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令和元年度以降、横ばいで推移しており、令和５年度も０．５８と依然として類似団体平均を下回っており、引き続き歳出全般の見直しを実施するとともに、市税の徴収率向上対策を中心とする歳入確保に努める。
昨年度に比べ、分子となる歳出の経常一般財源等は、扶助費２．６億円余、繰出金１．８億円余の増などで全体で５．５億円余の増となり、分母は歳入の経常一般財源等は、地方税２．８億円余、地方交付税２．１億円余増となったが、臨時財政対策債３．８億円余の減となり、全体で２．５億円余の減となったため、前年度から０．８ポイント増の９０．５％となった。地方債の新規発行の抑制や減債基金の活用などにより引き続き公債費の縮減に努めるとともに、補助金の見直しを行い、経常経費削減に一層努めることで持続可能な財政構造の確立を目指していく。
令和元年度以降、概ね類似団体平均値に近い値で推移している。令和２年度以降は、会計年度任用職員制度の開始に伴う人件費の増加や物価や光熱水費の高騰などに影響により増加傾向にあり、令和５年度決算額は令和４年度から５９３円増えることになった。今後も事業の見直しを図りつつ、適正な事業実施を進めていく。
市町村合併時に導入した給与制度により上昇傾向が続き、平成２７年度まではラスパイレス指数が１００を上回っていた。平成２８年度以降、国県に準じた給与体系に制度改正したことにより、指数を抑制することができており、今後も引き続き適正な管理に努める。
平成１９年に策定した定員適正化計画に則して、定員の適正化に取り組んだ結果、計画終期の平成２７年４月１日の職員数については、最終目標値を達成した。平成２７年からは第二次上田市総合計画等を実行するため、令和７年の推計住基人口を基に、職員数を１，１５２人と算出したが、計画見直し年度である令和３年４月１日時点において、保育士の採用を増やしたこともあり、計画目標値の１１８人超の１，２７０人となっている。今後も事務事業を見直し、組織のスリム化を図りながら、行政サービスの維持向上が図れるよう、多様な人材確保に努め、職員数の適正化に努める。
令和元年東日本台風及び令和２～３年度に発生した大雨災害に対する災害復旧事業債、市庁舎改築に係る公共施設等適正管理推進事業債の元利金償還の本格化等により、元利償還金が令和４年度６６．４億円余から、令和５年度６７．７億円余に増加したため。今後も償還額の適正化や有利な起債の選択等により比率の上昇を抑えたい。
前年度から比較して、地方債の現在高が６４０億円余から６２８億円余まで減少したこと、公営企業債等繰入見込額が下水道事業等で約２３．２億円減少したため、０．８ポイント減少した。引き続き、次世代の負担を少しでも軽減するよう公債費等の経常的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化を図る。
会計年度任用職員制度の開始により、令和２年度に上昇したが、ここ最近では大きな増減は無い。令和５年度は期末手当や報酬の増はあるものの、定年延長に伴う退職手当の減により０．５ポイントの減となった。類似団体との比較では、令和元年度までは平均を下回っていたが、令和２年度以降は類似団体の平均である。
令和２年度以降横ばいで推移しているが、令和２年度以降の会計年度任用職員制度の開始に伴う賃金等の減により、類似団体においても最も低い数字となっている。庁舎、各施設においてエコオフィスを徹底し、光熱水費等の増加を最小限に抑制していく。
令和元年度以降、類似団体平均を下回っており、令和５年度は前年度から０．６ポイント増となった。増加要因としては、民間保育所利用給付事業、自立支援給付事業等の増加による。
令和元年度以降、増加傾向となっており、令和３年度は一旦減少したが、令和４年度では再び増加した。類似団体平均値は下回っている。要因は、公共施設の維持補修費や、国民健康保険事業特別会計・後期高齢者医療事業特別会計・介護保険事業特別会計への繰出金に係る経費が膨らんでいるためである。
前年度から０．９ポイント増となっているが、類似団体内でも引き続き最も高い水準となっている。要因としては、公共下水道（公営企業）への補助や広域連合への消防業務負担金があることが挙げられる。公営企業等に対しては、今後も多額の負担金・補助金の支出が見込まれるが、独立採算を原則に受益と負担を明確化し、事業の合理化を進めつつ、持続可能な運営に努める。
経常収支比率に占める公債費の割合は前年度より０．３ポイント増となった。今後も中学校や給食センターの改築事業等を見込んでいるが、事業を精査し、市債の新規発行の抑制や繰上償還の実施等により比率の軽減に努める。
経常収支比率における公債費以外の割合は、令和３年度は一旦減少に転じたが、令和５年度ではから０．５ポイント増加した。主な要因としては、扶助費が０．６ポイント増加しているためである。
（増減理由）・普通交付税の再算定により措置された臨時財政対策債償還基金費及び基金運用利子として、１億９，３５１万円余を「減債基金」に、真田有線放送電話事業会計の廃止に伴う引継ぎ金のうち、有線放送設備の撤去等に係る経費を除いた額として２億９，６２３万円余を「地域振興事業基金」に積み立てた。・公債費及び市立産婦人科病院事業会計の市債の繰り上げ償還の財源とするため、「減債基金」から５億６，８８６万円余を、第五中学校改築事業等へ充当するため「公共施設整備基金」から１億８，２９２万円余を取り崩したことにより、基金全体では、６，７２６万円余の減となった。（今後の方針）・今後も学校改築や資源循環型施設等の大型事業実施に伴う「公共施設整備基金」の取り崩し、「ふるさと上田応援基金」の取り崩しなど各基金の目的に合った事業に有効活用を行う一方で、年度末の財源状況を踏まえ、後年度の事業の財源として、「公共施設整備基金」の積み増しに努めていく。
