涌谷町

地方公共団体

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地方公営企業の一覧

涌谷町国民健康保険病院 簡易水道事業(法適用) 公共下水道 農業集落排水施設


収集されたデータの年度

2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度

指定団体等の指定状況

財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定

人口の推移

産業構造

財政比較分析表(2022年度)

財政力

財政力指数の分析欄

平成30年度からほぼ横ばいの数値になっており、令和4年度においては、前年同数値で推移している。令和4年度の基準財政需要額を見ると、過疎地域の指定や、スクールバスの増便等により、前年度より約8,100万円増加した。基準財政収入額も前年度より約1億1,000万円増加しており、人口減少による住民税の減収がみられるものの、設備投資などによる固定資産税の増収による影響が大きい。類似団体平均値より低い数値で推移しているため、自主財源確保のために、子育て支援政策等人口減少対策を推進していく。

類似団体内順位:19/31

財政構造の弾力性

経常収支比率の分析欄

平成30年度から令和3年度までは、減少傾向にあったが、令和4年度においては、3.3ポイント上昇した。令和4年度について、歳入においては、地方税が前年度より約1億1,700万円増となったが、地方譲与税、新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金、臨時財政対策債等の減により、総額で約1億200万円減となった。歳出においては、財政再建計画中により、前年度に続き歳出の抑制に取組んだものの、新型コロナウイルス感染症の影響で中止されていた事業等が徐々に再開されたことや、物価高騰に伴う電気料の増加等が経常経費の上昇につながった。今後は、財政再建計画が令和5年度で計画終了となることから、新型コロナウイルス感染症による影響や、経常経費の増加に注視し、財政運営に取り組む必要がある。

類似団体内順位:5/31

人件費・物件費等の状況

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均値と比較すると、低い額で推移しているが、令和4年度においては、前年度より約1万8,100円増加している。令和4年度決算において、人件費については、任期の定めのない職員の基本給が増加したことに加え、令和3年度に退職手当組合積立額の平準化のため減となっていた退職手当負担金が通常通りとなったことによって、人件費全体で1.3%増額となった。物件費については、指定管理料、物価高騰対策商品券事業、汚染稲わら処理業務委託料、新型コロナウイルスワクチン接種委託料が主な要因となり、物件費全体で19%増額となった。当町の財政状況を踏まえ、今後も必要経費の見極めを徹底し経費の縮減に努める。

類似団体内順位:11/31

給与水準(国との比較)

ラスパイレス指数の分析欄

従来から類似団体と比較して3ポイント程度低い数値で推移している。今後も人事院勧告に準拠し、指数の変動要因を分析しながら引き続き給与水準の適正化に努めていく。

類似団体内順位:2/31

定員管理の状況

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均並みの水準といえる。職員数は、公営企業会計部門も含めた総数で前年同数の322人となった。普通会計部門では昨年度より1名増の156人であるが、地方分権の推進や制度改正等による業務量の増加、班長クラスの退職、断続的に発生する病休職員により、職員一人ひとりの負担が大きくなっている。今後は定員管理の見直しを行い、多様な雇人材の活用や職員の柔軟な活用を図るなど、バランスを考慮した定員管理に努めていく。

類似団体内順位:20/31

公債費負担の状況

実質公債費比率の分析欄

平成30年度より改善傾向となっている。令和4年度においては、前年度と比較し、0.8ポイント改善している。3ヵ年の入替年度である令和元年度と比較すると、分子においては、元利償還金の額、公営企業に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金の減額等により、分子総額が減少。分母においては、標準税収入額等、普通交付税の増額により、分母総額が増加した。結果、単年度の実質公債費比率は前年度比約0.2ポイント上昇し、約5.5%となったが、入替年度である令和元年度の実質公債費比率が約7.7%であり、比較すると約2.2ポイント減少したため、3ヵ年平均値は0.8ポイント減の6.6%となった。今後も計画的な地方債の発行、償還に努めていく。

類似団体内順位:10/31

将来負担の状況

将来負担比率の分析欄

財政再建計画が始まった令和元年度から毎年度10ポイント以上の改善が続いており、令和4年度においては、前年度と比較し18.1ポイント改善している。要因としては、病院事業会計及び下水道事業会計の企業債残高が減少したことに加えて、財政調整基金や、ふるさと涌谷創生基金等の充当可能基金の増額が挙げられる。財政再建計画は令和5年度で満了するが、引続き収支のバランスに注視した財政運営に取り組む必要がある。

