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市の歳入構造が市税中心であり、安定した収入に支えられていることから、昭和52年度以降「1」以上で推移している。平成22年度以降は、リーマンショック後の市税収入を反映して基準財政収入額が伸び悩む一方で、基準財政需要額から控除されている臨時財政対策債発行可能額が平成23~25年度にかけて段階的に減少したことなどにより、下降傾向となっていたが、平成26年度の1.04から徐々に上昇し、横ばいとなっている。令和4年度の単年度指数は基準財政需要額が減となったことに加え、基準財政収入額が増となったことにより増となった。今後は事業改善や委託化・民営化の推進などにより経常経費の削減を図るとともに、更なる収納率の向上に向けて取り組むなど歳入確保を図り、引き続き安定的な財政構造の維持に努める。
令和4年度は、原油価格高騰に伴う公共施設の光熱費の増や学童保育所分室3箇所の新規開設に伴う運営費の増のほか、新規事業や事業の拡充等に対し必要な職員の増員や後期高齢者医療特別会計への繰出金の増などにより経常経費充当一般財源が増となったものの、給与所得や納税義務者数の増加などによる個人市民税の増や令和3年度税制改正に伴う土地の税額据置の特別措置の終了、新増築の家屋の増加などによる固定資産税の増により経常一般財源等の増が上回ったことから、89.5%(前年度比2.0ポイント減)となった。今後も「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」で定めている「概ね80%台を維持(特殊要因による場合にあっても90%台前半に抑制)」に努める。
人件費は、退職手当は減となったものの、新規事業の実施や事業の拡充などに必要な職員を増員し、体制の強化を図ったことなどから前年度比で増となった。物件費等については、原油価格高騰に伴う公共施設の光熱費の増や学童保育所分室3箇所の新規開設に伴う運営費の増があるものの、新型コロナウイルスワクチンの接種に係る経費の減を反映して、前年度比で減となった。引き続き、職員給与の適正化や経常経費の削減を通して、人件費・物件費等の更なる抑制に努める。
令和5年4月1日現在のラスパイレス指数は、「99.4」である。職務の困難度や責任の度合いに応じた給与制度を平成12年度から導入して以降、ラスパイレス指数は7.1ポイント低下している。制度の導入以降も、国における給与構造改革等への対応も含めて給与の適正化に継続的に取り組んできた。今後も、地方分権時代にふさわしい給与制度の確立に向けて見直しを行っていく。
三鷹市では、国や他団体に先んじて定員管理の適正化に取り組み、その後も、三鷹市行財政改革アクションプラン等に基づき、更なる職員定数の見直しに取り組んできたことから、平成7年度にピーク(1,334人)を迎えた職員数は、平成30年度には986人となり、人口が約3万人増加する一方で300人を超える職員数の削減を実現してきた。しかし近年は、人口構成の変化や価値観の多様化による市民ニーズの変化、感染症や自然災害等への対応、職員の働き方改革の推進などにより職員数は増加に転じており、令和5年4月現在の職員数は1,046人となっている。令和6年度以降も一定の職員数の増が見込まれるが、事務事業の見直し、業務の委託化などにより、職員数の適正化を図っていく。
市債発行額の抑制や繰上償還の実施などにより、後年度負担の抑制に努めていることにより、類似団体平均を下回っている。令和4年度は、標準税収入額等の増を反映して標準財政規模が増となったものの、三鷹市土地開発公社からの買戻しに係る経費等が増となったことから単年度数値が増となり、3か年平均の数値も、前年度と比べて0.2ポイントの増となった。今後もバランスに配慮した市債の発行を図り、「第4次三鷹市基本計画(第2次改定)」で目標としている、「概ね5%を超えないこと」の達成に努める。