（増減理由）・当初予算編成時に繰入金を計上しているが、市税収入等を踏まえ年度末に繰り戻したため、令和５年度中の増減はなかった。（今後の方針）・景気低迷等による税収減や予期せぬ支出の増に対応するために一定の基金残高確保に努めながら、必要な施策には躊躇なく活用していく。
（増減理由）・普通交付税の再算定により措置された臨時財政対策債償還基金費及び基金運用利子として、１億９，３５１万円余を積み立てた。・公債費及び市立産婦人科病院事業会計の市債の繰り上げ償還の財源とするため５億６，８８６万円余を取り崩した。（今後の方針）・財政運営における公債費負担の軽減や大型事業の実施に伴う公債費負担の平準化のため基金の有効活用を図る。
（基金の使途）・地域振興事業基金：地域の振興に資する施策の推進・公共施設整備基金：公共施設の改築・改修、及び耐震化事業の推進・ふるさと上田応援基金：上田城の復元等、上田市が取り組む事業に充当する・社会福祉基金：社会福祉施策の充実、社会福祉施設の改修・改築、その他市民の福祉の向上のための施策の推進・交流文化芸術センター及び美術館事業基金：施設の改修等に充当する（増減理由）・地域振興事業基金：市民活動支援事業や地域振興施策に７千万円余を充当する一方で、基金運用利子や真田有線放送電話事業会計の廃止に伴う引継ぎ金の一部として３億１千万円余を積立てたことによる増加・公共施設整備基金：第五中学校改築事業や丸子クリーンセンター緊急修繕に係る広域連合負担金等に１億８千万円余を充当する一方で、長野大学施設整備などの今後の公共施設整備に備え２億１千万円を積立てたことによる増加・ふるさと上田応援基金：学校活動支援事業、出産祝金給付事業等に１億２千万円余を充当する一方で、上田城復元プロジェクト等への寄付金など１億８千万円余を積立てたことによる増加・社会福祉基金：後年度事業の財源として寄附金相当額を積み立てた一方で、障害者福祉施設整備事業等のため３百万円余を取り崩したことによる減少・交流文化芸術センター及び市立美術館事業基金：市民等からの寄附金や事業収入を積立てた一方で、舞台機構設備改修等のため４千万円余を取り崩したことによる減少（今後の方針）・地域振興事業基金：住民自治組織交付金や地域振興に資する施策に充当予定・公共施設整備基金：教育施設や資源循環型施設など公共施設の改修・改築に充当予定・ふるさと上田応援基金：上田城の櫓の復元等、様々な事業の方針の決定後に充当予定・社会福祉基金：福祉の向上に資する事業に充当予定・交流文化芸術センター及び市立美術館事業基金：施設の改修等に充当予定
当市では平成２７年度に策定した「上田市公共施設マネジメント基本方針」において、「公共施設５原則」及び「インフラ３原則」を掲げ、総量の削減、耐用年数までの施設の維持、施設の統廃合、集約化によるコンパクトシティ化、インフラ更新の際のダウンサイジング等に取り組んでいる。有形固定資産減価償却率については、令和０３と比較すると上昇しているが、類似団体平均は下回っている。
新市発足により実施された合併特例事業等に係る起債の償還が進んでいることや公営企業債等への繰入見込額が減少しているが、臨時財政対策債発行可能額の減少に伴い昨年度と比較して数値は悪化した。しかし、類似団体と比較して将来負担額は高い水準にあると同時に、債務償還比率も類似団体と比べると高い数値となっている。今後も引き続き、新規起債発行を抑制するなどし、健全な財政運営の維持に取り組んでいく。
地方債の現在高について、合併特例事業の減（△6.8億円余）などにより、令和3年度の666億円余から640億円余と減少したこと、公営企業債等への繰入見込額について、下水道事業への繰入の減（△16.0億円余）などにより令和3年度の262億円余から240億円余となったことにより、将来負担比率は減となっている。また、有形固定資産減価償却率は類似団体よりもやや低い水準で推移している。これは平成27年度に策定した上田市公共施設マネジメント基本方針において、「公共施設5原則」を掲げ総量の削減、耐用年数までの施設の維持、施設の統廃合、集約化によるコンパクトシティ等を進めており、具体的には、市役所の支所に公民館等を集約し総合センター化したり、老朽化した保育所及び幼稚園5箇所を2箇所に集約するなど公共施設等の集約化・複合化を積極的に進めている。今後は、新庁舎整備など老朽化施設の改築や改修等に係る起債額が増加する一方、老朽化した施設の除却も進んでいくことが見込まれる。
類似団体内平均値と比較して、将来負担比率については例年高い水準となっており、実質公債費比率についても平成29年度までは平均値を下回っていたが、平成30年度以降は平均値を超えている。当市の傾向としては、実質公債費比率については、平成29年度までは上昇していたが、それ以降は横ばいとなっている。将来負担比率は平成30年度まで年々改善してきていたが、令和元年度からは新庁舎整備事業等により地方債の発行が増えたため数値が悪化していたものの、地方債の償還が進んでいることにより令和3年度以降は改善した。今後も新規起債発行を抑制するとともに、交付税措置のある起債を優先的に活用するなど、健全な財政運営を維持するため、これまでの取り組みを継続する必要がある。