経営の健全性・効率性について
直近の3年間において安定した使用料収益を得ることが出来たため、収益的収支比率は80%を超えている。企業債残高については平成15年度をピークに順調に減少、現在は類似団体の平均を下回っており、今後も経常収支のバランスを考慮した上で整備事業実施及び地方債の借入れ等を行い、適切な財政運営状況を堅持したい。また、維持管理面において汚水処理原価は低く抑えられており、懸念された流域下水道維持管理負担金の値上がりに対する大きな影響は幸いなことに見られず、結果として経費回収率は類似団体の平均を上回ることが出来ている。不明水対策調査等により有収率の改善を図り、さらなる経費回収率の向上に努めたい。
老朽化の状況について
管渠調査(カメラ調査、マンホール調査等)の結果を受け、平成28年度から管渠等長寿命化対策補修工事に着手し、平成29年度も継続中である。本町下水道事業については、地方公営企業法適用を予定しており、重要な経営資源である事業資産管理を実施する事により、確実に見込まれる本格的な資産の老朽化に備えてゆきたい。
全体総括
本町下水道事業の経営状況は全体的に概ね良好な状態を維持しながら近年推移しており、今後の事業推進に際しては費用対効果を考慮し、公共下水道が未整備の区域における合併浄化槽の活用も検討していきたい。平成23年の東日本大震災発生に伴い下水道施設が受けた大きな被害については、復旧作業を全て終了しているが、震災後に増加傾向にある不明水対策が今のところの課題となっている。現時点において、老朽化による管渠等への大きな損傷は幸いにも見られないが、平成28年度から開始している管渠等長寿命化対策補修工事と併せ、不明水調査等を実施して行くことにより、事業の収益性を高めてゆくことを検討したい。