類似団体内順位:15/31

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費

人件費の分析欄

令和4年度の人件費については、任期の定めのない職員分について基本給が増額となったが、その他手当等では減額となっており、再任用職員、会計年度任用職員等については大きな増減は見られなかった。一方で、令和3年度に退職手当組合積立額の平準化のため減額となっていた退職手当負担金が通常通りとなったことにより増額した。結果、人件費全体では0.6ポイント増加した。

類似団体内順位:4/31

物件費

物件費の分析欄

令和4年度においては、前年度比0.4ポイント上昇している。指定管理料や物価高騰による学校給食の賄材料費、公共施設等の光熱水費の上昇が主な要因となっている。国の動向等に注視しながら、物価上昇等に伴う経費の増加に備えた財政運営に取り組む。

類似団体内順位:8/31

扶助費

扶助費の分析欄

令和4年度の扶助費については4.8%と、前年度と比較し0.5ポイント減となっている。児童手当や、老人保護措置費の委託料減額によるものが主な要因となっており、決算額は前年度比2,467千円減額となった

類似団体内順位:8/31

その他

その他の分析欄

令和2年度決算から数値は上昇しており、令和4年度は前年度比0.7ポイント上昇している。介護保険会計、国民健康保険会計、後期高齢医療保険会計の各特別会計への繰出金が増加していることに加え、県後期高齢者医療広域連合への負担金も増加している。今後も引き続き各会計とも健全化を推進し、一般財源の負担減に努める。

類似団体内順位:11/31

補助費等

補助費等の分析欄

令和4年度においては、前年度比1.7ポイント上昇している。大崎広域行政事務組合への負担金、町国保病院のダウンサイジングによる追加繰出の増額により上昇したものと考えられる。類似団体と比較しても依然として高い数値となっているため、更なる公営企業の経営改善等による健全化を図る。

類似団体内順位:27/31

公債費

公債費の分析欄

令和4年度については、前年度より0.4ポイント上昇した。臨時財政対策債、臨時地方道整備事業債、地域活性化事業債の償還が終了したが、平成30年度防災対策債及び臨時財政対策債、令和元年度学校教育施設等整備事業債、辺地対策事業債等の償還が開始となったことが主な要因となっている。

類似団体内順位:5/31

公債費以外

公債費以外の分析欄

平成30年度から改善傾向となっていて、令和3年度、4年度においては類似団体平均とほぼ同数値となっている。令和4年度決算においては、ウクライナ侵攻等による全国的な原油や物価高騰の影響による物件費上昇や、公共施設や道路等の老朽化による維持補修費上昇により、前年度より2.9ポイント上昇している。今後、さらなる維持補修費の上昇が見込まれるため、公共施設の管理方法の見直し等が必要になってくる。

類似団体内順位:14/31

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

金額が増額となった主な項目は、教育費、災害復旧費、土木費となっている。教育費については、再任用職員及び会計年度任用職員等に係る人件費、給食センター及び箟岳地区町民体育館改修事業等により増となった。災害復旧費については、令和4年度3月発生地震及び、7月発生豪雨に係る災害復旧事業を実施したことによるもの。土木費については、過疎対策事業債が新たに活用可能となったことによる事業量の増に加えて、維持補修費の増、公共下水道事業会計への出資金の増等によるもの。金額が減額となった主な項目は、商工費、衛生費、総務費となっている。商工費については、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金給付事業を始めとした感染症対策関連補助金を財源として実施していた事業が縮小したことにより減額となった。衛生費については、大崎広域行政事務組合への負担金(震災復興特別交付税分)の減、放射能汚染稲わら前処理施設建設事業の完了等によるもの。総務費については、積立金減額による影響が大きく、財政調整基金積立金の増はあるものの、減債基金積立金及びふるさと涌谷創生基金等が大幅に減額となっている。新型コロナウイルス感染症により、中止や縮小となっていた事業やイベントが再開する見込みが立ってきており、必要経費の増加が見込まれるため、経費の見直しに一層力を入れ財政運営に取組んでいく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

