地域において担っている役割
地域の中核病院として、地域の医療機関及び市と連携のもと、高度な総合的医療を推進するとともに、救急医療や小児医療、リハビリテーション医療などの政策医療を安定的かつ継続的に提供し、医療の質の向上に努めている。特に、将来人口推計に基づく地域医療構想を踏まえ、急性期医療を中心としつつ、今後地域で病床の不足が予想される回復期機能にも一定の軸足を置き、地域包括ケア病棟並びに回復期リハビリテーション病棟を稼働させている。さらに病院併設の訪問看護ステーションの運営も含め、「在宅から入院そして在宅まで」をキーワードに、地域密着型の医療を提供している。
経営の健全性・効率性について
令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症対応を行ったことにより、病床利用率は前年度並みの水準で推移した。また、令和3年度においてもCOVID-19重点医療機関として入院診療体制を維持し、4月から重症患者専用病床を届出の上、中等症以下の患者だけでなく重症患者にも対応した。コロナ診療にあたり、診療報酬上の特例措置等により医業収益の改善は図られたが、感染症対応のため急性期病床を休床せざるを得ない状況下で患者数の回復には至っていない。今後も引き続き、地域の医療機関との連携を強化し、外来患者数の増加を目指す必要がある。
老朽化の状況について
平成23年10月の地方独立行政法人化以降、設備投資を抑制していた時期もあり、医療機器などの更新がやや遅れている側面がある。建物も最も古い部分では平成元年の使用開始から約30年が経過するなど、法定耐用年数に近づいており、資産の老朽化が進んでいる状況である。このような中、今後も安心・安全な医療の提供を維持していくため、将来構想の実現に向けて中長期的な視点に立ち、必要性や採算性を検討の上、計画的な設備投資を図る必要がある。
全体総括
平成23年10月の地方独立行政法人化以降、診療体制の強化および事務部門の構造改革に取り組み、医療の質の更なる向上と安定した経営基盤の確立へと経営努力を続けている。令和3年度は、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の対応に当たり、自治体病院としての使命を果たしてきた。財務面では新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなかで、患者数や病床稼働率、入院・外来患者数等、当初の数値目標を達成できない項目があったものの、診療報酬上の特例措置や補助金等により経常利益が確保され、更なる経営基盤の強化につながった。