地域において担っている役割
海部医療圏の中核病院として、地域包括ケア病棟・緩和ケア病棟を設置し、在宅医療への貢献、緩和ケアまで幅広く対応している。また、救急・災害に関わる医療の提供を行っており、海部医療圏における二次救急病院として年間約3,000台の救急車を受け入れしている。
経営の健全性・効率性について
診療単価の高い診療科の常勤医師の減員により、入院・外来の患者数が減少し、医業収益が減少したことにより②医業収支比率は1.0%減少し、⑦職員給与費対医業収益比率が1.5%増加した。加えて、新型コロナウイルス感染症関連の補助金が大幅に減少したことに伴い、①経常収支比率は前年度に比べ3.0%減少し全国平均を下回ることとなったが、依然100%を上回っており、③累積欠損金比率を減少させるに至った。医業収益に占める材料費の割合が相対的に多く減少し、⑧材料費対医業収益比率が僅かに減少した。延べ入院患者数は僅かに減少しているが、R2.10に許可病床数を88床廃止したたため④病床利用率が6.9%増加し、全国平均を上回ることとなった。⑤入院患者1人1日当たり収益は、手術等が必要な患者の減少などにより僅かに減少した。⑥外来患者1人1日当たり収益は新型コロナウイルス感染症に係る検査の増加などにより僅かに増加した。各指標値の改善のため、医師確保対策、診療報酬の適正請求、開業医との連携強化、経費の削減等に取り組み、今後ポストコロナに向けた経営の健全性及び効率性の向上を図っていく。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率は、診療体制には影響は出ていないが、病院建物及び医療機器に一部老朽化が見られるため、平均値を上回っている。③1床当たり有形固定資産は、R2.10に廃止した病床分の有形固定資産を依然含むため、全国平均を上回っている。今後は計画的な修繕による長寿命化及び更新を図っていく。
全体総括
今後も海部医療圏の中核病院として必要な医療の提供を行っていくため、医師の確保等、診療体制の充実を図るとともに、医療制度、近隣の医療提供体制、病床利用率等を総合的に勘案し、更なる病棟運用の効率化を図っていく。併せて、老朽化した施設及び医療機器の修繕、更新を計画的に行っていく。また、市民病院として安定した医療の提供体制が確保できるよう、津島市民病院経営強化プランを策定し、経営状況について更なる改善を図っていく。「津島市民病院経営強化プラン(令和4年度策定予定)」