地域において担っている役割
新生児に対する高度医療をはじめとして、一般の医療機関では対応困難な小児疾患の診療を行う小児専門医療機関である。平成28年度に新病院へ移転し、隣接するさいたま赤十字病院と連携することで総合周産期母子医療センターの指定を受けている。令和3年度は、超低出生体重児の受入れをはじめとした総合周産期医療や小児救命救急医療、がんゲノム医療を推進、生体肝移植は全国トップクラスの件数を実施するなど、地域医療機関で対応が困難な高度で専門的な小児医療を提供した。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率、②医業収支比率、④病床利用率は、患者数が増え入院・外来収益が増加したこと等により昨年度から上昇し、①経常収支比率は100%を上回った。③累積欠損比率は、前年度77.0%であったが、地独化に伴い累積欠損を解消したため0.0%となっている。⑤入院患者1人1日当たり収益は、ゾルゲンスマ、キムリア等高額医薬品の使用が前年度から増加していること等により上昇した。⑥外来患者1人1日当たり収益は、前年度から450円低下したものの、他病院平均に比べ高い水準となっている。⑦職員給与費対医業収益比率と⑧材料費対医業収益比率は、独法化して医業収益に代わり営業収益が算式に使われることになったため、前年度の⑦68.0%、⑧31.5%を下回った。
老朽化の状況について
①~③の指標については、法人化に伴い県から資産を引継いだ際、減価償却累計額を差引いた額を取得価額とする整理を行ったため、前年度から大幅に低下している。医療機器は高度・専門医療の提供に要する備品であるが、数年後の更新時期に備えて十分な医業収益を確保していく必要がある。
全体総括
新病院に移転後、さいたま赤十字病院と連携して総合周産期母子医療センターとして運営し、重篤な新生児の受入れに尽力している。小児がん拠点病院にも指定されており、関東全域の小児がん診療の向上にも貢献している。そのほか、生体肝移植を実施するなど先進的な医療を提供している。また、移転後の新病院では入院・外来患者数とも増加しており、PICU/HCUと一般病床との連携により効率的なベッドコントロールを行っている。今後は重症患者の集中化が進むと予測されていることから、第3次医療機関としての役割・機能を維持していく必要がある。