地域において担っている役割
救急医療や周産期母子医療においては,備北圏域のみならず,安芸高田市・世羅町など広島県三次市の隣接市町や島根県南部にわたる広域の二次救急を担っている。また,へき地医療拠点病院の指定を受け,圏域内外の病院や診療所に医師を派遣するなど,地域医療に貢献している。
経営の健全性・効率性について
累積欠損金もなく,経常収支比率は空床補償に係る補助金収益があり,大きく100%を超えている。また,医業収支比率においては平成29年度から100%を下回っているが,平均値より2.9ポイント上回っている。特に令和3年度は,新型コロナ感染症の院内感染による新規入院患者の一時受入停止をしたこともあり入院患者数は減少した。結果として,入院収益は前年度から大きく減少し,医業収支比率も悪化した。病床利用率も令和3年度は,前述の理由により全国平均よりも4.2ポイント低くなっている。令和2年度の診療報酬改定においては柔軟かつ的確に対応し,1人1日当たりの入院単価において,令和元年度は49,589円だったものが令和2年度は54,720円,令和3年度は55,813円となり,コロナ禍の影響を踏まえても2年連続で上げることができた。今後も2年に1度の診療報酬改定に臨機応変に対応し,収益の効率性を上げていく。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は平均より高いが,経常収支比率は100%を上回っているので,更新投資を経常収益で賄える状況にある。既存空調設備が対応年数を大きく超過し,故障や部品交換が頻発していたため,更新工事を必要としていた。令和年3年度も昨年度に引き続き空調設備更新工事を行った。なお,令和2年度に施設内配管老朽化調査を行い,総合所見で「病院の建替えを検討する必要がある」とされたため,令和3年度から建替えに向けた計画策定業務などに取り組んでいる。
全体総括
地域医療支援病院として,近隣の医療機関との連携を密にし,地域医療連携活動を通じて地域に必要な医療の提供や,患者の紹介・逆紹介,入退院の調整や退院後の支援強化など,医療環境の充実に努めている。しかし,令和3年度も昨年度に引き続き全国的にほとんどの病院において,コロナ禍の影響により医業収益が大きく減額しており,経営分析ができない状況にあるが,継続して収益を上げ費用を下げるための経営分析を行い健全経営に努めていく。また,令和9年を開院の目安として病院建替を行うため,病院建替基本構想の策定に向けて,本格的に始動した。