金額が増加した主な項目は、物件費、普通建設事業費、災害復旧費となっている。物件費については、指定管理料や新型コロナウイルス感染症予防接種委託料等が増加したことによるもの。普通建設事業費については、認定こども園建設に係る補助金、町道改修事業の増等によるもの。災害復旧費については、令和4年度3月発生地震及び、7月発生豪雨に係る災害復旧事業を実施したことによるもの。金額が減少した主な項目は、扶助費、積立金となっている。扶助費については、非課税世帯等臨時特別給付金事業及び子育て世帯生活支援特別給付金給付事業の減等によるもの。積立金については、財政調整基金積立金の増はあるものの、減債基金積立金及びふるさと涌谷創生基金等の減額幅が大きかったため。財政再建計画に基づき、経費を抑えた財政運営に取組んでいるが、世界的な情勢による物価高騰や光熱費の上昇が影響している面も見受けられる。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

令和4年度において、歳入については、各種交付金及び譲与税の減があったものの、普通交付税が前年度と同水準で交付されたこと、固定資産税での税収が伸びたことで地方税が増額となり一般財源が増加した。歳出については、コロナ禍で中断されていた事業が少しづつ再開されたが、コロナ対策の実施については昨年同様新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金内で行うこと、財政調整基金を取崩さず財政運営を行ったことなどから、昨年に引き続き、実質収支は黒字となった。また、実質単年度収支についても前年度と比較して2.52ポイント改善した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

・国民健康保険病院事業会計:新型コロナウイルス感染症の影響により医業収益が減少する一方、それに関連する国庫補助金等の交付により経営状況が改善している。今後も病床利用率の向上による入院収益の確保及び経費削減に努め、健全経営に向けた収支の改善に努める。・水道事業会計:福島県沖地震発生時の町内全域断水を受けて、水道料金半額減免措置を実施したことから収益は減少し、物価高騰の影響により費用は増加したが、約2,916万円の純利益となった。今後も安定的な水道事業運営を図る。・下水道事業会計:使用料の減収や一般会計繰入金の減少があったものの、進出企業の下水道接続に伴う下水道事業協力金の受け入れがあったことから、約529万円の純利益となった。施設の老朽化対策が必要となる一方で、水需要の減少が見込まれ、下水道事業の経営環境はさらに厳しくなっていくと予想される。・介護保険事業勘定特別会計:被保険者数の増に伴い、介護保険料の増加となったが、施設サービス利用者数の減などにより保険給付費が減少し、国、県交付金が減少となったことが影響している。・訪問看護ステーション事業会計:利用者の減による事業収益の減、職員数の増加による給与費の増、委託料の増、新型コロナウイルス感染症の影響による看護材料費の増等により0.35ポイント減少している。老人保健施設会計への出資金が経営負担となっている。・老人保健施設事業会計:新型コロナウイルス感染症の影響を受け、利用者減による収益収入の減、介護材料費の増、燃料費の増等により、0.72ポイント減少している。一般会計及び訪問看護ステーション会計からの出資金もあるが、経営状態の改善が必要となっている。・国民健康保険事業勘定特別会計:被保険者数の減に伴い、国民健康保険税の収入減少となったが、国保事業等の支援に係る国、県交付金の増加により改善に繋がった。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度数値と前年度数値と比較すると、元利償還金等については、学校教育施設等整備事業債や防災対策事業債の元利償還金の増があるものの、病院事業会計の建設改良に対する負担金の減少に伴い、公営企業債の元利償還金に他する繰入金が減少した。しかし、これに対する算入公債費等における、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が減少したことにより、分子総体では約800万円の増加となった。今後も借入と償還の調整を適切に行い、公債費の抑制に努める。

分析欄:減債基金

平成27年度に借入した宮城県工場立地基板整備貸付金の返済に充当するため、償還準備金の積み立てを行い、令和3年度に償還が完了した。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

財政再建計画を開始した令和元年度より、分子は年々減少している。令和4年度において、前年度と比較すると、「債務負担行為に基づく支出予定額」が追加され、「退職手当負担見込額」が増額となったが、「地方債の現在高」、「公営企業債等繰入見込額」、「組合負担等見込額」が減額したことで、「将来負担額」が減額した。中でも、「公営企業債等繰入見込額」による減額が大きく、要因としては、病院事業会計及び下水道事業会計の企業債残高が減額したためと考えられる。加えて、財政調整基金の増額や、ふるさと涌谷創生基金の増額、国保会計財政調整基金の増額が主な要因となり、「充当可能基金」が増額したことで「充当可能財源」が増額したため、分子総体では約8億1,100万円減少した。財政再建計画が令和5年度で満了するが、計画終了後も健全な財政運営に努め、将来負担に注視していかなければならない。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金残高合計

