経営の健全性・効率性について
現在3地区で汚水処理施設が稼働しているが、処理対象が少数であり、スケールメリットが働かず経費回収率や施設利用率が低水準となっている。また、汚水処理場の立地の特性上、処理区域内に発電所関連や作業員等が宿泊する民宿が多くあるが、東日本大震災以降これらの施設からの流入が著しく低下している。これまで維持管理費については計画的な修繕や汚水処理施設の運転管理に係る民間委託を導入しているが、今後も引き続き経費削減に努める必要がある。⑧水洗化率は100%に達しており、今後新規に接続予定の家屋や施設はない。このため、空き家の増加、人口減少や節水機器の普及等の要因により有収水量及び使用料収入は、ゆるやかに減少していく予測である。
老朽化の状況について
最も古い処理場は平成6年から供用を開始し、27年が経過している。耐用年数から判断して、現在管渠については更新をしておらず、軽微な修繕も行っていない。汚水処理施設については、機械電気設備を中心に毎年軽微な修繕を行っている。今後も計画的な修繕を行うことで費用の平準化を図り、適切な維持管理をしていく必要がある。大規模更新の際には、各施設の利用率や将来的な人口減少等を踏まえ、慎重に検討する必要がある。今後、機能保全計画に基づき、計画的な設備の更新を行っていく予定である。
全体総括
平成30年度から地方公営企業会計を適用し、本事業のほかに公共下水道事業、農業集落排水事業の3事業を下水道事業会計として一体経営している。本事業の経常収支比率及び経費回収率は悪い結果になっているが、下水道事業会計全体では収入が増加している状況である。今後も、敦賀市全域における下水道事業が安定的で持続可能な事業運営を行っていくために、本事業の収支が下水道事業会計の負担にならぬよう、資産状況や損益等の経営データを活用し健全な運営に努めていく。