しによる職務・職責に応じた構造への転換や給与制度の総合的見直しによる給料表の改正、枠外昇給制度の廃止、55歳昇給抑制を実施した。また、調整手当を廃止し地域手当に移行するなど給与の適正化に努め、ラスパイレス指数を100以下に抑制してきた。ただし、平成23・24年度の2年間は、国の給与改定特例法により、ラスパイレス指数が100を超過する状況にあった。
職員数は、行財政改革の推進により、平成14年度(144人)をピークに年々減少(平成28年度111人累計-33人)し、全国平均を下回っている状況である。また、集中改革プランにおける数値目標(平成17年度職員数から8人以上の削減)は、平成21年度に達成した。今後、定年退職者の増加が見込まれることから、平成27年度に定員適正化計画(目標職員数115人)を策定し、適切な定員管理に努めている。
平成28年度の実質公債費比率は7.3%で、前年度に比べ0.9ポイント低下しているものの、全国平均値や大阪府平均値を上回っている。これは、地方債(町債・企業債)の償還にかかる公債費や、下水道事業会計への繰出金が高い水準で推移していることが要因である。今後においても、建設事業等にかかる地方債の新規発行の抑制、平準化とともに、下水道事業の経営基盤強化による繰出金の縮減を図るなど、引き続き公債費負担の軽減に努める。
平成28年度の将来負担比率は生じておらず、これは将来負担比率の算定要素のうち、地方債現在高や負担となるごみ・し尿処理事業委託先の一部事務組合への負担見込額が減少したこと、充当可能基金額が増加したことが要因である。今後においても、下水道事業の経営基盤強化による繰出金の抑制や、地方債残高の推移を注視し、適正な負担の範囲となるように努める。
平成28年度の人件費は26.7%で、類似団体内平均値を3.0ポイント上回っている。これは、当該年度において一定の退職者が生じたことや、時間外勤務手当の増加も影響しており、今後の定年退職者数についても年度間によっての増減があることから、基金積立てにより必要な退職手当にかかる財源の確保を図るとともに、事務の委託化や、補充採用も含め定員管理・給与適正化により、人件費の抑制に努める。
平成28年度の物件費は18.1%で、類似団体内平均値を4.3ポイント上回っている。これは、平成24年度に着手した基幹系電算システムの更新事業によるところが大きいが、小・中学校完全給食実施による事業委託、各種計画等策定業務委託や、福祉分野での非常勤職員数の増加なども影響しており、今後においても、事務事業の見直しや、施設の維持管理経費の精査により、物件費の抑制に努める。
平成28年度の扶助費は7.5%で、類似団体内平均値を1.2ポイント上回っているものの、全国平均値や大阪府平均値は下回っている。本町には福祉事務所がなく、生活保護費の支給がないため全国平均などと比べると低い率となっているが、今後も更なる少子高齢化の進行に伴う各種給付費などの増加が見込まれることから、扶助費の占める割合はより一層高まり財政負担となる懸念がある。
平成28年度のその他は15.2%で、類似団体内平均値を1.4ポイント上回っている。これは、その他を構成する要素のうち、下水道事業や国民健康保険事業、介護保険事業など特別会計に対する一般会計からの繰出金が、本町の決算額に対して大きな割合を占めていることが要因である。今後においても、各特別会計における使用料や保険料の適正化を図るとともに、事務経費などの削減に取り組み繰出金の低減に努める。
平成28年度の補助費等は12.1%で、類似団体内平均値は下回っているものの、全国平均値や大阪府平均値を上回っている。これは、ゴミ処理等を一部事務組合で行っていることや常備消防業務を委託していることが要因であり、引き続き加入する一部事務組合や常備消防業務の委託先団体とともに業務内容及び負担金の精査に努める。また、補助費等を構成する各種団体などへの補助金等についても、より一層適正な執行がなされるよう精査に努める。
平成28年度の公債費は14.3%で、類似団体内平均値、全国平均値及び大阪府平均値を下回っている。これは、建設事業等にかかる地方債の新規発行を抑制してきたためである。今後においては、公共施設の老朽化対策をはじめとする建設事業等が確実に見込まれることから、引き続き地方債の新規発行の抑制、平準化など公債費負担の適正化に取り組む必要がある。
平成28年度の公債費以外(人件費・扶助費・物件費・補助費等・その他の計)は79.6%で、類似団体内平均値を7.1ポイント上回っている。各項目毎の分析等については上述のとおりであるが、本町では人件費、物件費、その他(特別会計繰出金)の水準が特に高く、それが数値に表れている。公債費以外で構成される本指標については、当該年度の経常的な財源をもって措置されている状況にあるものの、その財源には臨時財政対策債を含んでいる点などを考慮すれば、今後においても、歳出経費の削減及び自主財源の確保に努める必要がある。
平成27年度決算による将来負担比率及び実質公債費比率については、類似団体平均値と比較してともに低い水準にあるが、これは新規の建設公債費を抑制してきたこと、及び基金への積立を着実に行ってきたことによるところが要因である。しかし、公共施設等老朽化対策事業の財源として見込まれる新たな公債費や、退職手当基金の取り崩しなど、両比率を悪化させる要因となる財政需要が、近い将来確実に見込まれるため、起債の財源措置に留意し、基金の計画的な運用に努め、類似団体平均値を指標に比率の悪化を抑制していく。
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