基金全体

(増減理由)令和元年度から令和5年度にかけ、涌谷町財政再建計画を推進している。計画に基づき、財政調整基金を取り崩さず、必要最低限の経費で財政運営を行うこととしているため、令和2年度から令和4年度にかけて基金残高の増加が続いている。令和4年度に関しても、財政調整基金を第一として、今後償還が増加すると見込まれる地方債の元利償還金による負担を軽減するための減債基金や、ふるさと創生事業に充てるための財源として設置しているふるさと涌谷創生基金を中心に積み立てている。計画推進中のために実施事業を絞っていることに加えて税収等の当初予算に対する上振れ分を積立てたほか、過疎対策事業債等新たな財源の確保により増額となっている。(今後の方針)引続き、基金の計画的な積立てを行い、自然災害や公共施設の老朽化等による突発的な経費に対応するための財源確保に取組んでいく。

財政調整基金

財政調整基金

(増減理由)令和4年度も前年度に引続き、財政再建計画に基づき、財政調整基金を取り崩さず、財源確保と歳出の抑制に取り組んだ。加えて、固定資産税の償却資産が大幅増となったため、当初予算に対する税収の上振れ分が発生した。また、令和4年度より過疎地域として指定されたことにより、過疎対策事業債の発行も可能となったことから、新たな財源の確保も基金残高増額の要因となった。(今後の方針)一般的な財調基金残高の目安とされる標準財政規模比の10~20%に加え、病院会計へ一時貸付している4億円を加算した金額を目標金額と設定している。今後は減債基金や特目基金とのバランスに考慮した積立てを行っていく。

減債基金

減債基金

(増減理由)誘致企業の周辺環境整備に充てた地方債の後年度償還金と、後年度負担の増加に備え増額した。(今後の方針)企業誘致に係るインフラ整備事業等が見込まれることに加え、災害復旧に係る地方債や新たに活用可能となった過疎対策事業債の発行も見込み、計画的な積立てを行っていく。

その他特定目的基金

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと涌谷創生基金:地域創生事業に充当震災復興基金:東日本大震災復興事業に充当公営住宅用地取得基金:公営住宅建設用地取得及び建設事業に充当新型コロナウイルス感染症対策中小企業等支援基金:新型コロナウイルス感染症対策に係る中小企業等支援経費に充当ふるさと水と土保全基金:集落共同活動事業に充当(増減理由)その他特定目的基金のうち、積立額が最も多い基金はふるさと涌谷創生基金である。当該基金は充当する事業が多いことに加えて、今後予定される圃場整備の非適債事業や誘致企業の周辺整備などの歳出に備え、約7,800万円増額した。震災復興基金については、中小企業振興資金利子助成事業、内水ハザードマップ作成事業等へ充当するため約1,100万円取崩したことにより減額した。新型コロナウイルス感染症対策中小企業等支援基金については、中小企業振興資金利子補給事業等に充当するため、約430万円を取崩した。(今後の方針)積立金総額は増額となったが、今後の事業経費と各基金残高や使途を十分に精査し、財政調整基金や減債基金とのバランスも考慮しながら、計画的な積立て、取崩しを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町の有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と比較すると、16.7ポイント上回っており、前年度比1.4%上昇している。庁舎等公共施設の老朽化が進んでおり、築50年程度経過している施設もあることから、策定した公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を確実に推進することが、これからの課題である。

類似団体内順位:29/30

(参考)債務償還比率

債務償還比率の分析欄

当町の債務償還比率は、類似団体平均と比較すると高い数値となっているが、差が7.4ポイントと、前年度と比較すると大幅に差が縮小している。令和元年度から、財政再建計画に基づいた取組みを行ってきたことで、将来負担比率は徐々に減少している。今後も継続して財源確保に取組み、地方債残高等の将来負担額の抑制に努めていく。

