地域において担っている役割
駒ヶ根市、飯島町、中川村、宮田村からなる伊南地域の中核病院として、急性期医療を基盤としながら、在宅復帰を支援する回復期リハビリテーション病棟、医療と介護の連携による地域包括ケア病棟を活用した切れ目のない地域医療を目指し、地域住民の安心安全の拠り所として質の高い医療の提供に努めています。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は黒字を維持しています。②医業収支比率は新型コロナウイルス感染症により大きく低下した前年度と比べ入院患者数の増加等により若干の改善傾向を示しています。④病床利用率は許可病床300床を用いた算出では類似病院平均より低く推移していますが、稼働病床239床を用いて算出される病床稼働率は7割以上で推移しています。⑤1人1日当たり収益の入院は手術件数の減少等により前年度より低下しました。⑥外来は類似病院平均と同様の上昇傾向が続いています。⑦職員給与費比率は退職給付費の減少に伴い低下しました。⑧材料費比率は高額な医薬品や診療材料を用いる治療の増加により上昇傾向が続いています。引き続き診療体制の充実による患者数の安定化と一般経費の抑制に努め、健全な病院運営に努めていきます。
老朽化の状況について
病院建築から39年が経過し、①有形固定資産減価償却率は類似病院平均値と比べて20ポイント以上高く建物の老朽化が進んでいます。②器械設備減価償却率については計画的な機器更新によりおおむね類似病院平均値と同水準となっています。時代に即したよりよい療養環境の提供と効率的な病院経営を目指し新病院建設の検討を進めていきます。
全体総括
令和3年度は、前年度と比べて入院患者数の増加等により医業収益が増加し経常収支比率は改善しましたが、医業収支比率は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける以前の令和元年度と比べると低水準となっています。長期化する新型コロナウイルス感染症の対応により、今後経営の見通しが立ちづらい状況ではあるものの、地域の医療需要に応えながら、さらなる医療の質向上と経営改善に取り組むとともに、新病院建設に向けて着実に検討を進めていきます。