経営の健全性・効率性について
1)経常損益・累積欠損①経常収支比率は102.89%で、単年度収支黒字、②累積欠損金比率は0%で、欠損金が発生していない状況であるが、一般会計からの繰入金(補助金)収益に慢性的に依存している状況が続いている。引き続き経営改善に努める必要がある。2)支払い能力③流動比率は100%以上であり、1年以内に支払うべき短期的な債務に対しての支払い能力は確保されているが、類似団体に比較して著しく低い状況であり、更に支払い能力を高めるための経営改善を図っていく必要がある。3)債務残高④企業債残高対給水収益比率は年々下がっており、今年度も類似団体を下回ることが出来た。今後も企業債を活用して管路更新を増やすなど、適切な投資規模を検討する必要がある。4)料金水準の適切性・費用の効率性⑤料金回収率は若干増加、⑥給水原価は下がる結果となったが、維持管理費が一時的に減少したことによる回復であるため、適切な料金収入の確保と投資の効率化や維持管理費の削減といった経営改善が求められる。5)施設の効率性・供給した配水量の効率性⑦施設利用率は上昇傾向にある反面、有収率が低下するなど漏水等が原因と考えられるため、漏水調査と並行した管路更新や施設のダウンサイジング等を検討する必要がある。
老朽化の状況について
1)施設全体の減価償却の状況①有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較すると低い状況であるが、比率は増加傾向にあることから、耐用年数が近い施設や管路について、企業債や各種補助金など財源を確保しつつ再投資を行う必要がある。2)管路の経年化率は詳細に把握できておらず、不明のため0%となっているが、高い水準にあると想定され、更新の必要性は高い状況にある。3)管路更新率は、平成29年度以降積極的に更新を進めていることから全体的に上昇傾向にあるものの、類似団体と比較するとまだまだ低い状況である。更新ペースを出来る限り上げ、老朽化が進行し、かつ漏水頻度の高い管路から優先的に更新を進めていく必要がある。
全体総括
・今後も電気料や資材の物価高騰により維持補修費が上昇することが予想されるため、給水原価など関係する数値が悪くなると思われるが、管路更新の距離数を増やし、更新率の上昇を図るなど積極的に改善を図っていく必要がある。・今後も経営の健全性・効率性の向上に取り組み、老朽化が進む施設、管路の更新や修繕を計画的・積極的に進め、安全・安心な水道水の供給に努めていく。