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市税収入が低水準で推移していることに加え、社会保障経費が増加し続けていることから、平成21年度以降は低下または横ばいで推移している。平成28年度は、市町村民税の法人割や各種交付金の増により分子である基準財政収入額が増加したことに加え、分母である基準財政需要額も社会福祉費や高齢者保健福祉費の増加、臨時財政対策債振替相当額の大幅な減により増加したため、財政力指数は前年度と同じ0.76となった。今後も、少子高齢化に伴い、納税義務者数の減少が見込まれ、市税収入の大幅な増加は見込めないが、平成27年度に制定した行政経営改革指針に沿って、人口流入や企業誘致に取り組み、自主財源の確保に努めるとともに、事業の選択と集中を基本とした財政運営を推進することで、財政基盤の強化を図っていく。
類似団体の中で最も高い値となっている。要因としては、分母となる経常一般財源等については地方消費税交付金、地方交付税及び市税の法人税割などが減少したこと。一方、分子となる経常経費充当一般財源等が、各種システム経費の増や保育関連、障害福祉の分野で扶助費が増加していることが挙げられ、経常収支比率は前年度比で7.3ポイント悪化した。なお、継続して臨時財政対策債の発行抑制を行っていることも比率を上昇(2.1ポイント)させる要因となっている。発行抑制は、当該年度の比率を上昇させるが、後年度の公債費抑制のため、今後も出来る限り継続する方針である。
類似団体平均や大阪府平均を下回っているのは、これまでの行財政改革で指定管理者制度の導入や事務事業の民間委託を進め、職員数を削減してきたことによる人件費の大幅な減少が主な要因である。今後は公共施設の老朽化等に対応するため、維持補修費の増が見込まれるが、行財政改革指針に沿って、事務の効率化や施策の重点化・平準化を図るほか、事務事業のアウトソーシングを推進することで、より効率的な行財政運営に努めていく。
平成25年度までは類似団体平均と同程度の水準で推移してきたが、平成26年度からは経験年数階層の分布変動のため、平均を下回る水準となっている。今後も各種手当の見直しなどの給与抑制措置により、給与の適正化に努めていく。
全国平均や大阪府平均を大きく下回っており、類似団体内では最も少なくなっている。先の行財政改革プランⅡ(計画期間:平成22年度~26年度)の目標値を上回るペースで職員の削減が進んできた。今後も引き続き、定員管理の適正化に努めていく。なお、平成25年度に大きく減少しているのは、消防広域化に伴い、市の消防職員が一部事務組合の職員となったことによる。
類似団体平均を下回る水準で推移しているものの、近年は上昇傾向にある。平成28年度は、25年度債の元金償還が開始したことにより分子が増加する一方、臨時財政対策債発行可能額の大幅減により分母が減少したことにより、単年度実質公債費率が4.82%と高くなり、実質公債費比率(3カ年平均)を押し上げた。今後、野崎駅・四条畷駅周辺整備事業、北条まちづくり推進事業や庁舎建替えなどの大型事業が控えており、比率の上昇が見込まれるが、臨時財政対策債の発行抑制を行うなど、後年度の公債費負担を鑑みながら、地方債の発行を行っていく。
平成25年度末の土地開発公社解散に伴う将来負担額の大幅減および充当可能財源等の大幅増により、平成25年度決算以降、充当可能財源等が将来負担額を上回るようになった。平成28年度決算においても、地方債の現在高の減や下水道事業会計における将来負担見込額の減ならびに都市計画事業に係る地方債残高が増えたことによる充当可能特定財源等の増により、将来負担比率の分子である〈将来負担額-充当可能財源等〉のマイナス値が大きくなった。今後も事業実施の適正化を図り、将来負担の抑制に努めていく。
平成26年度決算では、消防広域化に伴い、前年度と比べて職員数が大きく減少したため、人件費が大幅に低下している。今後も、引き続き職員数の適正化を図りながら、民間活力の導入と多様な労働力配置を積極的に推進することによって、人件費総額の抑制に努めていく。
新規施設への指定管理者制度追加導入や窓口業務等の委託化が進んでおり、前年度よりも1.8ポイント悪化している。物件費が高い要因としては、職員数の削減により人件費を抑制している一方で事務業務委託料が増加していることが挙げられる。今後も事務事業のアウトソーシング推進に伴い、委託の増加が見込まれるが、委託内容の精査を行い、適正な執行に努めていく。
平成28年度決算では、生活保護費、子ども子育て支援法に基づく施設型給付・地域型保育給付費、障害者自立支援給付費および障害時通所給付費などの額が膨らんでいることにより、類似団体平均よりも高い水準で推移している。今後も保育関連や障害福祉の分野での経費の増加が見込まれることから、他団体の動向も鑑みながら適切に施策を実施し、扶助費の増加傾向に歯止めをかけるよう努めていく。
その他の経常収支比率は、前年度より0.6ポイント悪化し、13.6%となり、類似団体平均を下回っている。多くを占める繰出金の額が、国保特会、介護特会、後期特会などの給付費負担部分の増加に比例して増加しているが、今後も予防事業の推進等により給付費を抑制し、繰出金の縮減に努める。
下水道事業会計への負担金や大東四條畷消防組合および東大阪都市清掃施設組合などへの一部事務組合負担金の増加などで、前年度よりも1.7ポイント悪化し、類似団体平均よりも大きく上回っている。今後、補助金等の適正化や公営企業会計の健全化に努め、補助費等の抑制を図っていく。
平成28年度決算では市債に係る10年後利率見直し時の一括償還額が前年度よりも増加したことにより、1.4ポイント悪化した。今後は、野崎駅・四条畷駅周辺整備事業、北条まちづくり推進事業や庁舎建替えなどの大型事業が控えていることから、公債費の増加が見込まれる。引き続き市債発行の抑制を行うとともに「市債を財源とする事業の必要性」や「市債発行以外の財源調達の可能性」を十分に検討し、公債費の抑制につなげていく。
公債費以外の経常収支比率が類似団体と比較して高い要因は、主として扶助費・物件費・補助費等が高いことにある。行政経営改革指針に沿って、人口流入や企業誘致に取り組むことで、安定的な財源を確保するとともに、ビルドアンドスクラップの徹底による歳出の抑制に努めることにより、改善を図っていく。
平成26年3月の土地開発公社解散に伴い、債務負担行為に基づく支出予定額が皆減となったことなどから、平成25年度より将来負担比率はマイナス値となっている。実質公債費比率については、類似団体平均値を下回って推移しているものの、平成25年度から3年続けて増加している。これは土地開発公社解散に際して発行した第三セクター等改革推進債の元利償還が平成26年度から開始したことが要因の1つとなっている。将来負担比率の低さから、実質公債費比率が今後大きく増加し続けることはない見込みだが、将来の公債費負担を考慮しながら、今後も適切な市債発行に努めていく。
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