市債発行額が元金償還額を下回ったことにより地方債の現在高が減となったことや基金残高の増などにより、将来負担額が充当可能基金等を下回ったため、算定上の比率はマイナス値となった。今後も基金残高の確保を図るなど健全な財政運営に努める。
新規事業の実施や事業の拡充などに必要な職員を増員し、職員体制の強化を図ったことなどから常勤職員の人件費等が増となり、前年度と比較して増となった。一方、分母となる経常一般財源等は、個人市民税や固定資産税の増などにより分子の増を上回る増となったため、前年度比0.3ポイントの減となった。今後も、職員定数と給与水準の両面の見直しを検討・実施し、人件費の適正化に努める。
指定管理者制度の導入や学校給食調理業務などの事業の民営化・委託化を推進していることから、人件費に係る経常収支比率が低い一方で、物件費に係る経常収支比率が高くなっている。令和4年度は、原油価格高騰に伴う公共施設の光熱費の増や学童保育所分室3箇所の新規開設などにより前年度と比較して増となった。一方、個人市民税や固定資産税の増などを反映し前年度比0.2ポイントの減となった。今後も、令和6年度に策定予定の「三鷹市都市経営アクションプラン2027」に基づき、民営化・委託化の一層の推進を図るとともに、経常経費の削減に取り組む。
待機児童の解消として積極的に進めている保育園の増設、障がい福祉サービス利用者の伸びを反映した自立支援給付費の増などにより、扶助費に係る経常収支比率は上昇傾向にある。令和4年度は、私立認可保育園1園が開設したことなどに伴う運営費の増などにより前年度と比較して増となった。一方、個人市民税や固定資産税の増などを反映し前年度比0.3ポイントの減となった。
その他における経常収支比率の大部分は特別会計への繰出金となっている。長寿化の進展などによる介護保険や国民健康保険事業特別会計への繰出金は増加傾向にある。令和4年度は、後期高齢者医療特別会計における給付費の伸び等を反映した増などその他における決算額は前年度と比較して増となったが、分母となる経常一般財源等である個人市民税や固定資産税の増などが分子の増を上回る増となったため、前年度と比べて0.1ポイント減少した。
全国や東京都平均と比べて補助費等に係る経常収支比率が高いのは、コミュニティ・センターにおける施設運営等を住民協議会が行うなど、市民・NPO法人・事業者等との協働を推進しているためである。令和4年度は、消防事務事業東京都委託負担金の減などにより、前年度と比較して0.8ポイントの減となった。引き続き、各種補助制度の見直しに取り組むことにより、一層の適正化に努める。
これまで市債発行額の抑制や繰上償還などに取り組んできたことから、公債費に係る経常収支比率は、類似団体内平均値を下回っている。令和4年度は、市債利子が減となった一方で、元利均等に伴う償還元金の増や学校教育施設等整備事業等の元金償還の開始などより前年度と比較して増となった。一方、個人市民税や固定資産税の増などを反映し前年度比0.3ポイントの減となった。今後も「都市再生」に向けた取り組みなどに一定の市債の活用を図ることとしているが、計画的かつ適正な活用により、引き続き、後年度負担の軽減に努める。
令和元年度に策定した「三鷹市都市経営アクションプラン2022」に基づき、持続可能な自治体経営に向けた行財政改革の推進の取組により経常的な業務の見直しを行っている。令和4年度は、原油価格高騰に伴う公共施設の光熱費の増などによる物件費の増で経常経費充当一般財源等が増となったものの、個人市民税や固定資産税の増など経常経費充当一般財源等の増などが分子の増を上回る増となったため、前年度と比べて1.7ポイント減少した。今後も経常的な業務の見直しや民間委託化など、徹底した行財政改革を推進し、各費目の経費削減に努める。
