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単年度の財政力指数は、人口減少や少子高齢化が進行する中、社会保障費などが増加し続けており、平成21年度に1.0を下回ってから15年続けて普通交付税交付団体となっている。令和5年度は、0.784と減少しており、3年間の平均でも減少が続いている。これは、企業業績の改善により消費の持ち直しが図られるとともに、給与所得が増となることを背景に、地方消費税交付金が328,632千円増加するとともに法人税割が81,425千円増加したことなどから、基準財政収入額は529,394千円増加したが、国税収入等の増加を背景に臨時財政対策債の発行額が縮減され、臨時財政対策債振替後の基準財政需要額が1,029,695千円増加したことから、この増額幅が基準財政収入額の増額幅を上回ったためである。
令和5年度は、神奈川県平均を1.9ポイント下回っているものの、類似団体内平均及び全国平均をそれぞれ2.5ポイント、1.9ポイント上回っている。経常収支比率が前年度と比べて0.7ポイント改善した要因は、物件費や扶助費等の増加により、分子である経常経費充当一般財源等が90,343千円増加した一方で、市税や株式等譲渡所得割交付金などの増加により、分母となる経常一般財源等歳入合計が319,182千円増加したためである。引き続き、予算の編成や執行においては、全ての事務事業の必要性や優先度、経費の内容を見直し、経常経費の抑制に努める。
令和5年度は、前年度に引き続き、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均の各数値を下回り、前年度と比べて2,028円の減少となった。減少した要因は、給料月額や期末・勤勉手当の支給率の引上げに伴う職員給与費の増などにより、人件費全体で161,393千円増加したが、新型感染症の5類移行などに伴い、新型コロナウイルスワクチン接種事業費の委託費が大幅に減少したことなどから、物件費全体で488,008千円減少したためである。
類似団体平均及び全国市平均との比較では、それぞれ1.4ポイント、2.5ポイント上回っているが、過去5年間においては、僅差ではあるが、同程度の水準で推移している。ラスパイレス指数が高い要因としては、高卒者で職位の高い者が多いことや、初任給の基準が国よりも高いことなどが挙げられる。なお、人件費抑制の取組として、平成28年4月1日からの給与制度の総合的見直しを始め、平成29年度の住居手当の見直し(持家手当額の引下げ)や国に準じた扶養手当の見直し(平成30年度から段階的に行っており、令和2年度に制度が完成)を実施しているが、今後も引き続き、給与体系の適正化に努めていく。
平成17年度以降の技能労務職の退職者不補充を原則とする業務の民間委託化の推進により、職員数の削減を進めてきているものの、地方創生や防災対策の推進、また、物価高騰対応等の行政需要の高まりのため、近年は、やや増加傾向にある。今後は、定年引上げの影響を踏まえながら、定員管理計画に基づき、現状ベースでの職員数の維持を図る。
令和5年度は、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ2.1ポイント、4.0ポイント、5.6ポイント下回っている。令和2年度と令和5年度の単年度での比率を比較すると、分母では、普通交付税額が増加したことにより標準財政規模が増加したため、1,545,787千円の増額となった。分子では、公共下水道事業で借り入れた地方債の償還が進み、公営企業に要する経費の財源繰入が減少したものの、学校給食施設整備事業費などの債務負担行為額が増加したことにより公債費に準ずる債務が増加したため、37,453千円の増額となった。結果として、令和2年度と令和5年度の単年度の実質公債費比率に大きな増減が生じなかったことから、3か年平均では同じとなった。
令和5年度は、類似団体内平均、全国平均をそれぞれ8.4ポイント、2.1ポイント上回っている。分母となる標準財政規模については、臨時財政対策債発行可能額は減少したものの、普通交付税及び標準税収入額等の増加額が臨時財政対策債発行可能額の減少額を上回ったため、全体で739,817千円の増額となった。一方、分子では、公共下水道事業で借り入れた地方債の償還が進み公営企業債等繰入見込額が減少したほか、秦野市伊勢原市環境衛生組合で借り入れたクリーンセンター建設事業債の償還が進んだことにより、組合への負担等見込額が減少するなど、全体で1,014,079千円の減額となった。結果、分母が増額し、分子が減額したため、負担比率は3.8ポイントの減少となった。
