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2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
単年度の財政力指数は、平成21年度に1.0を下回り、人口減少や少子高齢化が進行する中、社会保障費が増加を続ける一方で、税収の回復は見られず、14年続けて普通交付税交付団体となっている。令和4年度は、0.795(前年度0.808)と減少しており、3年間の平均でも減少が続いている。これは、個人の給与所得の増加により市民税(所得割)が255,466千円増加したほか、企業業績の上振れに伴い市民税(法人税割)が156,862千円増加し、基準財政収入額は642,569千円増加したが、国税収入等の増加を背景に臨時財政対策債の発行額が縮減され、臨時財政対策債振替後の基準財政需要額が1,201,939千円増加したことから、この増額幅が基準財政収入額の増額幅を上回ったためである。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
令和4年度は、神奈川県平均を1.0ポイント下回っているものの、類似団体内平均及び全国平均をそれぞれ3.9ポイント、3.5ポイント上回っている。経常収支比率が前年度と比べて7.5ポイント増加した要因は、物件費や補助費等の増加により、分子である経常経費充当一般財源等が1,318,206千円増加した一方で、臨時財政対策債の減少等により、分母となる経常一般財源等歳入合計が1,233,107千円減少したためである。予算の編成や執行においては、全ての事務事業の必要性や優先度、経費の内容を見直し、経常経費の削減に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
令和4年度は、前年度に引き続き、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均の各数値を下回っているものの、前年度と比べて8,326円の増加となった。増加した要因は、人事院勧告に準じた支給率の引上げに伴う勤勉手当の増のほか、新型感染症の感染拡大に伴う本市財政等への影響を背景とした特別職員等の給与に係る減額特例措置期間が令和4年3月31日に終了したことにより、人件費全体で19,026千円増加したほか、小学校給食費の公会計化や中学校給食の通年化、メタックス体育館はだの(総合体育館)等の公共施設へ指定管理者制度を導入したことなどにより、委託料が1,046,156千円増加したことなどから、物件費全体で、1,204,439千円の増加となったためである。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
類似団体平均及び全国市平均との比較では、それぞれ2.1ポイント、3.2ポイント上回っており、過去5年間においては、僅差ではあるが上昇傾向で推移している。ラスパイレス指数が上昇傾向となっている要因としては、高卒者で職位の高い者が多いことや、初任給の基準が国よりも高いことなどが挙げられる。なお、人件費抑制の取組として、平成28年4月1日からの給与制度の総合的見直しを始め、平成29年度の住居手当の見直し(持家手当額の引下げ)や国に準じた扶養手当の見直し(平成30年度から段階的に行っており、令和2年度に制度が完成)を実施しているが、今後も引き続き、給与体系の適正化に努めていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員数については、平成17年度以降の技能労務職の退職者不補充を原則とする業務の民間委託化の推進により、削減を進めてきているものの、地方創生や防災対策の推進、また、物価高騰対応等の行政需要の高まりのため、近年は、やや増加傾向にある。今後は、定員管理計画に基づき、現状ベースでの職員数の維持を原則とするが、定年引上げの影響を踏まえ、やや増加の傾向が続くことが想定される。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
令和4年度は、類似団体内平均、全国平均をそれぞれ2.0ポイント、3.9ポイント下回っている。令和元年度と4年度の単年度での比率を比較すると、分母では、普通交付税の増加により、標準財政規模が増加したため、全体では1,607,169千円の増加となった。一方、分子では、平成30年度及び令和元年度に借り入れた臨時財政対策債の元金償還が開始されたほか、準元利償還金のうち、秦野市伊勢原市環境衛生組合で借り入れた斎場更新事業債の元金償還が開始されたことにより、全体では283,622千円の増加となった。結果として、分母より分子の増加率が大きくなり、3か年平均による実質公債費比率は0.3ポイントの増加となった。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
