経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び⑤料金回収率は100%以上であり、単年度における経営は概ね良好である。収益不足による一般会計からの繰入もなく、給水収益で事業運営がなされている。また、②累積欠損金が発生していないことにより0%となっている。しかしながら、人口減少・節水傾向により給水収益が減少しているため、今後は数値が悪化することが想定される。③流動比率は28%減少した。これは年度内で工事費等の支払行為を終えることができず、未払金が増加したため。④企業債残高対給水収益比率は平成19年から平成24年まで新規起債が無く、企業債残高が少額となっている。平成30年度より老朽化の進んでいる重要給水管路を耐震管へと更新する工事を進めるため、毎年度新規起債予定であり、増加していくことが想定される。⑦施設利用率については、大口使用者の使用量の減少や人口減少等による配水量減少が続いており、施設更新時の配水量の見直しが必要である。⑧有収率では類似団体・全国平均と比べると高いが、今後も継続して漏水調査を行っていく。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率は平均値より高い。特に法定耐用年数を経過した管路の増加が年々進んでおり、③管路更新率と合わせて考察すると更新投資が大幅に遅れていることがわかる。平成25年度より河和配水池付近の管路耐震化事業を優先して実施しているが管路延長が短いため全体からみる更新率への影響が少ない。
全体総括
経営指標より、給水収益が年々減少傾向にあるとはいえ、単年で見れば健全な経営状態である。しかしながら、明らかに投資不足・管路更新不足の状態がわかる。日常的な漏水事故・大規模災害への対応として管路更新は喫緊の課題ではあるが、積極的に実施するためには現状の収益状態では不可能であり、今後、起債の増加とともに料金体系の見直しも必要と考察する。このことにより、収支バランス・投資バランスを総合的にまとめた経営戦略を平成30年度に策定をしたため、その計画に基づき安定した事業の経営を図っていく。尚、策定した経営戦略については令和5年度に見直し予定。