令和5年度は、前年度と比べて0.2ポイント減少し、神奈川県平均を1.6ポイント下回っているものの、類似団体内平均、全国平均をそれぞれ3.0ポイント、1.9ポイント上回っている。減少した要因は、給料月額などの支給率の引上げに伴う職員給与費の増などにより、分子となる経常経費充当一般財源が23,712千円増加となった一方で、社会経済活動の正常化が進み、地方税や交付金等が増加したことにより、分母となる経常一般財源等歳入額も319,182千円増加し、増加額が分母の方が大きかったためである。
令和5年度は、前年度と比べて0.5ポイント増加し、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ2.6ポイント、2.4ポイント上回っているものの、類似団体内平均と比べると1.4ポイント下回っている。増加した要因は、重層的支援体制整備事業を介護保険事業特別会計から一般会計へ移管したことにより51,315千円増加したことに加え、労務単価の上昇により塵芥収集関係経費が58,137千円増加したことなどにより、経常経費充当一般財源が222,494千円増加したためである。
令和5年度は、前年度と比べて0.3ポイント増加し、神奈川県平均を3.1ポイント、類似団体内平均を0.2ポイント下回っているものの、全国平均を1.7ポイント上回っている。増加した要因は、障害福祉サービス利用者の増により、介護給付・訓練等給付費事業費が81,758千円増加したことに加え、公定価格の改定等により、施設型給付費が44,845千円増加したことなどにより、経常経費充当一般財源が166,381千円増加したためである。
令和5年度は、前年度と比べてポイントの増減はないが、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ1.2ポイント、1.3ポイント、3.1ポイント上回っている。要因としては、雨水排水施設の修繕等が減少し、維持補修費分が減額となったものの、被保険者の減少により国民健康保険事業への繰出金が増加したことや後期高齢者医療事業の対象者である75歳以上人口が増加したため後期高齢者医療事業への繰出金が増額となったことにより、経常経費充当一般財源で17,436千円の微増となったためである。
令和5年度は、前年度と比べて1.1ポイント減少し、全国平均は0.2ポイント下回ったが、類似団体内平均及び神奈川県平均をそれぞれ1.1ポイント、1.7ポイント上回った。減少した要因は、秦野市伊勢原市環境衛生組合における維持補修費等の減に伴い182,803千円減少したことに加え、過年度の精算に伴う国県支出金等返納金が116,639千円減少したことなどにより経常経費充当一般財源が308,811千円減少したためである。
市債のプライマリーバランスの黒字化や繰上償還など、平成16年度から取り組んできた市債残高を縮減する取組により、令和5年度は、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ1.2ポイント、5.4ポイント、4.4ポイント下回っており、前年度と比べて0.2ポイント減少した。減少した要因は、国税収入の増加による臨時財政対策債への振替率の低下に伴い、令和4年度以降はプライマリーバランスの黒字化を達成していることから、経常経費充当一般財源が30,869千円減少したためである。引き続き、プライマリーバランスや将来の公債費負担を考慮した適正な市債の借入れに努める。
公債費を除いた令和5年度の経常収支比率は、前年度と比べて0.5ポイント減少したが、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ3.7ポイント、7.3ポイント、2.5ポイント上回った。減少した要因は、物件費及び扶助費等の増加により、分子である経常経費充当一般財源が全体で121,212千円増加となった一方で、社会経済活動の正常化が進み、地方税や交付金等が増加したことにより、分母となる経常一般財源等歳入額も319,182千円増加し、増加額が分母の方が大きかったためである。
(増減理由)令和4年度は、令和3年度決算で生じた実質収支の増加により、歳計剰余金処分としての財政調整基金への積立額が増加したことなどから、872百万円増加したほか、ふるさと基金では、取崩額を上回る額のふるさと寄附金を積み立てたことにより、60百万円増加したことなどから、全体で前年度末と比べて963百万円の増加となった。令和5年度は、公共施設整備基金やふるさと基金などが取崩額を上回る額の積立てを行ったことにより、その他特定目基金が87百万円増加した。一方で、財政調整基金は、一般財源の補填や臨時財政対策債の繰上償還などの財源として活用したため、236百万円減少したことから、基金全体では前年度末と比べて149百万円の減少となった。(今後の方針)財政調整基金は、災害など不測の事態への備えとして、標準財政規模の10%となる約3,000百万円を適正な残高の目安とし、確保に努めている。今後も、適正規模の残高を確保しつつ、自然災害や新型感染症対策など、臨時突発的な財政需要にも柔軟かつ迅速に活用していく。また、その他特定目的基金は、各基金の設置目的に沿って、適正な管理、運用に努める。
