地域において担っている役割
地域医療に積極的に貢献するため、二次救急医療(三病院による輪番体制)の推進・強化に努め、住民への持続的かつ安全な医療の提供を行ってきた。また、第二種感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症患者の受け入れを行うため、病床や診療体制を見直し、同時に経営改善についても一定の成果を上げている。今後の地域医療ニーズを踏まえ、地域の中核病院としての自治体病院の役割を果たす。
経営の健全性・効率性について
令和3年度も新型コロナウイルス感染症による経営への影響は極めて大きく、医業に係る収支指標は悪化したが、補助金により経常収支比率は全国平均を大きく上回る「112.9」となった。累積欠損金は減少しており、経営状況に係る指標は類似団体の全国平均を上回る状況にある。しかしながら、近年、医業収益に対する材料費の比率が増加しており、収益性は維持しつつも効率性が下がる傾向がみられるため、経営の健全性をさらに改善する方策を検討し、引き続き安定した収益確保に努める。
老朽化の状況について
1床あたりの有形固定資産の増加は、令和3年度において、高額の医療機器の更新及び建物付属設備の改修を行った影響である。また、近年、有形固定資産の減価償却率が高く推移していることから、施設老朽化の進行を想定し、優先順位を見定めた医療機器の更新と、施設管理計画に基づいた適切な施設投資を行う。
全体総括
13期連続の黒字を受け、財務状況が優良な状況下で、安定した経営運営が行えているが、少子高齢化や人口減少により医療環境が変化する中、将来にわたり地域住民が安心して生活できる医療提供体制を構築する必要があり、市民病院としての地域医療に果たすべき役割を踏まえた検討を行う。