経営の健全性・効率性について
「流動比率」については29.94%と類似団体平均を大きく下回っています。これは流動負債のうち企業債償還金が多額であることに起因しています。企業債償還金は償還の推移により今後減少していく見込みです。また安定した経営を通じて流動資産である現金預金の増加に努め、類似団体平均に近い水準を目指します。「企業債残高対事業規模比率」については令和2年度に企業債残高のうち将来において一般会計繰入金を原資に償還する予定の額を控除して計上したため、令和元年度の値から大きく減少し類似団体平均を下回りました。今後も施設の改築更新財源等に企業債の借入が必要となりますので、将来における指標の予測値を参考に適切な借り入れに努めていきます。「経費回収率」「汚水処理原価」については類似団体平均に比べて良好な値を示しています。「施設利用率」については、令和元年度以前は長洲町浄化センターで処理する長洲処理区と玉名市岱明処理区の汚水のうち長洲処理区からの流入のみで算出した値ですが、令和2年度は玉名市岱明処理区からの流入水を含めた値となっているため令和元年度以前に比べて大きく増加していますが、類似団体平均には届いていません。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は15.72%と低い値となっていますが、これは法適用4年目であり、減価償却累計額が少ないことに起因するもので、今後上昇していく見込みです。公共下水道事業は昭和51年度に着手し昭和60年度に供用を開始したため、法定耐用年数を経過した管渠がないことから「管渠老朽化率」は0%ですが、計画的な改築更新を実施し管路の長寿命化を図っていきます。令和2年度の「管渠改善率」については管路更生工事97.39m、管渠修繕工事23.1mを行った結果です。
全体総括
今後も老朽化した処理場・管渠の改築更新費用が多額になるものと見込まれるため、維持管理費の効率化やストックマネジメント計画に基づく計画的な改築更新を行うことにより、投資額の圧縮など汚水処理原価の圧縮を図り、健全な下水道経営に努めていきます。