令和4年度は、類似団体内平均、全国平均をそれぞれ12.1ポイント、3.4ポイント上回っている。分母では、臨時財政対策債振替相当額の減少などにより標準財政規模が減少したため、全体で845,788千円の減少となった。一方、分子では、公共下水道事業会計で借り入れた地方債の償還が進んだことで公営企業債等繰入見込額が減少したほか、秦野市伊勢原市環境衛生組合で借り入れたクリーンセンター建設事業債の償還が進んだことで組合への負担等見込額が減少し、全体で2,122,864千円の減少となった。結果として、分母より分子の減少率が大きかったため、将来負担比率は7.1ポイントの減少となった。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
令和4年度は、前年度と比べて1.1ポイント増加し、神奈川県平均を2.5ポイント下回っているものの、類似団体内平均、全国平均をそれぞれ2.5ポイント、1.7ポイント上回っている。増加した要因は、退職者数の減により退職金が減少したものの、人事院勧告に準じた支給率の引上げに伴う勤勉手当の増等により、経常経費充当一般財源が7,336千円増加したためである。
物件費
物件費の分析欄
令和4年度は、前年度と比べて1.9ポイント増加し、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ2.4ポイント、2.3ポイント上回っているものの、類似団体内平均と比べると1.4ポイント下回っている。増加した要因は、中学校給食の通年化により、中学校給食調理経費が増加したことに加え、公共施設4個所への指定管理者制度の導入に伴い、メタックス体育館はだの(総合体育館)管理運営費等が増加したことにより、経常経費充当一般財源が415,766千円増加したためである。
扶助費
扶助費の分析欄
令和4年度は、前年度と比べて1.4ポイント増加し、神奈川県平均を2.5ポイント下回っているものの、類似団体内平均及び全国平均をそれぞれ0.3ポイント、2.1ポイント上回っている。増加した要因は、生活保護費において、過年度に超過交付となった精算により、事業費に占める国庫負担金の割合が減少したため、108,778千円増加したほか、障害福祉サービスの利用者数の増に伴う介護給付・訓練等給付費事業費が81,649千円増加したことにより、経常経費充当一般財源が268,126千円増加したためである。
その他
その他の分析欄
令和4年度は、前年度と比べて1.2ポイント増加し、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ1.4ポイント、1.5ポイント、3.6ポイント上回っている。増加した要因は、超高齢社会の進行により、要介護認定者数や後期高齢者医療事業の対象者である75歳以上人口が増加し、介護保険事業及び後期高齢者医療事業への繰出金が増加したことにより、経常経費充当一般財源で293,443千円増加したためである。
補助費等
補助費等の分析欄
令和4年度は、前年度と比べて1.4ポイント増加し、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ2.2ポイント、1.1ポイント、2.5ポイント上回っている。増加した要因は、過年度に収入した国県支出金の返納金が増加したことに加え、はだのクリーンセンター焼却炉のボイラー設備に係る安全管理審査の実施等に伴い、秦野市伊勢原市環境衛生組合分担金が増加したことにより、経常経費充当一般財源が318,109千円増加したためである。
公債費
公債費の分析欄
市債のプライマリーバランスの黒字化や繰上償還など、平成16年度から取り組んできた市債残高を縮減する取組により、令和4年度は、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ1.1ポイント、5.3ポイント、4.4ポイント下回っているが、前年度と比べて0.5ポイント増加した。増加した要因は、平成30年度及び令和元年度に借り入れた臨時財政対策債の元金償還が開始されたことから、経常経費充当一般財源が15,426千円増加したためである。臨時財政対策債の動向にもよるが、引き続き、プライマリーバランスや将来の公債費負担を考慮した適正な市債の借入れに努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費を除いた令和4年度の経常収支比率は、前年度と比べて7.0ポイント増加し、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をそれぞれ5.0ポイント、8.8ポイント、3.4ポイント上回った。増加した要因は、臨時財政対策債振替相当額の減少により、分母となる経常一般財源等歳入額が1,233,107千円減少した一方で、物件費及び補助費等の増加により、分子である経常経費充当一般財源が全体で1,302,780千円増加したためである。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