(増減理由)令和4年度は、一般財源の補填や新型感染症対策事業の財源として活用したことにより、取崩額は、前年度と比べて増加した。しかし、令和3年度に実施した臨時財政対策債償還基金費分の積み立てが完了した一方で、令和3年度決算で生じた剰余金の積立額が増加し、積立額が前年度と比べて増加したことから、残高は4,349百万円と、前年度末と比べて872百万円の増加となった。令和5年度は、普通交付税の再算定により追加交付された、臨時財政対策債償還基金費分を積み立てたことに加え、令和4年度の決算で生じた剰余金を積み立てた。一方で、一般財源不足の補填や臨時財政対策債の繰上償還の財源として過年度に積み立てた臨時財政対策債償還基金費分を取り崩したことにより、積立額を取崩額が上回ったため、前年度末と比べて236百万円減の4,113百万円となった。(今後の方針)災害など不測の事態への備えとして、標準財政規模の10%となる約3,000百万円を適正な残高として確保に努めている。今後も、適正規模の残高を確保しつつ、自然災害や新型感染症対策など、臨時突発的な財政需要にも柔軟かつ迅速に活用していく。
(増減理由)減債基金については該当なし(今後の方針)減債基金については該当なし
(基金の使途)・ふるさと基金:市の発展のために全国の寄附者から寄せられた寄附金を活用し、その特性を生かしたまちづくりに役立てる。・新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金:新型感染症の感染拡大の影響により事業資金の融資を受けた中小企業者を支援する。・公共施設整備基金:教育施設、公園その他の公用又は公共用に供する施設(公共施設)の整備を目的とする寄附金等を積み立て、公共施設の整備を図る。(増減理由)・ふるさと基金:寄附者が指定した使途に沿った事業の財源とするため264百万円を取り崩し、令和5年中に収入した寄附金を290百万円積み立てたことで、26百万円増加した。・新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金:新型感染症の影響により事業資金の融資を受けた中小企業者等に継続して支援を行うため、25百万円を取り崩した。・職員退職給与準備基金:地方公営企業及び秦野市伊勢原市環境衛生組合からの負担金を積み立てる一方で、取崩しを行わなかったため、35百万円増加した。(今後の方針)・ふるさと基金:寄附者が指定した使途に沿って事業の早期実現を図るため、適正な管理、運用に努める。・職員退職給与準備基金:退職手当の支払に係る年度間の不均衡を調整するため、一定規模の確保に努めながら、運用を図る。
当市の有形固定資産は、約半分を道路が占めており、その更新等の状況が有形固定資産減価償却率に大きく影響している。そのため、当市では、昭和40年から50年代に建設した庁舎や学校施設をはじめ、30年を経過した建物が多くあるものの、道路の計画的な更新を進めていることにより、有形固定資産減価償却率は、類似団体及び全国平均と比較して低い水準となっている。引き続き、平成29年3月に策定した「公共施設等総合管理計画」や付随する個別施設計画に基づき、施設の老朽化対策を進めていく。
債務償還比率は、類似団体及び全国平均と比較して高い水準となっており、令和4年度は、臨時財政対策債発行可能額が減少したことにより、対前年度比で135.0ポイント増加している。今後も、大規模改修や建替えを行う場合には、中長期的な財政見通しを立てたうえで、将来に過度な負担を残すことのないよう計画的な市債の発行に努めていく。
将来負担比率は、令和4年度は、公共下水道事業で借り入れた地方債の償還が進んだことで公営企業債等繰入見込額が減少したことなどにより、対前年度比で7.1ポイント減少したものの、類似団体との比較では高い水準となった。また、有形固定資産減価償却率は、道路の更新を計画的に実施してきたことなどにより、類似団体よりも低くなっており、将来の財政負担を見据えながら、施設の更新を進めたことによるものと考えられる。今後も、中長期的な財政見通しを立て、財政負担を平準化しながら、「公共施設等総合管理計画」や個別施設計画に基づき、老朽化対策に取り組んでいく。
将来負担比率は、類似団体と比較して高い水準にある。一方で、実質公債費比率は、類似団体と比較して低い水準となっているものの、地方債の元金償還額の増加により、対前年度比で0.3ポイント増加している。将来に過度な負担を残すことのないよう、中長期的な財政見通しを立てたうえで、計画的に市債を活用するとともに、財政調整基金の一定残高を確保し、その活用を図りながら、それぞれの比率が一定の水準を保てるよう引き続き努めていく。