地域において担っている役割
当院は、置賜二次保健医療圏の基幹病院として、主に急性期医療を提供している。地域では、二次救急医療機関として、市の病院輪番制に参加している。また、民間医療機関による提供が困難な高度医療・救急・小児・周産期等の不採算部門の医療を提供するとともに、臨床研修病院としての教育機関の役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
新型コロナウイルス感染拡大の影響により大きく減少した令和2年度と比べ、経常収支比率(①)・医業収支比率(②)が前年度を上回り、累積欠損金比率(③)は前年度を下回ったが、さらなる経営改善を必要とする。病床利用率(④)の増加に伴い、入院患者1人当たり収益(⑤)が前年度を上回ったものの、外来患者1人当たり収益(⑥)は前年度を下回った。徐々に収益は上がっているものの、⑤⑥は類似病院平均値を下回っているため、収益を上げる経営改善が必要である。職員給与費対医業収益比率(⑦)は前年度を下回ったが、依然高い状況が続いている。材料費対医業収益比率(⑧)は前年度の数値を下回った。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率(①)・器械備品減価償却率(②)ともに年々増加傾向にある。また、類似病院平均値よりも高く、病院の老朽化が進んでいる。1床あたり有形固定資産(③)は前年度よりも減少したが、類似病院平均値より低い水準にある。令和5年11月に新病院を開院する予定であり、それまでは固定資産への投資を必要最低限としていく方針である。
全体総括
前年度の新型コロナウイルス感染症の影響により患者数が大きく減少したが、当年度は回復し、医業収益・費用とも増加した。また、医業収益に対する目標管理等を実施したことにより、来院者数の増加に伴い、手術件数も増加し、黒字となったが引き続き債務超過の状態が続いている。新病院開院に向け、円滑に事業を進めるため、現在の債務超過の状態を解消するだけでなく、安定的に黒字にしていく必要がある。