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財政力指数は、3ヵ年平均で前年度比で0.04ポイント減少した。これは、社会保障費や保育園運営費等の法的扶助費の増額とともに、他会計への繰出金等の減少などにより、基準財政需要額は前年度と比べ大きな変動がない中、税制改正等の影響による個人市民税等の減少により、基準財政収入額が減少したことによる。今後も、制度改正等による市税や交付金の変動、また景気の下振れに伴う減収リスクが予想されるため、引き続き第4次行財政改革(平成23年度~平成28年度)を踏まえた効率的な行政運営を図ることで着実な歳出削減及び積極的な財源確保に努めていく。
経常収支比率は、主に市税や普通交付税、臨時財政対策債(赤字公債)の借入額等の歳入面の増加が、扶助費等の歳出面の増加を上回って結果、前年度に比べ1.9%改善、また臨時財政対策債(赤字公債)を含まない場合においても、1.4%の改善となった。しかしながら、歳出面の減少は、前年度に比べ退職者数が大きく減ったことがその大部分を占めており、依然として高齢化率等に比例した扶助費等の増加が続いている状況にあるため、今後は、行財政改革の目標値(平成28年度までに経常収支比率を88%以下)に向け、事務事業の見直し・効率化を進めていく。
人件費においては、各事業における民間委託等の導入や退職者不補充等による職員数の減により、第4次行財政改革(平成28年度までに職員数50人削減)を着実に実行している成果が出ており、今後も行政サービスへの影響を考慮した中で、引き続き人件費のの抑制を進めていく。物件費等においては、日野市民の森ふれあいホールの整備終了に伴い前年度比で減となっているが、近年学校給食における調理等業務委託等の民間委託を進めるなど、物件費においては今後も増加傾向にある。
ラスパイレス指数は、前年度と比較して0.6%の増となったが、これは東日本大震災に伴う歳出削減対策として前年度に引き続き実施された国家公務員の給与改定の影響によるものである。(【参考】国減額前:99.6%、前年度比:+0.5%)今後は人事院勧告や東京都人事委員会勧告の動きを注視することで適正な給与改定を実施するとともに、業務改善による時間外勤務の削減につなげるなど、行政サービスの安定確保に努めつつ、人件費の適正化に努めていく。
人口千人当たりの職員数は、平成19年度から類似団体平均を下回っており、平成23年度と比較しても0.10人の減となっている。これは、第4次行財政改革(平成23年度~平成28年度)に位置付ける職員数減目標の着実な達成によるものである。今後も、事務事業の民間委託や指定管理者制度の導入を進めるとともに、適材適所の人員配置や業務効率化により、適正な定員管理に努めていく。
公営企業債の元利償還金に対する繰入金の減に伴い、単年度における比率は前年度から0.5%の改善となったが、3ヵ年平均では0.1%の悪化となっている。類似団体及び全国平均と比較すれば概ね健全な数値を確保しているが、今後は小中学校の増改築工事や土地開発公社の健全化計画に伴う土地買戻し等を控えており、公債費比率増加の傾向にあるため、引き続き積極的な特定財源の確保に努めるとともに、財政規模に応じた適切な公債費比率を維持するよう努めていく。
将来負担比率は、前年度から8.1%と大幅な改善となっている。これは、分子となる地方債現在高が平成21年度に借り入れた臨時財政対策債(赤字公債)の償還開始等により、前年度比で約13億円の減となった点、また、充当可能財源となる基金残高が、事務事業の見直しにより基金繰入金の抑制が図られたため、前年度比で約13億円の増となったことが大きく影響している。しかしながら、市民一人あたりの将来負担は未だ高い水準となっているため、今後も引き続きプライマリーバランスの均衡を堅持し、財政運営の健全化に努めていく。
人件費は、住居手当支給者の対象見直しや民間活力の導入、そして退職者一部不補充等による職員数の減により、着実に抑制が図られている。今後は、職員の年齢構成や新たな行政需要等を考慮し、職員採用は引き続き行っていく方向であり、引き続き行政規模に見合う定員管理等に努めていく。
物件費は、被災者支援に伴う緊急雇用事業や東京都市長会と連携した家具転落防止器具助成事業の終了などに伴い、前年度と比較して0.4%の減となった。今後は、学校給食調理業務や指定管理者制度導入に伴う民間委託の促進により、物件費は増加傾向にあるが、セロベースの視点から行政サービスにおける事務事業の見直し等を図ることで、物件費の抑制に努めていく。
扶助費においては、児童手当・子ども手当が制度改正により減となったものの、障害者自立支援給付費が事業所の法内移行等により、また、民間保育園の開設等により、前年度と比べ、0.7%の増となった。先行き不透明な経済情勢の中、将来にわたり増加が懸念されるため、引き続き、生活保護受給者に対するハローワークと連携した就労支援等による経済的自立を促すなど、長期的視点に立った扶助費の抑制に努めていく。
その他に係る経常収支比率においては、高齢対象人口の増に伴う後期高齢者医療特別会計及び介護保険特別会計への繰出金が増加したものの、加入者の減少や国庫支出金の一時的な増額による国民健康保険特別会計への繰出金が減少したことで、全体として前年度比で0.3%減少するとともに、類似団体との乖離幅も減少した。今後は、データヘルス事業や国民健康保険のレセプトデータ活用等により、市民の健康増進を図るとともに、医療費の適正化による繰出金の抑制に努めていく。
厳しい財政運営の中、敬老金の休止等、各補助金の基準見直し等を図ったことで、補助費等は前年度比で0.4%の減となったが、類似団体との比較では、引き続き高い水準を維持している。市民生活に直結するサービスの維持や新たな市民ニーズへ対応するため、改めてゼロベースでの見直しを進めることで、休止・廃止を含めた抜本的な解決を図っていく。
公債費は、平成21年度借入分の臨時財政対策債(赤字公債)の償還が開始されたことにより、地方債残高の減少をうけ、前年度から0.1%の減となった。第4次行財政改革(平成23年度~平成28年度)のおいて、平成28年度末の一般会計の赤字公債残高を平成21年度末と比べ30億円削減する目標を立てており、今後も行政課題に対応するため公債費の増加が懸念される中、中長期的な視点の基、将来負担の抑制を図るため、適正なプライマリーバランスの維持に努めていく。
公債費以外においては、前年度に引き続き類似団体内の順位が低い位置にあり、扶助費や補助費等、繰出金が類似団体と比べて高い水準にある。今後は行財政改革の観点からも市民ニーズに対応した公費負担による行政サービスの在り方などを検証するとともに、引き続き補助基準等の見直すことで、歳出抑制に努めていく。
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