経営の健全性・効率性について
①経常収支比率および⑤経費回収率について、現金ベースでは雨水処理負担分を含むものの、総収益の28.8%程度を一般会計繰入金が占めている。使用料増収させるため普及促進活動や使用料の改定(平成28年4月実施)等取り組んでおり、⑧の水洗化率は高水準であるものの、有収水量は節水器具の普及等で増収は厳しい。また④企業債残高と⑥汚水処理原価については、元々多額である建設改良債償還金と併せ、平準化債を可能限度額まで起債していること、平成19年度から3年間行った公的資金補償金免除繰上償還借換分を重ねて支払っていることが、数値悪化の要因と考えられる。しかし借換債償還分は32年度を最後に終了することと、汚水管渠の面整備は基本終了していることから、今後④企業債残高と⑥汚水処理原価の数値は少しずつ改善される見込みである。⑤経費回収率については、収入増は前述のとおり厳しい見込みで、支出減への経営努力を重ねているところである。下水道経営健全化計画に基づき、公共下水道事業と併せて平成19年度から職員数を4人削減、汚水処理場やポンプ場などの維持管理については包括的民間委託制度を導入し、施設の維持管理経費削減を図ってきた。更に28年10月からは窓口業務等の包括外部委託も導入するなど、①④⑤⑥の改善に向けて経営努力を続けているところである。
老朽化の状況について
現在は社会資本総合整備計画事業を活用するなどして、管渠整備や処理場改築事業を実施している。今後も適正な更新を行う等し、公共水域の保全に努めていく。
全体総括
上記1でも述べたとおりだが、下水道事業の根幹である使用料収入については、高齢者世帯や単身者世帯の増加や節水器具の普及等により、有収水量の増加は見込めない。水洗化率は順調に伸びてはいるが、これ以上の水洗化促進は頭打ちが予想され、使用料増収も見込み難く、収入減は必至である。これまで様々な経営努力は行ってきており、なかなか新しい取組みと言っても限界と思えるため、先進自治体の状況等を参考にする等して、経営健全化に向けた取組を模索して行く。