地域において担っている役割
地域周産期母子医療センターを併設し、二次救急、周産期、小児の救急医療、脳血管疾患等の急性期医療や災害医療、感染症医療等を提供する今治圏域の中核病院である。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、収益については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、診療単価の増加及び医業外収益の増加により増収となった。費用については、高額な医薬品・診療材料の使用増により材料費が増加した。この結果、収益の増が費用の増を上回り、収支改善したが、経常収支比率及び医業収支比率ともに類似病院の平均値を下回る状況となっている。職員給与費対医業収益比率は給与費の減、医業収益の増により前年度を下回ったものの、依然として類似病院の平均値を上回り、また、材料費対医業収益比率については年々上昇し、令和3年度は類似病院の平均値を上回ったことから、更なる経費縮減及び医業収益の確保等により効率的な運営を図る必要がある。
老朽化の状況について
昭和58年の開設から38年以上が経過し、減価償却が進んでおり、有形固定資産減価償却率は全国平均を上回っている。令和4年度グランドオープンに向け工事を進めている新居浜病院の進捗状況のほか、建物の耐用年数及び経営状況等を総合的に判断して対策を講じる必要がある。器械備品減価償却率は年々増加しており、全国平均を上回っているため、経営への影響を考慮しながら計画的な医療機器等の更新を行っていく必要がある。
全体総括
平成30年度から令和3年度まで経常収支比率が100%を下回り、赤字体質となっている。また、開院から35年以上が経過している病院本体についても老朽化が進んでおり、令和3年5月にプロジェクトチームを設置し、今後のあり方を検討しているところである。愛媛県公営企業管理局では、県立4病院を対象とし、令和3年度から令和7年度までの5年間を実施期間とする「第2次愛媛県立病院中期経営戦略」を令和3年3月に策定した。引き続き、当該戦略に基づき経営の効率化など各種取り組みを進めていき、健全経営の確保を図るとともに、県立病院に求められる医療の提供を行っていけるよう努める。