紋別市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

①②③⑤経常収支比率、累積欠損比率、流動比率、料金回収率平成28年12月より本格稼働した木質バイオマス発電所の影響により、給水収益が前年比+4.8％となり、累積欠損金も平成28年度より解消されている。しかしながら給水件数は前年比約-0.5％、木質バイオマス発電所を除く有収水量は前年比約-2.1％の減少傾向にあるため注意が必要である。一方で経常費用は電気料金や委託料、修繕費の負担が増加となっている。④企業債残高対給水収益比率給水収益は前年より増加となったが、導水管の更新や配水管整備等事業量の増加により前年度と比較し微増となった。⑥給水原価平成28年12月より本格稼働した木質バイオマス発電所の影響により、有収水量が前年比約+18.3％となり、給水原価も低下している。⑦⑧施設利用率、有収率平成28年12月に本格稼働した木質バイオマス発電所の影響により、配水量（及び有収水量）が増加し、施設利用率が増加している。有収率は管路の老朽化に伴い、漏水が頻繁に発生しているため、類似団体平均値より低い水準となっている。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率H29年度は導水管更新分が資産計上されたことにより減価償却率は類似団体平均値を下回る結果となった。②③管路経年化率、管路更新率経年化率は今後20年以内にピークを迎えるため、事業量を増やし耐震性のない路線や重要幹線を中心とした更新を進めていく。

全体総括

当市の水道は昭和初期に創設され、人口増加や水産業の発展と供に6回にわたる拡張事業を実施してきた。平成28年からの木質バイオマス発電所の稼働により給水収益、有収水量、給水原価、料金回収率等多くの面で改善傾向が見えるが、人口減少、水産業衰退、大学撤退などの社会的要因も影響し、水の需要も減少、経営の健全性・効率性について多くの指標で平均値を下回っている。また、昭和40年代～60年代に布設された管路が多く、老朽化が進んでいると同時に、その多くが耐震性を有していないことから、今後更新費用の増大が見込まれる。経営の健全性と更新需要の増大に対応するため平成28年度に料金改定を行っているが、今後は経営戦略の策定に向け準備を進めているところである。