(増減理由)歳出の不用額が見込みを上回ったため、財政調整基金、まちづくり施設整備基金、健康福祉基金、子ども・子育て基金等のとりくずしを行わなかったことに加え、当初予算を上回る財源や寄付金などについて一定の積み立てを行ったことなどから、積立額がとりくずし額を上回った結果、基金全体としては1,900百万円の増となった。(今後の方針)今後本格化する国立天文台周辺のまちづくりや三鷹駅前再開発により多額の経費を要することが想定されることから、とりくずしを極力抑制するとともに計画的な積立を行うなど残高の確保に努めていく。
(増減理由)令和4年度は、市税の増収等により積み立てを行うとともに、将来にわたる安定的な財政運営を行うため、とりくずしを見合わせたため、前年度比595百万円の増となった。(今後の方針)標準財政規模を基準とし、将来的には15%の残高を目指しつつも、第5次三鷹市基本計画期間内(令和9年度まで)においては、4年分の財源不足に対応するため残高目標を60億円とする。
(増減理由)(今後の方針)
(基金の使途)・まちづくり施設整備基金:都市再生に向けた公共施設・道路・橋りょうの整備、自然環境の保全などの推進・健康福祉基金:市民が地域において健康で安心して生活できる高福祉のまちを目指し、高齢者、障がい者及び子どもに係る福祉施策並びにすべての市民の健康施策及び健康福祉施設の整備の推進・子ども・子育て基金:子どもたちが夢や希望を持ち、心身ともに健やかに成長することができるまちを目指し、子ども・子育て支援及び学校教育の充実並びにこれらを支える人材の確保と育成(増減理由)・健康福祉基金:とりくずしを行わず、令和4年度に生じた財源等を504百万円積立てたことにより増加・子ども・子育て基金:とりくずしを行わず、令和4年度に生じた財源等を207百万円積立てたことにより増加・まちづくり施設整備基金:とりくずしを行わず、令和4年度に生じた財源等を597百万円積立てたことにより増加(今後の方針)・健康福祉基金及び子ども・子育て基金:今後の財政需要を勘案し、各20億円を基金残高の目標とする。・まちづくり施設整備基金:今後本格化する国立天文台周辺のまちづくりや三鷹駅前再開発に向けて、計画的な運用を行う。
各資産の減価償却が進んだことから前年度を上回っているが、その一方で第四中学校等のトイレ改修や第五小学校の大規模改修、三鷹駅南口ペデストリアンデッキの更新に取り組んだ。全国平均や東京都平均に比べ高い水準にあることから、平成28年度に三鷹市が策定した「公共施設等総合管理計画【本編・公共施設カルテ編】」に基づき、施設の総合的かつ計画的な管理を推進し、行政サービスの維持・向上及び財政負担の軽減等を図っていく。
全国平均や類似団体内平均値を下回っており、このことは、これまでの繰上償還や地方債発行額の抑制などにより地方債現在高が減少傾向にあることによるものである。今後も債務の減少に努めるとともに、業務の見直し等により収支の改善を図ることで後年度負担の抑制に努める。
将来負担比率については、令和3年度は地方債の現在高が減となったことや基金残高が増となったことから、比率算定の分子において、将来負担額に対し充当可能基金額等が上回ったため表示される数値がなかった。一方で、有形固定資産減価償却率は前年度を上回っていることから、今後も「公共施設等総合管理計画【本編・公共施設カルテ編】」に基づき、施設の総合的かつ計画的な管理を推進し、行政サービスの維持・向上及び財政負担の軽減等を図る。
実質公債費比率については、「第4次三鷹市基本計画(第二次改定)」で目標としている「概ね5%を超えないこと」を満たす範囲内で推移している。令和3年度は、公債費に準ずる債務負担行為に基づく支出である土地開発公社からの買戻しにかかる経費の減により分子が減となったことから、前年度を下回った。将来負担比率については、減少傾向が続いている。令和3年度は地方債の現在高の減や基金残高が増になったことから、比率算定の分子において、将来負担額に対し充当可能基金額等が上回ったため表示される数値がなかった。今後も市債発行額の抑制や低金利債への借換え、高金利債の繰上償還などを実施し、後年度負担の抑制に努める。
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