山県市：農業集落排水施設【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2021年度）

経営の健全性・効率性について

山県市農業集落排水は、市町村合併前の各町村が整備した施設（6施設）を運営しています。供用開始時期は、赤尾地区平成6年4月、梅原地区平成10年4月、伊自良左岸地区平成11年4月、大桑地区平成12年4月、伊自良右岸地区平成13年4月、桜尾地区平成15年4月からそれぞれ供用開始しました。①収益的収支比率：使用料収入においては、人口減少等による有収処理水量の減少傾向により伸び悩みとなっており、一般会計の繰入金に頼らざるをえない状況にあります。経費回収率の向上促進と併せ、更なる経費の削減に努めています。④企業債残高対事業規模比率：地方債の償還は、一般会計からの繰入により行っている状況です。その要因として、維持管理費において使用料収入では賄えない状況にあることが影響しています。⑤経費回収率：類似団体と比較し、若干高い数値ではあるものの、回収率が低い状態が続いています。施設の老朽化や不明水の流入など、使用料収入で回収できない原因の一つと捉え、管渠等の機能保全対策が、経費削減に繋がる効果的な対策とし、回収率向上に努めます。⑥汚水処理原価：汚水処理水量について、前年1,067,731m3に対し、1,052,950.となり14,781.減少しました。また汚水処理費に対する年間有収水量の割合が減少したため、汚水処理原価が増加しました。今後も施設の点検を行い適切な運転管理に努めます。⑦施設利用率：類似団体と比較し利用率は上回っており、処理施設の稼働はおおむね適正と考えられます。今後においても、老朽化に伴う不明水等の流入水の処理を行わないよう管渠の機能保全に努めます。⑧水洗化率：類似団体と比較し低い状況にあり、広報等で下水道への切替の啓発を行っていますが、切替に要する費用負担が支障となり水洗化率につながらない要因となっています。

老朽化の状況について

平成6年から平成15年にかけ供用開始した管渠布設総延長は124kmとなり、老朽化は年々進行しています。耐用年数からみると、現状では比較的新しい管ではありますが、将来を見据えた安定的な更新計画の策定が必要となってきます。まずは、現状の管渠の老朽化状況、雨水等の流入状況などを把握するため、管渠内の調査を定期的に行なうことで管渠の情報把握に努め、修繕等により長寿命化を実施します。また、令和5年度には法適用の事業団体となるため、現在法適用に向け準備を進めており、管渠等の更新費用捻出として減価償却費の予算計上が可能となってきます。

全体総括

市全体で人口減少が進むなか、処理区域も減少傾向にあり、使用料収入が今後減少することが予想され、現状では一般会計からの繰入金に頼らざるをえない状況にあります。今後到来する施設更新に備え、雨水流入対策等の効率的な運転管理等、日頃から既存施設の稼動状況を把握しています。また処理施設の統廃合等により更新費用の抑制を踏まえた計画も検討するなど、持続可能な取組みに努めます。未接続者に対する下水道接続を推進し、また現在使用している使用者へは収納率向上に努め、限りなく一般会計に頼らないよう財源確保に努めます。

山県市：農業集落排水施設

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