地域において担っている役割
人口18万人を超える日野市において、総合病院としては唯一の急性期中核300床の二次救急病院であり、災害拠点病院となっています。地域包括ケアシステムにおける急性期病院としての役割を持ち、市民の安全安心のため、内科系、外科系、小児科、産科は24時間365日の救急医療体制を維持しています。令和4年3月に地域医療支援病院の承認を受けたことにより、地域の医師会やクリニック、回復期・療養型病院、介護施設等との連携をこれまで以上に促進するとともに、新興感染症や災害発生に備えた体制を平時から確保します。また、有事の際は都の要請に応じ、市や医師会などとの連携を基に、他医療機関等への指導や災害傷病者の受入れを迅速に行う等、災害拠点病院としての役割を全う致します。
経営の健全性・効率性について
令和2年度と同様、1病棟(50床)をコロナ専用病棟として確保していること、新型コロナウイルス感染が拡大した時期に手術や入院・救急患者の受入の制限しており、④病床利用率は令和2年度同様の実績となりました。⑤入院患者1人1日当たり収益については、コロナ患者の受入れ等により増加しました。一方、⑥外来患者1人1日当たり収益については前年度から微増しておりますが、市民ニーズに応えるため軽症患者でも多く受け入れていることが原因で類似団体と比較して低めです。②医業収支比率や⑦職員給与費対収益比率において若干改善が見られますが、⑧材料費対医業収支比率においては前年度から増加しており、診療材料を中心に年々増加がみられます。材料費等の高騰で診療材料費等は今後も増加が見込まれる中、他経費含め注視が必要です。③累積欠損金比率は過去5年間で最低値となりました。①経常収支比率は前年度と同様、コロナ専用病棟の空床確保料等で多額の補助金が充てられたため、高い数値を維持しています。
老朽化の状況について
・2①有形固定試算減価償却率と②器械備品減価償却率について、当院では4カ年の更新計画に沿って機器更新等行っております。各年度での収支状況、さらに起債借入の抑制を考えた中で、購入の可否、および更新の延伸の決定をしていることから、老朽化が他団体と比較して高いと考えられます。また、2③1床当たり有形固定資産(円)についても、NBC災害・テロ対策設備整備事業に係る補助金、休日・全夜間診療事業参画医療機関施設整備費等補助金、東京都新型コロナウイルス感染症医療提供体制緊急整備事業を活用し、当院が必要とされている機能を維持するために定期的な機器整備を行ったことによるものと考えられます。・当院が現在地に建替えしてから約20年が経過しています。それに伴い、施設や医療機器などの全体的な老朽化による修繕や更新などの必要性が高まっていることから、大規模修繕計画や医療機器4か年整備計画などに基づき、長寿命化・平準化や当院が果たすべき役割・機能の観点から必要性やその規模について優先順位を明確化するとともに、計画的に修繕を進める必要があります。
全体総括
・医業収益の改善と並行した業務効率化、手当の見直し等の費用削減策の検討が必要です。一方、2024年4月施行の医師の働き方改革に向け、救急を含めた現診療体制の検討、積極的な人材確保が必要であることから、経営支援ツールや外部コンサル等を活用し、費用削減等と並行して効果的な人員配置等の経営改善策を講じる必要があります。・入院患者・外来患者の単価向上のために、軽症の外来患者の逆紹介を推進、入院に繋がる紹介患者の積極的な受け入れを行い、地域全体の役割分担の明確化を進める中で単価向上を図る必要があります。・新型コロナウイルスの影響から医業収益は未だ回復しておりませんが、コロナ患者専用病棟の空床確保補料により前年度に引き続き経常収支の黒字を達成することができました。今後は、空床確保料に依存しない経営体制を整えるために、コロナ即応病床の柔軟な活用等、ウィズコロナ・アフターコロナに向けた対策を検討が必要です。・施設・医療機器等について、現在の病院に立替が行われてから20年が経過しているため、諸々の優先順位を明確化にしたうえで計画的に対応していく必要があります。・コロナ禍で延期となった地方公営企業法全部適用については引き続き、経営状況を見ながら適用時期について検討し、市長部局との協議を進めてまいります。