経営の健全性・効率性について
東日本大震災の影響により災害復旧及び復興事業を優先しているため、一部を除き通常の下水道工事が先送りとなっていることから、普及率が伸び悩んでいるのが課題となっている。経費回収率については、震災により維持管理費が増加しているものの、利用者のほとんどが被災者のため、状況を鑑み使用料の改定増を先送りしているためである。水洗化率については、震災により新市街地等の建設事業増により計画を見直したが、まだ完成していない地区もあり伸び悩んでいるのが現状である。以上のような理由から、収益的収支比率が100%未満になっていると考えられる。また、震災の影響により不明水が多く発生しているため、有収率の低下についても課題の一つである。今後は、積極的な地方公営企業法の適用等により経理内容を明確化するとともに、使用料水準をより適正化し、経営の安定化に努めると同時に、使用料は徹底した効率化・合理化がなされていることを前提に設定されるものであることから、建設費・維持管理費のより一層の削減に努める必要があると考えられる。
老朽化の状況について
供用開始から30年以上が経過すると同時に、東日本大震災による被害もあり、その対応が喫緊の課題である。1.経営の健全性・効率性についてにもあるように、東日本大震災の影響により、災害復旧及び復興事業を優先して行っているため、通常の建設改良については、一部を除き先送りとなっているものの、震災直後に比べ復旧及び復興が進捗したことにより、老朽化への対策は改善されてきている。今後は、速やかな復旧及び復興を行うと同時に、下水道計画と費用対効果を検証しながら、復旧及び復興地区以外の老朽箇所や不明水発生箇所等を重点的に対応していく予定である。
全体総括
今後、施設の老朽化に伴う修繕費用の増加や人口減少に伴う料旧収入の減少により、経営環境が厳しさを増している状態であり、経営戦略に基づき徹底した効率化や経営健全化を行っていくこととする。また、公営企業会計の導入については、平成28年度において一部の業務を平成32年度までの債務負担行為により、委託契約を締結し平成32年度の法適化を目標に作業を進めている。