地域において担っている役割
西尾市民17万人の命を守る地域の中核病院として、急性期医療と急性期を脱した患者の在宅に向けた医療を提供していく役割を担うとともに、地域の開業医と連携して、地域完結型医療に取り組んでいます。当院への救急車による搬送件数も年間約3,600件あり、近隣の公立病院を上回る水準となっています。また、災害時には、西尾市医師会、地域の医療機関と連携し、被災地での医療確保、被災した地域へ医療支援を行うため、地域の災害拠点病院として中心的な役割を担っています。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、新型コロナウイルス感染症対策関係の国県補助金により令和元年度以前と比較して大幅に改善しましたが、依然として、平均値を下回る状況となっています。②医業収支比率は、受入患者数や患者単価の増により82.3%と前年から改善しました。経常収支が黒字となったため、③累積欠損金比率は前年度と比較して減少しました。④病床利用率が依然として低調である要因は、常勤医師不足のため入院対応可能な診療科が限られていることや新型コロナウイルス感染症専用病棟確保による受入病床数の減少が挙げられます。⑤入院患者1人1日当たり収益及び⑥外来患者1人1日当たり収益が増加した要因は、新型コロナウイルス感染症に対する検査等によるものだと考えられます。⑦職員給与費対医業収益比率は、66.6%と平均値より高いため、確保している人員に見合った収益が上げられていません。収益増や適正な職員配置に努めます。⑧材料費対医業収益比率については、平均値に近く推移しています。
老朽化の状況について
病院本体は平成元年度に建設され、建設から32年経過しており減価償却が進んでいることに加えて、投資に充てる財政的余裕がないため施設等の更新が思うように進まず、①有形固定資産減価償却率は、66.0%と平均値より高くなっております。令和2年度に策定された長寿命化計画に沿って施設更新を計画的に進めていく必要があります。②器械備品減価償却率は、令和元年度に電子カルテを始めとした医療情報システム、令和2年度には全身用X線CT診断装置を更新したことにより、70.0%とほぼ平均値になっております。今後も計画的な更新を進めていきます。③1床あたり有形固定資産は、類似病院及び全国平均より低い水準で推移しており、過大な投資にはなっておらず、将来的な減価償却費の増加傾向はないと考えております。
全体総括
当院が最重要課題と位置付ける医師不足対策については、大学医局への積極的な働きかけや医学生への奨学金貸与といった取り組みが実を結び、令和2年度末との比較で7名の増員を図ることができました。経営成績については、受入患者数や患者単価の増に伴う医業収益の改善に加え、新型コロナウイルス関連の国県補助金を収入したことから経常収支は黒字となりましたが、一方で本業の成績を示す医業収支は約15億円の赤字となり、依然として、厳しい経営状況が続いています。当院としては、病院存続を念頭に置き安定した医療の提供が行える病院運営に努めます。(令和4年度公立病院経営強化プラン策定予定)