七戸町：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

過去5年間については、「経常収支比率」が高く、「料金回収率」も高い状態で推移しており、経営の健全性・効率性が保たれている状態である。今後も、人口減少や節水意識・節水器具の普及により給水収益は減少傾向が続くものと予想される。表流水の水源確保により、給水原価を維持することができている。平成24年度から実施している老朽管更新事業（重要給水施設配水管事業）により企業債残高は年々増加している。「施設利用率」は高く推移しているものの「有収率」は低水準であるため、収益には繋がっていない。理由として、施設の老朽化による配水管の漏水や配水メーター不感等が原因と考えられる。経常収益がプラスのうちに原因を特定し、その対策を講じる必要があり、管路診断及び漏水調査を計画的に推進していきたい。経営の健全性・効率性を確保するため、新たな基本計画を基にした経営戦略を活用しながら更新投資の平準化と経常収支の推移に留意していく。

老朽化の状況について

管路更新を継続して行っているが、「管路経年化率」は変わらず、「管路更新率」は低く推移している。平成24年から老朽管更新事業（重要給水施設配水管整備事業）を実施しているが、計画どおりの進捗となっていないことが理由と考えられる。今後、法定耐用年数を超える資産が急激に増加する見込である。今後も続く給水収益の減少は、管路の更新投資費用の捻出を困難にする。管路を含めた施設の老朽化に伴い、「有形固定資産減価償却率」が高止まりしており、修繕にかかる費用も増加している。これらに対処するため、新たな基本計画を基にした経営戦略を活用しながら更新投資の平準化と経常収支の推移に留意し、投資計画等の見直しなどを行う必要がある。

全体総括

経常収支比率は良好な状況にあるが、「有形固定資産減価償却率」が高止まりしており、近い将来には、法定耐用年数を超える資産が急激に増加する。更に、給水収益の減少傾向も続くと予想している。企業債償還金の財源は給水収益を元にしていることから、企業債残高を適正水準にすることも必要である。以上のことから、将来的に水道事業経営は厳しい状況が予想される。経営の健全性・効率性に注視しながら、施設・管路等の更新やダウンサイジング、近隣市町村との部分的な広域連携など新たな基本計画を基にした経営戦略を活用しながら投資のあり方について検討する。