総務費:令和4年度の決算額は、令和3年度に行った普通交付税の追加交付分(臨時財政対策債償還基金費分)の積立てのような臨時的な対応がなく、財政調整基金積立金が873,229千円減少したことなどから、全体では726,103千円の減少となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて4,475円減の29,879円となり、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をいずれも下回っている。民生費:令和4年度の決算額は、令和3年度に実施した子育て世帯等臨時特別支援事業の完了により2,113,333千円減少したことなどから、全体では1,420,581千円の減少となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて8,545円減の157,834円となり、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をいずれも大きく下回っている。衛生費:令和4年度の決算額は、物価高騰対策として実施した水道料金減額の財源として526,654千円を水道事業会計へ補助したほか、令和4年度から実施した出産・子育て応援交付金の支給により86,594千円増加したことなどから、全体では585,840千円の増加となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて3,744円増の38,853円となったが、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をいずれも下回っている。消防費:令和4年度の決算額は、秦野市・伊勢原市共同消防指令センター(仮称)の整備開始により130,475千円増加したほか、消防団車両の購入により49,434千円増加したことなどから、全体では195,340千円の増加となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて1,251円増の14,115円となり、類似団体内平均及び神奈川県平均を上回っているが、全国平均は下回っている。教育費:令和4年度の決算額は、小学校給食費の公会計化や中学校給食の通年化により709,292千円増加したことなどから、全体では334,170千円の増加となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて2,165円増の35,787円となったが、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均をいずれも大きく下回っている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
人件費:令和4年度の決算額は、退職者数の減により、退職金が100,848千円減少した一方、人事院勧告に準じた支給率の引上げに伴う勤勉手当の増や、新型感染症の感染拡大に伴う本市財政等への影響を背景とした特別職員等の給与に係る減額特例措置期間の終了により、全体では19,026千円の増加となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて248円増の61,082円となり、類似団体内平均と同水準ではあるが、全国平均及び神奈川県平均を下回っている。扶助費:令和4年度の決算額は、令和3年度に実施した子育て世帯等臨時特別支援事業の完了(一部の支給事務は令和4年度にも実施)により2,103,000千円減少したことなどから、全体では1,765,242千円の減少となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて10,812円減の104,774円となり、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均のいずれも下回っている。物件費:令和4年度の決算額は、小学校給食費の公会計化や中学校給食の通年化により707,036千円増加したことなどから、全体では1,204,439千円の増加となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて7,651円増の57,742円となったが、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均のいずれも下回っている。普通建設事業費:令和4年度の決算額は、中学校エレベーター設置工事の完了により375,497千円減少したことなどから、全体では835,681千円の減少となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて5,179円減の21,188円となり、類似団体内平均、全国平均及び神奈川県平均のいずれも大きく下回っている。