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令和4年度の3か年平均の財政力指数は0.943であり、前年度と比較すると0.010ポイント減少した。また、令和4年度単年度の財政力指数は0.932で、前年度より0.003ポイント増加した。3か年平均の減少理由として、主に高齢者福祉費や社会福祉費の増加によって、令和4年度の単年度財政力指数が令和元年度よりも低くなったことによる。単年度の増加理由は、基準財政需要額が3.9%の増に対し、基準財政収入額が4.2%増となり、需要額よりも収入額の伸び幅が多かったことによる。収入額の主な項目では市町村民税が5.0%増加した。財政力指数が1を下回っている現状を改善するには、今後も経常事業費等の縮減及び歳入増へ向けた取り組みなどを継続する必要がある。
令和4年度の町田市の経常収支比率は91.2%となり、前年度の86.7%から4.5ポイント増加した。一般財源における光熱水費などの物件費が増加したことや、臨時財政対策債の減少などによる。経常収支比率は、市税増収を大きくは期待できない一方で、認定こども園等施設型給付費など扶助費が年々増加している状況などから、依然厳しい状況が続いている。将来に向けて、様々な市民要望に柔軟に対応していくためにも、さらなる経常経費の抑制、行政経営改革を継続する必要がある。
令和4年度の人件費の決算額は222億3千万円で、前年度と比較して2億9千万円増加した。職員給(一般職員の給与・諸手当)は137億1千万円で、最も職員給の多かった平成10年度(184億5千万円)に比べ47億4千万円の減少となり、職員数についても平成8年度(2,341人)のピーク時に比べ、282人の削減となっている。今後も職員定数の適正化に向け、効率的な執行体制の構築を図っていく。物件費の決算額は309億9千万円で、前年度と比較して29億4千万円増加した。これは、燃料費の高騰による光熱費の増加や、燃料費の影響が各委託料などに波及した結果による。
東京都人事委員会勧告を参考に給与制度の適正化に向けた取組みを行い、近年においては、部長級職員の給料の定額化や職員構成の変動、給料表の引上げ率の相違などの要因により、ラスパイレス指数は減少傾向にある。また、平成29年度からは勤勉手当支給時の扶養手当の原資化及び退職手当の見直し、平成30年度からは部長級の給与の見直し、令和2年度からは3月期末手当の廃止を実施しており、今後も東京都を参考にした給与制度の適正化に努める。
令和4年度職員数は、公共施設再編や学校再編の検討に対して増加する一方で、学校用務・給食調理業務及びごみ処理業務等の民間委託や生活介護事業の民営化により減少した。この結果、令和3年度と比較して普通会計全体で職員数が29人減少し、人口1,000人当たり職員数は前年度と比較して0.07人減少している。定数管理の計画として、令和4年度に策定した町田市職員定数管理計画(22‐26)では、「市の事務を執行するために必要な職員の数」と定義した『職員定数』について、令和3年度定数2,233人に対して、令和8年度定数を2,141人(92人削減)にすることを定めている。今後も「町田市職員定数管理計画(22‐26)」に基づき、適切な職員定数管理に努めていく。
令和3年度と比較して0.1ポイント上昇したものの、類似団体内順位は4位となっている。上昇した主な要因としては、令和4年度の単年度実質公債費比率が令和元年度よりも高かったことによる。(令和4年度実算出数値:0.49119%、令和元年度実算出数値:0.25943%)これは、循環型施設整備事業や境川クリーンセンター改修事業、公園整備事業などにかかる市債の元金償還がはじまったことによる①元利償還金額の増加、②災害復旧費等に係る基準財政需要額の減少、③臨時財政対策債発行可能額の減少などによる。(※①は実質公債費比率の分子の値、②は実質公債費比率の分子から控除される値、③は実質公債費比率の分母の値)今後についても、後年度の公債費負担軽減などを行い、適正水準の維持を目指す。
令和4年度は将来負担額1,219億6千万円に対し、控除される充当可能財源が1,404億円あり、差引の結果、将来負担額は生じていない。(令和4年度数値:-24.0、令和3年度数値:-15.0)減理由として、清掃費や公債費などの基準財政需要額算入見込額の減少が将来負担比率の増要因となる一方で、①一般会計の地方債現在高の減少、②財政調整基金や公共施設整備基金、職員退職手当基金などの充当可能基金の増加、③都市計画税などの充当可能特定財源の増加などにより、将来負担比率は前年度比で減となった。(※①は将来負担比率の分子の値、②及び③は将来負担比率の分子から控除される値)今後も将来負担の増大を招くことが無いよう地方債の管理を徹底する。
物件費に係る経常収支比率は、令和3年度と比較して1.8ポイント増加した。これは共通基盤整備運用事業や税務系システム整備運用事業の委託料の増加などが主な要因である。