類似団体内順位:14/31

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

当町では、将来負担比率は年々減少しているが、有形固定資産減価償却率は80%台に上昇した。どちらも類似団体平均値を上回っている状況である。将来負担比率については、基金の取崩しを抑え、積立てを行ったことと、公共下水道事業及び農業集落排水事業の地方債の減少が主な減少要因となっている。有形固定資産減価償却率については、法定耐用年数に近づいている公共施設等の資産が多く、老朽化の進行に長寿命化等の改修が追い付いていないことなどから、80%台に上昇した。将来的には、公共施設等の長寿命化に伴う費用の増加も見込まれ、これに伴い、地方債等の増加も見込まれるため、将来負担へ向けた対策が必要となる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

当町では、将来負担比率、実質公債費比率ともに平成29年度以降年々減少している状況である。特に将来負担比率においては、財政再建計画を開始した令和元年度以降は10%以上の減少が続いている。将来負担比率の減少要因としては、基金の取崩しを抑え、積立てを行ったこと、また、公共下水道事業及び農業集落排水事業の地方債の減少が上げられる。実質公債費比率の減少要因としては、下水道事業の収益勘定繰入金のその他の経費に対する実繰入額が大きく減少したこと、また、病院事業の建設改良(企業債元金償還分)に対する一般会計からの負担金及び出資金の減少が上げられる。引き続き、将来負担となる経費削減に取組み、財政健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

当町の有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較すると全体的に高い数値となっている。要因としては、庁舎・学校・保育所等の事業用資産や、道路・橋りょう等のインフラ資産の老朽化によるもので、築50年程度経過している施設が多くなっている。上記の項目のうち、「道路」、「橋りょう・トンネル」、「認定こども園・幼稚園・保育所」、「学校施設」、「体育館・プール」、「消防施設」、「庁舎」が類似団体平均値を大きく上回る数値となっている。いずれも国庫補助金、地方債、基金等を活用し長寿命化を進めており、将来負担額の増加を抑えつつ、公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を確実に推進し、改善を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

前ページ記載のとおり。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

令和3年度一般会計等について、本年度末資産合計は、前年度比2億4,778万円減少の290億4,388万円となった。「資産の部」を前年度と比較すると、固定資産のうち、有形固定資産のうち建物で1億5,830万円増加したが、建物減価償却累計額で3億9,255万円減少したことにより、結果として事業用資産が2億5,141万円減少した。また、インフラ資産は8億3,981万円減少した、そのうちの工作物減価償却累計額が10億5,122万円の減少が主な要因となっている。「負債の部」においては、1年内償還予定地方債等で4億502万円減少等により流動負債が3億3,985万円減少したが、退職手当引当金、長期未払金、地方債等の増加によって固定負債が5億8,858万円増加したことで、負債総額は、2億4,873万円増加した。純資産合計は217億6,155万円となり、前年度比4億9,651万円減少した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

令和3年度の一般会計等の純行政コストは前年度比20億3,241万円減少し、79億6,767万円となり、令和元年度並みとなった。経常費用のうち、移転費用の減少が最も大きく、17億880万円減少している。主な要因は補助金等の減少によるものである。次いで、業務費用が1億2,829万円減少した。物件費、人件費に係るコストの減少によるものである。そのため、経常費用は18億3,709万円減少した。一方で経常収益は1,403万円増加しており、結果として、経常費用を経常収益から差引いた純経常行政コストは、前年度比18億5,112万円減少した。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の令和3年度末純資産残高は前年度比4億9,651万円減少し、217億6,155万円となった。財源については、税収等が3億4,322万円増加したが、国県等補助金が13億3,027万円減少したため、前年度比9億8,707万円減少の74億6,349万円となった。その他についても1億4,399万円減少している。財源と本年度末純行政コストの差額が5億417万円下回っている状況となっているが、純行政コストも前年度比20億3,241万円減少しているため、本年度差額は10億4,535万円縮まっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等については、本年度末資金残高は前年度より6,324万円減少し、1億2,469万円となった。業務活動収支において、前年度比9億719万円増加の13億5,527万円となった。人件費物件費等支出の減少により、業務費用支出が4億2,900万円減少、また、補助金等支出の減少により、移転費用支出が17億880万円減少したことで、業務支出は前年度比21億3,780万円減少の62億6,733万円となった。加えて、国県等補助金収入の減少により、業務収入は前年度比14億494万円減少の76億2,973万円となった。投資活動収支においては、前年度比11億5,966万円減少の△13億2,285万円となっている。投資活動支出が基金積立金支出等の増加により、7億4,367万円増加の15億5,535万円となった。投資活動収入は基金取崩収入を抑えたことで、4億1,598万円減少の2億3,251万円となった。財務活動収支においては、前年度比1億4,041万円増加の△9,566万円となった。支出・収入ともに地方債に係る経費となっており、財務活動支出は4億1,217万円減少の5億1,906万円となり、財務活動収入は2億7,176万円減少の4億2,340万円となった。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