繰出金:令和4年度の決算額は、税率改定の影響に伴う保険税収の増により、国民健康保険事業への繰出金が53,784千円減少した一方、超高齢社会の進行により要介護認定者数や後期高齢者医療事業の対象者である75歳以上人口が増加したことに伴い、介護保険事業及び後期高齢者医療事業への繰出金が44,392千円、168,735千円それぞれ増加したことから、全体では159,343千円の増加となった。住民一人当たりのコストでは、前年度と比べて1,071円増の35,444円となり、類似団体内平均及び神奈川県平均を上回っているが、全国平均を下回っている。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄令和4年度は、前年度と比べて市税収入は増加したものの、国庫支出金や地方債(臨時財政対策債)の減少により、形式収支は889,022千円の減少となった。また、繰越事業総額の減少に加え、特定財源のない繰越事業の減少により翌年度に繰り越すべき財源が259,024千円減少したことに伴い、実質収支は629,998千円減少(1.72ポイント下落)した。財政調整基金は、取崩額が増加したことに加え、令和3年度に実施した普通交付税の再算定による追加交付分の積立ての終了により積立額が減少した一方で、前年度決算で生じた剰余金を1,500,000千円編入したことで、前年度末と比べて872,266千円増の4,349,257千円となった。この結果、標準財政規模に対する財政調整基金残高の割合は、前年度から3.08ポイント増の13.87%となり、本市が適正な残高の目安としている10%を上回った。今後も市債の借入れとのバランスを考慮しながら、適正規模の残高確保に努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄令和4年度の一般会計及び特別会計等の連結決算額は、6,457,430千円の黒字となっている。また、連結実質赤字比率は-20.59%で黒字となっており、いずれの会計においても赤字は生じていない。前年度との比較では、連結決算額が528,807千円の減(前年度6,986,237千円)、連結実質赤字比率が1.09ポイントの増(同-21.68%)となっている。これは、標準財政規模に対する決算額の割合が、水道事業会計で0.06ポイント増加した一方で、一般会計及び公共下水道事業会計でそれぞれ1.72ポイント、0.27ポイント減少したためである。一般会計の減少要因は、形式収支が889,022千円減少したことなどにより、実質収支が前年度と比べて629,998千円減少したためである。特別会計の実質収支は、介護保険事業特別会計が273,294千円、後期高齢者医療事業特別会計が136,984千円、国民健康保険事業特別会計が116,135千円と、それぞれ黒字となっている。公営企業会計の資金不足・剰余額は、水道事業会計が2,158,068千円、公共下水道事業会計が960,751千円と、それぞれ剰余額が生じている。一般会計における今後の見通しについて、歳入の根幹をなす市税では、新型感染症の影響を受けた社会経済活動の正常化が進み、令和4年度は増収となったものの、生産年齢人口の減少等による減収が見込まれる。一方、歳出では、国が進めるGIGAスクール構想などの教育施策の充実や超高齢社会の進行に加え、物価高騰に対する支援など、物件費や特別会計への繰出金は伸び続けており、引き続き、厳しい財政状況が続くと見込まれる。このような状況にあっても、事業の選択と集中を図りながら、総合計画に位置付けた事業を着実に進めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄令和4年度の実質公債費比率の分子は、前年度と比べて101百万円減少した。これは、算入公債費等(B)が52百万円減少したものの、元利償還金等(A)が153百万円減少したためである。元利償還金等(A)が減少した要因は、公共下水道事業会計が起こした地方債の償還が進んだことで、公営企業債繰入金が減少したことによる。算入公債費等(B)が減少した要因は、秦野駅南部(今泉)土地区画整理事業費(都市計画事業)の進捗による事業費の増に伴い、都市計画税充当可能額が減少したためである。今後も、プライマリーバランスや将来の公債費負担を考慮した適正な市債の借入れに努める。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債は採用しておらず、減債基金は設置していない。
