地域において担っている役割
当院は、道北第三次保健医療福祉圏の地方センター病院として、救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療を提供してます。また、サテライト診療や地方への医師派遣など地域医療支援事業にも積極的に取り組んでおります。さらに、令和2年9月より地域医療連携推進法人「上川北部地域医療連携推進機構」の参加団体として、効率的で質の高い医療提供体制の構築と医療介護の連携強化を目指しています。
経営の健全性・効率性について
令和3年度の経常収支比率は100%を上回ることができましたが、医業収支比率は昨年に引き続き低い水準となっております。これは新型コロナウィルス感染症拡大などにより収益が落ち込んだものの、医業外収益により補われたことによります。料金収入の減少により固定費である職員給与費対医業収益比率が昨年より1.7ポイント上昇しています。今後、経営の安定化を図るためには、今般減少している病床利用率を引き上げるため、患者数の確保に向けた対策が求められています。
老朽化の状況について
通常の医療機器に加え、新型コロナウィルス感染患者の受入れ医療機関として必要な機器の整備が進んだことから、器械備品減価償却率は減少傾向があります。一方、建物の経年劣化が進行していることから、空調や配管などの設備に不具合が頻発しています。特に、手術室の老朽化については、地域における急性期病院としての中心的役割を担っていることから高いリスク抱えており、増改修へ向けた事業に取組んでいます。
全体総括
「コロナ禍」においては、受入れ病床確保などにより通常時においても予定手術の調整等を行う必要があるうえ、感染者集団「クラスター」が発生するとさらに厳しい制限をせざるを得ず、一方では、社会的情勢を背景としたエネルギーや診療材料などの高騰により非常に厳しい病院経営を強いられる状況が続いています。そのような中においても、医療資源の確保及び有効活用を図り、安定的な医療供給体制を維持するため、自院における経営改善はもとより、地域の関係機関との連携体制構築することが求められます。