当町の資産の構成割合は事業用資産が57.3%、インフラ資産が42%、物品が0.7%となっている。一般会計等の資産の状況を見ると、資産合計は前年度比2億4,778万円減少し、290億4,388万円となった。資産減少の大きな要因は、インフラ資産の道路等の工作物減価償却累計額が前年度比10億5,122万円増加したことが主な要因としてあげられる。資産、人口ともに減少しているが、資産の減少幅が前年度より少額であるため、住民一人当たりの資産額も増加したが、類似団体平均と比較しても低い数値となっている。また、歳入額対資産比率においては、前年度より改善しているものの、類似団体平均と比較しても、低い水準となっており、約3.4年分の歳入に相当する資産が蓄えられている状況である。加えて、有形固定資産減価償却率は81.3%となっており、法定耐用年数に近づいているため、資産の老朽化が進んでいる状況である。策定した公共施設等総合管理計画に基づいた個別施設計画を確実に推進することが、これからの課題と考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均と比較し、ほぼ同数値となっているが、資産合計が減少し、負債合計が増加しているため、改善はなされていない状況である。将来世代負担比率は類似団体平均と比較して低い数値となっているが、前年度比0.4%上昇している。分母の有形・無形固定資産が前年度比1,141万円減少しているが、分子である地方債残高が前年度比約43万円の減少と、分子の下がり幅が少額になったことが要因と考えられる。資産の老朽化が進行しており、将来的に負債が増加していくと考えられるため、資産と負債のバランスに注視していく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

純行政コストについては、業務費用1億2,829万円の減少と、移転費用17億880万円の減少により、経常費用は18億3,709万円減少した。経常収益及び臨時利益も増加しており、純行政コストは、前年度比20億3,241万円減少した。住民一人当たりの行政コストは類似団体平均より若干低い数値であるが、平均並みと言える。人口が前年度より366人減少しているが、純行政コストの前年度差額が大きいため、前年度自団体値と比較して11.8%減少した。経営が悪化している涌谷町国保病院の改善が移転費用の減額につながると考えられるため、経営改善に向けた取組みを推進することが重要である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

1年内償還予定地方債等からなる流動負債が3億3,985万円減少したが、地方債等からなる固定負債が5億8,858千円増加したことにより、負債合計は2億4,873万円増加し、72億8,233万円となった。それに伴い、住民一人当たりの負債額も前年度比2.8%上昇した。業務活動収支は、税収の増加と移転費用支出の減少により、9億719万円増加し、13億5,527万円となった。対して、投資活動収支は、公共施設等整備費支出等の増加と国県補助金収入の減少により、11億5,966万円増加の△13億2,285万円となり、類似団体平均を大幅に上回る数値となった。今後、働き世代の人口減少などによる税の減収や、資産の老朽化による維持整備に係る経費の更なる増加が懸念されるため、人口減少対策や、計画的な地方債の活用と公共施設のマネジメントが課題となっている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値と比較すると、1/2の数値となっている。令和3年度の一般会計等を前年度と比較すると、経常収益は1,403万円増加の1億9,101万円となっているのに対し、経常費用は18億3,710万円減少の81億5,875万円となった。2~8%が平均的な値で、当町は平均値と言えるが、財政非常事態宣言中であることから、今後も適正な負担の徴収が課題となっている。

類似団体【Ⅳ-1】

帯広市 弘前市 金ケ崎町 洋野町 涌谷町 美郷町 河北町 会津坂下町 会津美里町 矢吹町 三春町 大子町 那珂川町 上市町 志賀町 辰野町 南箕輪村 神戸町 揖斐川町 御嵩町 森町 川越町 玉城町 久御山町 多可町 福崎町 八頭町 琴浦町 北広島町 まんのう町 みやこ町 長洲町 都城市 国富町