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄令和4年度の将来負担比率の分子は、前年度と比べて2,123百万円減少した。これは、充当可能財源等(B)が1,906百万円減少したものの、将来負担額(A)が4,031百万円減少したためである。将来負担額(A)が減少した要因は、臨時財政対策債において、平成30年度及び令和元年度に借り入れた元金の償還が開始されたことに加え、令和4年度の発行額が大きく減少したことにより、現在高が減少したことによるものである。充当可能財源等(B)が減少した要因は、都市計画税収の減による充当可能特定歳入の減少などによるものである。今後も、プライマリーバランスや将来の公債費負担を考慮した適正な市債の借入れを行うとともに、適正な規模の財政調整基金残高を確保することにより、将来世代において財政の自由度を狭めることのないよう、持続可能な財政運営に努める。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)令和3年度は、財政調整基金において、普通交付税の再算定により追加交付された、臨時財政対策債償還基金費分を積み立てたことなどから、1,131百万円増加したほか、職員退職給与準備基金において、人事異動に伴い地方公営企業及び秦野市伊勢原市環境衛生組合からの負担金を積み立てたことに加え、取崩しを行わなかったことにより、38百万円増加したことなどから、全体で1,050百万円の増加となった。令和4年度は、令和3年度決算で生じた実質収支の増加により、歳計剰余金処分として財政調整基金に積み立てたことなどから、872百万円増加したほか、ふるさと基金では、取崩額を上回る額のふるさと寄附金を積み立てたことにより、60百万円増加したことなどから、全体で963百万円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金は、災害など不測の事態への備えとして、標準財政規模の10%となる約3,000百万円を適正な残高の目安とし、確保に努めている。今後も、適正規模の残高を確保しつつ、自然災害や新型感染症対策など、臨時突発的な財政需要にも柔軟かつ迅速に活用していく。また、その他特定目的基金は、各基金の設置目的に沿って、適正な管理、運用に努める。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和2年度は、新型感染症対策事業等の財源として活用したため、残高は2,346百万円と、適正残高の目安としている3,000百万円を下回った。令和3年度は、普通交付税の再算定により追加交付された、臨時財政対策債償還基金費分を積み立てたことに加え、令和2年度の決算で生じた剰余金を積み立てた。一方で、当初は新型感染症対策事業の財源としていたものの、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、財源を振り替えたことや、令和3年度普通交付税の算定結果に基づき、臨時財政対策債を発行可能額まで増加させる一方で、財政調整基金からの繰入金を減少させる予算の補正を行ったことから、残高は3,477百万円と、前年度末と比べて1,131百万円の増加となった。令和4年度は、一般財源の補填や新型感染症対策事業の財源として活用したことにより、取崩額は、前年度と比べて増加した。しかし、令和3年度に実施した臨時財政対策債償還基金費分の積立てが終了する一方で、令和3年度決算で生じた剰余金の積立額が増加し、積立額が前年度と比べて増加したことから、残高は4,349百万円と、前年度末と比べて872百万円の増加となった。(今後の方針)災害など不測の事態への備えとして、標準財政規模の10%となる約3,000百万円を適正な残高として確保に努めている。今後も、適正規模の残高を確保しつつ、自然災害や新型感染症対策など、臨時突発的な財政需要にも柔軟かつ迅速に活用していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)減債基金については該当なし(今後の方針)減債基金については該当なし
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・ふるさと基金:市の発展のために全国の寄附者から寄せられた寄附金を活用し、その特性を生かしたまちづくりに役立てる。・新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金:新型感染症の感染拡大の影響により事業資金の融資を受けた中小企業者を支援する。・公共施設整備基金:教育施設、公園その他の公用又は公共用に供する施設(公共施設)の整備を目的とする寄附金等を積み立て、公共施設の整備を図る。(増減理由)・ふるさと基金:寄附者が指定した使途に沿った事業の財源とするため328百万円を取り崩したが、令和4年中に収入した寄附金を388百万円積み立てたことで、60百万円増加した。・新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金:新型感染症の影響により事業資金の融資を受けた中小企業者等に継続して支援を行うため、29百円を取り崩した。・職員退職給与準備基金:地方公営企業及び秦野市伊勢原市環境衛生組合からの負担金を積み立てる一方で、取崩しを行わなかったため、36百万円増加した。(今後の方針)・ふるさと基金:寄附者が指定した使途に沿って事業の早期実現を図るため、適正な管理、運用に努める。・職員退職給与準備基金:退職手当の支払に係る年度間の不均衡を調整するため、一定規模の確保に努めながら、運用を図る。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
