経営の健全性・効率性について
平成17年4月に地方公営企業法を適用し、事業経営の健全化と経営基盤の強化を図っている。令和2年4月1日に農業・漁業集落排水事業が公共下水道事業に統合され、1事業で運営している。純利益は黒字収支を保っており、経常収支比率は全国・類似団体平均を上回っているが、前年度より減少傾向にある。平成22年に下水道使用料の改定を実施したことで、累積欠損金が解消されており、その後の欠損金は発生していない。農業・漁業集落排水事業との統合に伴う現金の増加に伴い流動比率が改善されており、引き続き高い水準の保持に努める。企業債残高対事業規模比率は全国・類似団体平均よりも低い水準にあり良好な状態であると考えられるが、施設や老朽管等の更新に伴う企業債の借り入れにより数値が高くなる可能性があるため、今後は注視する必要がある。農業・漁業集落事業との統合に伴って、経費回収率は減少し汚水処理原価は増額となったが、いずれも類似団体平均よりも良好な数値を保っていることから、今後も継続して事業運営に努める。施設利用率も農業・漁業集落排水事業との統合に伴って改善している。下水道整備区域の拡大と水洗化の推進に伴って水洗化率は増加しており、全国・類似団体平均よりも良好な数値となっている。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた老朽管等はないが、昭和59年度に事業着手し、平成2年度の供用開始後約30年が経過していることから、有形固定資産減価償却率が増加傾向にあるため、ストックマネジメント計画に基づいて効率的な管更生や施設の更新を行う必要がある。
全体総括
各指標ともに全国・類似団体平均と比較しても比較的良好な経営状況にあると考えられる。しかし、使用料収入の減少や老朽化した管渠や施設の更新費用の増加が見込まれることから、令和3年10月に下水道使用料の改定を行い、資産維持費の確保に努める。今後も各種経営指標の推移に着目し、適切かつ効率的な経営を継続していくものである。