経営の状況について
平成29年度から事業を開始し、必要最小限の経費により運営を行っていることにより、収益的収支比率・営業収支比率ともに100%を上回った経営ができている。今のところ、経営を逼迫させるような大規模修繕は発生しておらず順調な経営が続いている。今後は経年劣化等に備えるため、設備更新等に要する財源確保についても検討を進めていく。
経営のリスクについて
設備利用率で太陽光発電においては概ね平均値を上回り、安定した運営ができている。降雨や降雪の影響以外には発電停止することがなかったためだと思われる。修繕等による発電停止に陥らぬよう、設備の点検等を実施していきたい。小水力発電については設備利用率が平均値を下回る状況が続いている。R3年度決算では前年と比較すると水の多い時期に修繕のための運転停止はなかったことから、14%程度利用率は上がっている状態である。渇水期における運転停止はやむを得ない部分があるが、通常時の安定した運転が収支へ大きな影響を与える。日常の点検、清掃等で安定した稼働を目指したい。収入割合のほとんどがFITにおいて発生する収入のみとなっており、小水力については2037年3月、太陽光について2039年4月までの契約期間となる。FIT終了後の買取単価については未確定だが、収入の減少は免れない。現状、歳出の大半を占める生コン舗装の原材料費については令和5年度で終了する計画であるため、それ以降は現状、売電収入の約6割を占めている支出がなくなる予定。その分、余剰金の積み立てが可能になってくるので、FIT終了後の営繕費用や運営費用として運用していきたい。
全体総括
これまでに経営を圧迫するような大規模な支出は発生しておらず、全体経営状況は概ね安定して推移している。太陽光発電施設については設備利用率も高い位置で推移しており、冬場の降雪や夏場の落雷等による売電停止を除けば、安定した運営ができている。小水力発電施設については水源地の水位低下による運転停止と砂塵等による水車の故障による運転停止の可能性がある。水位低下による停止は防ぎようがないことから水車の故障をいかに発生させないかが収入確保の大きな鍵になる。定期的な保守点検、維持管理で健全な運営状態を維持したい。また、令和5年度を最後に原材料支給の支出が終了する予定であるため収入増の見込みはないが、支出の大幅な減を見込んでいる。その繰越金を財源に設備更新などを検討していく。経営戦略については令和2年度に策定済みである。