当市の有形固定資産は、約半分を道路が占めており、その更新等の状況が有形固定資産減価償却率に大きく影響している。そのため、当市では、昭和40年から50年代に建設した庁舎や学校施設をはじめ、30年を経過した建物が多くあるものの、道路の計画的な更新を進めていることにより、有形固定資産減価償却率は、類似団体及び全国平均と比較して低い水準となっている。引き続き、平成29年3月に策定した「公共施設等総合管理計画」や付随する個別施設計画に基づき、施設の老朽化対策を進めていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は、令和3年度に普通交付税交付額及び臨時財政対策債発行可能額が増額したことにより、対前年度比で201.9ポイント低下しているものの、類似団体及び全国平均と比較して高い水準となっている。今後、大規模改修や建替えを行う場合には、中長期的な財政見通しを立てたうえで、将来に過度な負担を残すことのないよう計画的な市債の発行に努めていく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は、3年連続で減少してきたが、令和3年度は、債務負担行為に基づく支出予定額(学校給食設備整備・運営事業費)を新たに追加したことなどにより、対前年度比で1.8ポイント増加した。類似団体と比較すると高い水準にあり、その差は年々大きくなっている。一方で、有形固定資産減価償却率は、道路の更新を計画的に実施してきたことなどにより、類似団体よりも低い水準となっており、将来の財政負担を見据えながら、施設の更新を進めたことによるものと考えられる。今後は、中長期的な財政見通しを立て、財政負担を平準化しながら、「公共施設等総合管理計画」や個別施設計画に基づき、老朽化対策に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は、類似団体と比較して高い水準にある。一方で、実質公債費比率は、類似団体と比較して低い水準となっているものの、臨時財政対策債の元金償還額の増加により、対前年度比で0.2ポイント増加している。平成29年度以降は、市債の発行額が償還額を上回っている状態が続き、このことが令和3年度に将来負担比率と実質公債費比率をそれぞれ上昇させた要因となっている。今後は、中長期的な財政見通しを立てたうえで、将来世代に過度な負担を残すことのないよう計画的に市債を活用していく。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、児童館である。一方で、低くなっている施設は、道路、橋りょう・トンネル、公営住宅、公民館である。認定こども園・幼稚園・保育所及び学校施設については、耐用年数を経過していないものの、施設の多くが昭和40年から50年代に建設されており、老朽化が進んでいることから、各施設の個別施設計画に基づき、予防保全による老朽化対策を進めていく。また、学校施設においては、令和3年度に昇降機設置工事を実施したため、有形固定資産減価償却率が改善した。児童館については、昭和40年代に建設され、耐用年数を経過している施設が多くあることから、老朽化の状況を考慮しながら、近隣の公共施設等に児童館の機能を移転するなど、施設の再配置を進めていく。公民館については、11館のうち6館が建設から30年未満であり、本市の公共施設の中では、比較的新しい施設となっている。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、福祉施設(ほうらい会館)、市民会館(文化会館)、庁舎である。一方で、低くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所、消防施設である。図書館と市民会館(文化会館)については、耐用年数を経過していないものの、建設から約40年が経過し、老朽化が進んでいることから、各施設の個別施設計画に基づき、予防保全による老朽化対策を進めていく。福祉施設(ほうらい会館)については、建設から約40年が経過し、老朽化が進んでいるが、公民館と重複する機能が多く、他施設に比べ、優先的に更新する施設ではないため、耐用年数の満了を迎えるまでに、施設のあり方を検討していく。庁舎については、昭和44年に建設しており、老朽化が進んでいるが、平成30年度までに耐震改修を行っており、構造上の安全性は確保されている。今後は、個別施設計画に基づき、予防保全による老朽化対策を進めていく。一般廃棄物処理施設については、秦野市伊勢原市環境衛生組合において、平成25年度に新たな焼却施設である「はだのクリーンセンター」の建設が完了したことにより、減価償却率が低くなっている。保健センター・保健所については、平成10年度に秦野市保健福祉センターを建設しており、比較的新しい施設であることから、減価償却率が低くなっている。消防施設については、令和元年度に消防署西分署の建替えが完了したこと、また、消防団車庫・待機室の計画的な建替えを行っていることにより、減価償却率が低くなっている。