地域において担っている役割
周辺には急性期医療を提供する総合病院がないため、救急・小児・周産期・災害・精神などのいわゆる不採算・特殊部門にかかわる医療の提供を行っている。又、この地域の医療・介護連携の拠点的役割も担い、次世代に通じる包括的な医療・介護サービスをコントロールするハブ機能の役割も担っている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、コロナ関連補助金の充当により経常収支比率が100%を超えた。しかし、医業収支比率が前年より5.2%増の95.7%であったものの、病床利用率が3.0%減の82.8%となり、厳しい経営状況であった。累積欠損金はない。また、1人1日あたり収益では、入院、外来ともに過去5年で最も高い収益であったが、入院においては類似病院の全国平均を下回っている。経費的には職員給与費対医業収益比率および材料費対医業収益比率は全国平均を下回っており経費節減に努めている。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は年々増加しており老朽化が進む傾向にある。器械備品減価償却率は全国平均と同程度である。また、1床あたりの有形固定資産が全国平均の1.8倍と大きい。これは、当院より半径4km圏内には100床以上の急性期病院がなく、305床という中規模施設でありながら、地域の中核病院としてPET-CT、サイクロトロンをはじめ手術支援ロボットや心臓専用SPECTなど高度医療機器を導入しているためと思われる。しかしながら、新しい高度医療機器の導入が紹介患者と収入の確保につながっており、適切な投資の範囲と考える。
全体総括
コロナ禍により、厳しい経営環境が続く中、今後も地域の中核病院として必要な医療を提供し続けるために、更なる経営の健全化・効率化に取り組んでいく。