経営の健全性・効率性について
「①収益的収支比率」は、近年は単年度の収支が黒字であることを示す100%を下回る50~60%台を推移している厳しい状況にあり、収支の不足分は一般会計からの繰入金により補填している。「④企業債残高対事業規模比率」については、H30決算統計時に地方債の償還に要する経費を負担する一般会計からの繰入金を見込んでいなかったことから例年に比べ数値が上昇しているが、例年どおり繰入金の見込みを差し引くと当該値は245.75となり、実質上、企業債残高は昨年度から減少している。「⑤経費回収率」は、類似団体平均値と同程度であるものの40%台で推移しており、これは、使用料について公共下水道と同様の水準とする一方で、小規模な処理施設が分散しているため、維持管理費に多額の費用を要しているためである。「⑥汚水処理原価」は、類似団体平均値を上回っており、汚水処理費の削減に取り組むとともに、公共下水道への接続や施設規模の適正化を図っていく必要がある。「⑦施設利用率」は類似団体平均値と同程度ではあるものの30%台であり、今後、施設の統廃合など一層の効率的な運用が必要となる。「⑧水洗化率」は、類似団体平均値を上回っているが、今後も水洗化勧奨を行い、使用料収入の確保に努める。
老朽化の状況について
本市の漁業集落排水施設は、平成3年度から平成10年度にかけて供用が開始された施設であり、施設の老朽化の状況は異なるが、今後各施設の老朽化が進んでいく。適切な維持管理及びその効率化に努め、事故の未然防止や維持管理費用の抑制を図っていく必要がある。
全体総括
施設の老朽化状況を把握するために平成28年度から3か年で機能診断調査を実施した。その結果を踏まえ、計画的な修繕、改築及び公共下水道との接続についての構想を策定しているところであり、今後、各施設を2040年までに公共下水道へ接続をすることにより、効率化を図ることとしている。なお、公共下水道への接続による費用対効果が見込めない施設については、人口の減少等、社会情勢の変化に応じた施設規模の適正化を図り、効率的な事業運営によりコストの縮減を図っていく。