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、建物(事業用資産)及び工作物(インフラ資産)の償却が進み、償却額が各種工事による資産の増額分を上回ったことなどにより、有形固定資産が減少した結果、資産は前年度末から136百万円の減少となった。また、支払が確定している債務の取扱いを整理したことにより、負債は前年度末から6,026百万円の減少となった。なお、有形固定資産が資産総額の95.1%を占めており、今後、施設の老朽化に伴う多額の維持管理費用等の発生が懸念されることから、引き続き公共施設の適正管理に努める。特別会計及び公営企業会計を加えた全体会計では、資産は前年度末から1,881百万円減少し、負債も8,482百万円減少した。一般会計等と比べて、水道管や下水道管等のインフラ資産を計上していることなどにより、資産は96,177百万円多くなっているが、そのインフラ資産の耐震化などに地方債を活用していることなどにより、負債も68,026百万円多くなっている。秦野市伊勢原市環境衛生組合などの関連団体を加えた連結会計では、資産は前年度末から1,129百万円減少し、負債も7,505百万円減少した。一般会計等と比べて、水道管等のインフラ資産に加え、ごみ処理施設や斎場といった資産を計上していることなどにより、資産は103,939百万円多くなっているが、その資産の耐震化や更新などに地方債を活用していることなどにより、負債も71,712百万円多くなっている。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は53,270百万円であり、前年度に比べて11,483百万円の減少となった。これは、新型感染症対策として前年度に実施した特別定額給付金給付事業が完了したことなどにより、移転費用が11,896百万円減少したことによる。最近5年間の傾向としては、新型感染症対策に係る事業の実施により移転費用の増減はあるものの、高齢化の進行により社会保障費が増加し続けており、今後もこの傾向が続くと見込まれる。全体会計では、経常費用は86,133百万円であり、内訳は業務費用が31,614百万円、移転費用が54,519百万円となっている。一般会計等と比べて、水道料金や下水道使用料を使用料及び手数料に計上している一方で、国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療保険の各保険給付を補助金等に計上しているため、移転費用が25,039百万円多くなり、純行政コストは28,115百万円多くなっている。連結会計では、経常費用は100,942百万円であり、内訳は業務費用が33,498百万円、移転費用が67,444百万円となっている。一般会計等と比べて、関連団体の使用料及び手数料等を計上している一方で、後期高齢者医療広域連合による保険給付を補助金等に計上しているため、移転費用が37,964百万円多くなり、純行政コストは42,550百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源が純行政コストを上回ったことから、本年度差額は6,755百万円となり、純資産残高は170,814百万円(前年度比+5,890百万円)となった。純行政コストを税収等の財源により賄うことができている状況であることから、引き続き、未収金対策の強化やネーミングライツの拡大など、自主財源の確保に努める。全体会計では、国民健康保険税や介護保険料などが税収等に、国県からの交付金や負担金が国県等補助金に含まれることから、一般会計等と比べて財源が28,826百万円多く、本年度差額は7,466百万円となり、純資産残高は198,965百万円(前年度比+6,601百万円)となった。連結会計では、神奈川県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金などが財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が43,216百万円多く、本年度差額は7,421百万円となり、純資産残高は203,041百万円(前年度比+6,376百万円)となった。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は3,792百万円であり、経常的な活動に係る経費は、税収等の収入で賄えている状況である。投資活動収支は、普通交付税の再算定により追加交付された臨時財政対策債償還基金費分を財政調整基金に積み立てたことから、▲2,745百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が償還額を上回ったことから、707百万円となっている。この結果、本年度末資金残高は3,869百万円(前年度比+1,754百万円)となった。全体会計では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等が使用料及び手数料に含まれることから、業務活動収支は6,760百万円となっている。