扶助費に係る経常収支比率は、令和3年度と比較して1.0ポイント増加した。扶助費は、社会保障制度の一環として様々な法律、条例に基づいて支出するため、容易に削減、圧縮することができない。また、社会福祉費における障がい者自立支援給付費や児童福祉費における民間等保育所運営費などが年々増加傾向にあることが扶助費の増加要因となっている。
その他に係る経常収支比率は、令和3年度と比較して0.8ポイント増加した。介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計、国民健康保険事業会計に対する一般会計からの繰出金の占める割合が大きく、各特別会計の健全化を図る必要がある。
補助費等に係る経常収支比率は、令和3年度と比較して0.2ポイント増加した。引き続き、常備消防委託料、病院事業会計負担金、東京たま広域資源循環組合負担金の占める割合が大きく、各団体での健全化を図る必要がある。
公債費に係る経常収支比率は、令和3年度と同じく8.3%となった。過去に発生した債務の支払に要する経費であり、借入れをする時点で将来の財政負担を十分検討し、今後も適正な管理に努める。
公債費以外の支出に係る経常収支比率は、令和3年度と比較して4.5ポイント増加した。類似団体内平均値80.0%と比較して依然として高い傾向が続いているため、さらなる経常経費の抑制に努める。
(増減理由)令和4年度末の基金現在高は約267億円となり、前年度から約38億円の増加となっている。増加した理由は、主に公共施設整備基金で約17億円、財政調整基金で約13億円増加したことによる。(今後の方針)各基金の目的に照らし合わせ、活用する際には慎重に検討し、積み立て及び取崩しを実施する。
(増減理由)令和4年度末残高は約106億円と前年度から約13億円増加した。市民税(法人・個人)の税収増や、新築家屋の増加に伴う固定資産税の税収増などにより、約64億円の積立を行うことができたことなどが要因である。(今後の方針)生産年齢人口の減少に伴う市税収入の減少と少子高齢化を背景とした社会保障関係経費の増加による構造的収支不足が拡大することが見込まれていることを踏まえ、今後の財政状況も見据えて収支不足に対する財源調整や、計画的な財政運営を行うための財源として、毎年度の予算編成の中で取崩について検討する。
(増減理由)利用していない(今後の方針)
(基金の使途)・公共施設整備基金は、公共施設の整備に必要な資金に充当することを目的としており、令和4年度は市庁舎計画修繕事業や文化施設計画営繕事業に充当した。・廃棄物減量再資源化等推進整備基金は、廃棄物の減量、再資源化を図ることにより、資源の有効活用を促進し、循環型社会の形成に寄与することを目的としており、令和4年度は循環型施設整備事業や剪定枝資源化事業に充当した。・まちだ未来づくり基金は、町田市の未来づくりを応援するために寄附された寄附金を適正に管理し、市政運営に活用することを目的としており、令和4年度は鶴川駅周辺街づくり事業やトライアル発注商品認定事業に充当した。(増減理由)今後の老朽化した施設の大規模改修や維持保全の経費に対応するため、公共施設整備基金積立金が増加した。(今後の方針)町田市の公共施設は、その半数以上が30年以上経過しており、施設の老朽化に伴い公共施設等の維持保全に係る経費が増加している。また、新たな学校づくり推進事業における小中学校の統廃合や公共施設の再編などによる経費が増加する見込みである。上記のような経費に活用するため、基金残高を確保していく。
令和3年度の有形固定資産減価償却率は全国平均を下回り、類似団体内順位では1位となっている。令和3年度の有形固定資産減価償却率が大きく減少した理由は、町田市バイオエネルギーセンターが完成したことによるものである。
令和3年度の債務償還比率は全国平均・類似団体平均を下回っている。充当可能基金金額が令和2年度と比べ約17億円増加しており、債務償還比率の分子から差し引く充当可能財源が増加している。
令和3年度の将来負担比率は、将来負担額1,243億円に対し、控除される充当可能財源等が1,359億円となり、差引の結果将来負担比率は生じていない。令和3年度の有形固定資産減価償却率は45.0%である。令和2年度は令和元年度と比べ0.6ポイント減少し、令和3年度も令和2年度と比較して8.8ポイント減少している。令和3年度については町田市バイオエネルギーセンターが完成したことによって、有形固定資産減価償却率が減少した。
令和3年度の将来負担比率は、将来負担額1,243億円に対し、控除される充当可能財源等が1,359億円となり、差引の結果将来負担比率は生じていない。令和3年度の実質公債費比率は0.9%であり、令和2年度と比べ0.4ポイント増加した。上昇した主な要因としては、令和2年度からの学校教育施設等整備事業(6.8億円)やごみ処理施設整備事業(9.2億円)の償還開始により、平成30年度と比較して令和2年度及び令和3年度の元利償還金が増加している。このため、令和2年度及び令和3年度の単年度を平均に含む令和3年度決算の値(令和元年度~令和3年度の三カ年平均)の方が、令和2年度決算の値(平成30年度~令和2年度の三カ年平均)と比べ、増加した。
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