経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率使用料収入は増加傾向であるが、他会計繰入金の減により比率は減少傾向である。平成28年度は他会計繰入金の減により1.5ポイントの減となった。④企業債残高対事業規模比率比率は減少傾向であり、類似団体平均と比較して低い水準で推移している。企業債の新規借入が償還額を下回ることにより企業債残高が減少しており、平成28年度は169.7ポイントの減となった。⑤経費回収率料金収入は増加傾向であるが、100%未満で推移している。平成28年度は汚水処理費が増となったことにより6.32ポイントの減となり、類似団体と比較して低い水準となった。⑥汚水処理原価類似団体と比較して高い水準で推移している。平成28年度は他会計繰入金の減により汚水処理費が増となり汚水処理原価は11.96円の増となった。⑦施設利用率平成25年度に施設の処理能力が増加したが、実際の平均処理水量は横ばいで推移しており、比率は類似団体と比較して低い水準となっている。平成28年度は処理水量の減により1.85ポイントの減となった。⑧水洗化率水洗便所設置済人口及び現在処理区域内人口がいずれも増加傾向であり、比率は微増で推移しているものの、類似団体と比較して低い水準となっている。平成28年度は水洗便所設置済人口の増により0.89ポイント上昇した。
老朽化の状況について
③管渠改善率現在管渠更新工事は実施していないが、市内の公共下水道事業における管渠は、現在総延長430㎞を超え、古い管渠では30年を経過している状況であるため、カメラ調査による現状把握や部分的な修繕を行っている。
全体総括
安定して推移している収益的収支や減少傾向にある企業債残高を見ると、経営の健全性は保たれているといえる。一方で、類似団体と比較して高い水準の汚水処理原価や低い水準のまま推移している施設利用率・水洗化率を見ると、経営及び施設の効率性は低い水準といえることから、計画的かつ効率的な管渠整備を進めるとともに、接続率向上のための啓発活動を継続的に実施する必要がある。また、今後施設の老朽化による更新投資の増大や人口減少等による使用料収入の減が見込まれることから、平成28年度に策定した経営戦略や、今後策定を予定しているストックマネジメント計画に基づき、計画的かつ効率的な施設管理を行うとともに、公共下水道事業に地方公営企業法の財務規定を適用し経営基盤の強化を図る。