投資活動収支は、一般会計等と同様に臨時財政対策債償還基金費分を財政調整基金に積み立てたことから、△4,015百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が償還額を下回ったことから△990百万円となっている。この結果、本年度末資金残高は7,567百万円(前年度比+1,755百万円)となった。連結会計では、神奈川県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金などが業務収入に含まれることから、業務活動収支は7,036百万円となっている。投資活動収支は、全体会計と同様に臨時財政対策債償還基金費分を財政調整基金に積み立てたことから、△4,165百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が償還額をさらに下回ったことから△1,474百万円となっている。この結果、本年度末資金残高は8,070百万円(前年度比+1,434百万円)となった。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
類似団体との比較では、住民一人当たり資産額が137.1万円と平均値を24.5万円下回る一方、歳入額対資産比率は3.58年で平均値とほぼ同数、有形固定資産減価償却率は59.2%と平均値より2.0ポイント低い状況である。これは、類似団体と比較して、住民一人当たりの資産形成度は低いものの、歳入との関係では、ほぼ適切な規模の公共施設を保有しており、それらの施設は、相対的には老朽化が進んでいないことを示している。今後については、施設の老朽化の進行により、多額の維持管理費用等の発生が懸念されることから、公共施設再配置計画を踏まえ、長期的な視点により、公共施設の適正な配置と効率的な運営に努める。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、77.9%と類似団体平均値を2.3ポイント下回る一方、将来世代負担比率は、5.6%と類似団体平均値を5.2ポイント下回っている。これは、類似団体よりも保有している有形固定資産等の過去及び現世代の負担は少ないが、一方で本市がこれまで本市独自のプライマリーバランス(地方債償還額一地方債発行額)の黒字を意識した地方債の借入れを行い、適正な規模の借入れに努めた結果、将来世代の負担も少ないことを示している。新東名高速道路秦野区間の開通等により、本市を取り巻く環境が大きく変化する中で、世代間の負担の公平性を考慮しながら、本市が飛躍・発展するための機会を逸しないように必要な投資を行う。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、新型感染症対策として実施した特別定額給付金給付事業の完了などにより、前年度と比べて11.0万円減少し、類似団体平均値を6.6万円下回っている。これは、適切な定員管理や事務コストの削減などにより行政コストを抑制しつつ、必要な行政サービスを効率よく提供したことを示している。引き続き、本市が運営している施設に指定管理者制度を導入するなど、行財政改革を進める。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、支払が確定している債務の取扱いを整理したことにより、前年度から3.7万円減少し、類似団体平均値を1.7万円下回っている。また、基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回ったため、2,189百万円となっており、類似団体平均値を1,315.5百万円下回っている。これは、政策的経費を税収等で賄うとともに、事業の選択と集中により効率よく事業を実施したことを示している。引き続き、住民一人当たり負債額及び基礎的財政収支に注視しつ、本市が飛躍・発展するために必要な投資を行う。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、新型感染症対策として実施した特別定額給付金給付事業の完了などにより、前年度から0.6ポイント増加し、2.4%となった。類似団体と比較すると、平均値を2.1ポイント下回っており、受益者の負担割合が相対的に低いことを示している。本市では、受益者負担の適正化を図るため、平成29年10月に公共施設使用料の改定を実施したが、施設の稼働率の低下などにより、目標としていた収益が確保できていない状況にある。今後は、新型感染症等の影響を注視しつつ、公共施設再配置計画を踏まえ、長期的な視点により、公共施設の適正な配置と効率的な運営に努める。
類似団体【Ⅳ-3】
釧路市
苫小牧市
ひたちなか市
上尾市
新座市
久喜市
市川市
松戸市
野田市
佐倉市
習志野市
市原市
流山市
八千代市
浦安市
立川市
武蔵野市
三鷹市
府中市
調布市
町田市
小平市
日野市
東村山市
西東京市
鎌倉市
藤沢市
秦野市
津市
宇治市
和泉市
伊丹市
川西市
宇部市
山口市
徳島市