経営の健全性・効率性について
本町の経営は、下水道事業を平成13年8月31日に開始し、約20年が経過し面整備を精力的に進めている状況にあります。本町の経営指標としては、収益的収支比率、経費回収率がともに100%以上であるため、事業運営としては収支バランスが取れています。また、面整備は令和7年度の概成を目指しており、令和14年度に当初起債の償還完了となることため、以降は企業債残高は減少すると想定されます。汚水処理原価は類似団体より低く、効率的な汚水処理を行っていると考えます。水洗化率は大きな変更がなく、類似団体を下回っています。これは管渠整備が途上であり、かつ整備間もない区域が多い中、合併浄化槽の整備が既に済んでおり、高齢者単身や高齢世帯が多いため水洗化工事に対して消極的となっていることが原因と考えます。本町の経営効率化に向け、整備率、水洗化率の向上が健全な事業運営に寄与すると考えています。企業債残高対象事業規模比率は、終末処理場の増設を平成24年度に実施したため、高い比率となっています。しかし、今後の主な事業投資は、面整備が中心で令和7年度概成を目指しており、企業債残高は減少傾向となると考えています。
老朽化の状況について
供用開始(平成19年3月31日)より15年であるため、大半の施設の状態は良好です。今後、中央監視設備やポンプ設備などの電気、機械設備の一部について更新の必要性が生じることが想定されます。本町では、ストックマネジメント計画の策定をしています。管渠については、主要な管渠や腐食の恐れがある管渠の点検、調査を行っていますが、改築が必要となる管渠は抽出されていません。処理場施設は、日常的な定期点検を実施すると共に、主要な施設は重要な施設は状態監視による維持管理や、予防保全によるオーバーホールを行っています。中央監視設備は、製造メーカーの保守中止となっていることから、改築の必要性を検討しています。
全体総括
本町の下水道事業経営は、供用開始して15年が経過したところであり、今後の整備に合わせて、水洗化率の向上に注視することが重要であると考えています。また、財政収支においては、一般会計繰入、使用料収入が一様に安定していることから、収支バランスがとれているため、今後もこの状態を維持することが望ましいと考えています。今後の経営方針としては、概成に向けた面整備の実施、水洗化率の向上への取り組みの推進、管渠、処理場のストックマネジメントによる設備の修繕・改築や施設の機能維持のための点検・調査を行っていきます。