地域において担っている役割
江別市における基幹的医療機関として、急性期医療を提供しているほか、二次医療圏外の南空知地区の医療需要にも応えている。公立病院として、救急・小児・周産期・精神医療を担っており、総合病院として重要な役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率及び医業収支比率は、内科系医師の減少を主因とする患者数の減により悪化傾向にあったが、診療収益の増や材料費・経費の削減などの経営改善効果と、新型コロナウイルス感染症対応に係る補助金収入により、令和2年度以降改善している。収益の増加に伴い、職員給与費対医業収益比率も大きく改善している。また、材料費医業収益比率については平均を大きく下回っており、医薬品及び診療材料ともに価格削減が順調に進んでいる。
老朽化の状況について
建物施設は平成10年築であり、耐用年数の半分も経過していないことから、当面は計画的に修繕を行い維持していく必要がある。医療機器は、ここ数年でようやく更新が進みつつあるものの、経営状況から更新が遅れている状況であり、器械備品減価償却率が平均よりも高く推移している。令和3年度は透析装置一式の更新を行ったほか、新型コロナウイルス感染症関連補助金も活用しつつ計71品目を更新した。今後も経営状況を考慮しつつ必要な更新を実施していく。
全体総括
病院の建物・機能を維持し、感染症対応と一般医療提供を継続するためには、類似病院平均と比較して診療収益が足りていない状況である。医師確保に向けた取り組みを進めるとともに、医師の増員に頼らない診療単価の増加や、DPC急性期病棟と地域包括ケア病棟の効率的な運用と、市内医療機関との連携を図っていく必要がある。費用面では、材料費・経費の削減に引き続き取り組みつつ、特に人件費は公立病院の性格上、急速な削減を行うことは難しいため、中長期的な視点でコントロールしていく必要がある。「経営再建計画」に基づき医師確保による診療体制の整備・充実と、収益面・費用面ともに経営改善を着実に進めるべく取り組んでいく。