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財政力指数は、前年度と比べ同程度の水準となった。基準財政需要額、基準財政収入額ともに前年度比では増となったが、収入額の伸びが需要額の伸びを若干上回っている。これは、主に新築家屋の増加等による固定資産税の増や、消費税率の引き上げによる地方消費税交付金の増によるものである。今後、税制改正等による市税や各種交付金等の変動が見込まれており、景気の下振れに伴う減収リスクもあるため、引き続き第4次行財政改革(平成23年度~平成28年度)を踏まえて、市税等の徴収率向上などによる確実な収入強化と歳出削減策に取り組んでいく。
経常収支比率は、少子高齢化の進展などから扶助費や特別会計繰出金が継続的に増加しているが、その伸びを歳入の増加が大きく上回ったことにより、前年度比5.1ポイントの改善となった。歳入の増加は、主に企業業績の改善による法人市民税の増加と税率引き上げによる地方消費税交付金の増加によるものであり、臨時財政対策債(赤字公債)を含まない数値も前年度比4.8ポイント改善するなど、指標の改善が図られた。ただし、この歳入の増加傾向は一時的なものであると考えられ、高齢化率等に比例した扶助費等の増加が続いていく見通しに変わりはない。厳しい財政状況の中でも新たな行政サービスに対応していくため、受益者負担の適正化や事務事業の見直し・効率化を進め、4次行財政改革に定めた88.0%を目標に財政構造の弾力性の確保に努めていく。
人件費については、前年度に比べ退職者が減少したことや、国体や選挙が終了したことなどから減少している。第4次行財政改革(平成28年度までに職員数50人削減)を着実に実行している成果も出ており、行政サービスへの影響も考慮した中で、引き続き適正な定員管理と給与水準の維持と効率的・機能的な組織運営の構築を進めていく。物件費については、定期予防接種の対象拡大や公共施設の開設に伴う運営経費などにより増加している。特に委託料が増加傾向にあるため、仕様の精査や業務の検査・費用対効果の検証・指導などを強化して、委託料や調達コストの縮減を図っていく。
ラスパイレス指数は、前年度と比較して0.1%の減となった。これは、東京都の給与改定に準拠し、給料月額の引き下げ(1.7%)を実施したことによるものである。今後も人事院勧告や東京都人事委員会勧告の動きを注視し、適正な給与改定を実施するとともに、業務改善を時間外勤務の削減に繋げていくことで、行政サービスの安定確保と人件費の適正化の両立に努める。
平成25年度から26年度にかけては、退職者数の減による影響で、人口千人当たりの職員数は若干増となった。ただし、類似団体の平均は平成19年度以降継続して下回っており、職員数そのものは第4次行財政改革(平成23年度~平成28年度)に位置付ける職員数減目標に向け順調に推移している。今後も、事務事業の民間委託や指定管理者制度の導入を進めるとともに、適材適所の人員配置や業務効率化により、適正な定員管理に努めていく。
実質公債費比率は、普通会計ならびに公営企業会計について、元利償還金及びそれに対する繰入金が減となったのに伴い、3か年平均では前年度から0.7ポイントの改善となっており、類似団体及び全国平均と比較しても適正な数値を維持している。しかし、今後は、公共施設の耐震化・老朽化対策等に伴い、元利償還金が増加傾向になるものと考えられる。将来にわたり指標を適正水準に維持するために、積極的な特定財源の確保に努めるとともに、財政規模に応じた適切な公債費比率を維持するよう努めていく。
将来負担比率は、8.1ポイント、11.5ポイントの改善となった過去2年に続き、11.9ポイントの大幅な改善となった。これは主に、地方債借り入れの抑制などによる地方債現在高の減少と、計画的な積み立てによる基金残高の増加によるものである。しかし、地方債等の現在高は引き続き高い水準にあることから、将来負担を十分に検討したうえで、地方債借り入れをコントロールし、基金とのバランスのとれた活用を図っていく。
人件費については、前年度に比べ退職者が減少したことや、国体や選挙が終了したことなどから、前年度に比べ2.6ポイント減少している。第4次行財政改革(平成28年度までに職員数50人削減)を着実に実行している成果も出ており、行政サービスへの影響も考慮した中で、引き続き適正な定員管理と給与水準の維持、効率的・機能的な組織運営の構築を進めていく。
物件費は、学校給食調理業務の民営化推進や、定期予防接種の対象拡大などにより、金額自体は前年度に比べて増加しているが、経常一般財源の増加から、経常収支比率は前年度に比べ0.2ポイント減少している。特に委託料が増加傾向にあるため、仕様の精査や業務の検査・費用対効果の検証・指導などを強化して、委託料や調達コストの縮減を図っていく。
扶助費は、民間保育園運営経費が保育園の開設等により、障害者自立支援給付費が事業所の法内移行等により、また、生活保護費が生活扶助基準の改定や被保護者の入院件数の増加等から増加しているが、経常一般財源の増加から、経常収支比率は前年度と比べ、0.3ポイント減少している。扶助費自体は増加しており、今後も少子高齢化の進展等から将来にわたる増加が予想されるため、受益者負担の適正化や医療扶助適正実施等に取り組み、中長期的視点に立った扶助費の抑制、および、一般財源負担の軽減に努めていく。
下水道使用料の減等の補てんにより下水道事業特別会計繰出金が増となった一方で、加入者の減少や国庫支出金の一時的な増額により国民健康保険特別会計への繰出金が減少したことで、全体として前年度比で0.2%の減少となった。今後は、特に福祉分野において、高齢者の健康施策の推進により市民の健康増進を図るとともに、医療費の適正化により繰出金の抑制に努めていく。
補助費等は、私立幼稚園就園奨励費の増などから増加しているが、経常一般財源の増加から、経常収支比率は前年度に比べ0.5ポイント減少している。市立病院の設置などから類似団体と比較して高い水準となっているため、市立病院の経営改善に向けた支援や各種団体への補助金の見直しなどを行い経費の縮減に努めていく。
公債費は、平成15年度に借り入れた臨時財政対策債の平成25年度中の償還完了と新たな市債の借り入れの抑制などから、前年度に比べ、1.3ポイント減少している。第4次行財政改革(平成23年度~平成28年度)では、平成28年度末の一般会計の赤字公債残高を平成21年度末と比べ30億円削減する目標を立てており、これを着実に実行している成果もあらわれている。しかし、今後は、公共施設の耐震化・老朽化対策等に伴い、元利償還金が増加傾向になるものと考えられるため、事業費の精査・抑制と公債費負担の平準化、積極的な特定財源の確保に努めていく。
公債費以外では、前年度に引き続き類似団体内の順位が低い位置にある。具体的には、扶助費や補助費等が類似団体と比べて低い水準にあるほか、特別会計への繰出金に対する一般財源負担が増加していることなどが影響している。経常一般財源の中心となる市税は、今後、税制改正や生産年齢人口の減少などから大幅な増収は見込めず、少子高齢化の進展等から社会保障関連経費が自然増加するなかで、多様化・高度化する行政ニーズへの対応が求められている。将来にわたる持続可能性を確保した財政運営を行うため、自主財源の確保、既存事業の見直し・適正化、特別会計の経営健全化等に取り組んでいく。
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