経営の健全性・効率性について
【現状分析】①経常収支比率については、現在のところ問題はないと思われる。②累積欠損金比率については、直近10年間では欠損金が発生していない。③流動比率については、年々増加傾向にはある。④企業債残高対給水収益比率については、給水収益は前年度より約1,700千円減少した。企業債残高については減少傾向にあるため、前年度より数値が改善している。⑤料金回収率について、適切な料金回収ができている。⑥給水原価について、低い原価を保っている。⑦施設利用率については、人口の減少と遊休状態の施設があるためだと考えられる。⑧有収率については、令和元年度から漏水調査を独自に実施し、令和3年度も継続して行っている。また修繕等の対応を行っており対策は講じている。【課題分析】人口が減少傾向であるが大口事業者の需要は高まっている。給水収益が前年度より減少した要因として考えられるのが人口減少の影響と住民の節水意識の向上の影響と思われる。
老朽化の状況について
【現状分析】①有形固定資産減価償却率について、全国平均値及び類似団体平均値を上回っており、また、数値も年々増加しているため、法定耐用年数に近い施設等が多く存在していることがわかる。②管路経年化率について、40年を超えた管路が総延長の約26%存在しており、年々増加している。また、全国平均値及び類似団体平均値よりも高い比率であり、管路の老朽化が顕著である。③管路更新率について、施設の更新事業の方を優先的に実施しているため、ここ数年、管路更新事業については実施していない状態である。【課題分析】法定耐用年数を超えている又は法定耐用年数に近い施設の統廃合・改修や配水管等の長寿命化を図り、適切な資産管理を行っていく必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性については、施設利用率・有収率の項目が下回っており、その他の項目については、上回っている状況であある。施設利用率を増加させるためには、遊休状態の施設への対応方法に関する検討を進めていく必要がある。また、有収率向上対策として令和元年度から漏水箇所を特定するための調査を実施していることにより、数値はほぼ横ばいで推移している。施設や管路の老朽化については、法定耐用年数に近い管路等の更新ができていない現状であるため、また老朽化等により配水管・送水管内で漏水が起こっているため、令和元年度より漏水調査に力を入れ令和3年度も有収率向上に努めている。現在、人口が減少傾向であり、併せて施設等の老朽化についても進んでいくため、計画的に施設や管路の更新をしていくためにも、今後は水道ビジョンやアセットマネジメント(資産管理)を含めた計画の策定・見直し・改定を行い、適切な水道事業運営を行っていく必要がある。今後はさらなる経費の節減、漏水調査等の継続実施や水道料金の改定も視野に入れた検討を行っていく。