経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、前年度に比べ2.63ポイント増となったものの、100%を割り込んでいる。企業債残高対事業規模比率は、類似団体平均値と概ね同等の水準で年々減少している。経費回収率においては、類似団体平均が上昇する中で1.61ポイントの減となり、汚水処理原価においては、前年度に比べ2.9円の増となったものの類似団体平均よりも低い水準を維持している。水洗化率については、市街化区域における汚水整備が平成22年度で概ね完了していることから、類似団体平均を大幅に上回る100%に近い水準である。このような状況下、単年度収支は未だ赤字であることから、更なる経営改善に向けた取組みが必要である。
老朽化の状況について
本町においては、昭和60年度から公共下水道を供用開始し、平成22年度で汚水整備が概ね完了しているところであるが、近い将来、施設の老朽化が急速に進むことが見込まれるため、現在、施設の長寿命化計画を順次策定している。今後、策定した計画に沿って、財政負担に配慮しつつ、優先順位の高い施設から老朽化対策を推進していく必要がある。
全体総括
節水意識の定着や節水器具の普及、人口の減少等から近い将来、厳しい経営状況に推移することが予想されることや、施設の老朽化が進んでいる状況を踏まえ、投資計画の見直しや維持管理経費の削減等を進める必要がある。また、収益的収支比率は向上しているものの100%未満であることから、下水道事業における経営努力は今後も不可欠であり、特に経営基盤の強化として、更なる水洗化率の向上、経費の削減、使用料の適正化等について、なお一層力を注いでいくことが必要である。