地域において担っている役割
当院は、救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院、第2種感染症指定医療機関、災害拠点病院、周産期医療病院、中丹地域リハビリテーション支援センターに指定されるなど、京都府北部の医療拠点として高度・専門的な医療の提供とともに、医師、看護師等の医療人材の養成施設としての役割を担っている。また、令和4年1月からは地域医療支援病院の承認を受け、地域医療の確保を図る基幹病院としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支は100%を上回っており経営状況は概ね良好である。入院においては単価の上昇や新型コロナウイルス感染症患者の受入れにより収益が増加し、外来においてはコロナ禍により減少していた患者数が回復し収益が増加したため、医業収支比率、経常収支比率ともに前年を上回った。がん治療や血管内治療に係る高額薬品や診療材料などが増えたことなどによる材料費の増加、設備修繕等による経費の増加などにより費用が増加したものの、当年度においても純利益を計上し、令和3年度決算において累積欠損金を解消した。
老朽化の状況について
平成18年の病院全面改築から15年が経過し、耐用年数を迎える建物設備が多く、順次更新や修繕を進めている。平成29年度の電子カルテの更新をはじめとして、高額医療機器等の更新を順次進めるとともに、手術支援ロボットなどを新規導入しており、器械備品の減価償却率は平均より下回っている。なお、地域の中核病院としての医療ニーズに応えるため、放射線治療機器などの大型で高額な機器や施設を整備しているため1床当たりの有形固定資産額は多くなっている。
全体総括
患者数がコロナ禍前の水準までおおむね回復し、収益の伸びが費用の伸びを上回り、昨年度に引き続き当年度純利益を計上し、累積欠損金を解消することができた。なお、全面改築から15年が経過し、施設・設備の経年劣化による維持管理や更新、大型医療機器の更新等に多くの費用を要することが考えられるため、今後の人口動態、疾病構造、医療政策などを的確に把握し計画的で合理的、効率的な事業運営をしていく必要がある。