経営の健全性・効率性について
「経常収支比率」が100%を下回っており、単年度で赤字になっています。また「経費回収率」も100%を下回っているため、接続率の向上により使用料収入の改善を目指すとともに経費削減に努めます。「累積欠損金比率」は10.87%、「企業債残高対事業規模比率」は533.67%で両指標とも類似団体平均値よりも低い水準にあります。前者については0%になるよう、後者については投資対象や規模が適切であるかを分析しながら、経営改善を図っていきます。類似団体平均値よりも「汚水処理原価」が184.91円とやや高く、「水洗化率」が85.53%と低いため、接続率の向上を目指し普及活動に継続的に取り組みます。「流動比率」は36.40%と低い水準にあります。流動負債の大半は建設改良費等の財源に充てるための企業債ですが、使用料収入の改善により支払能力を高めるよう努めます。「施設利用率」は50.58%と類似団体平均値よりも低いですが、令和6年度から予定している共同化の実施により、し尿等を希釈し受入れるため大幅に上昇する見込みです。今後も処理水量に見合った適正規模での施設運用を図っていきます。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は、公営企業会計への移行年度で有形固定資産減価償却累計額が少ないため、低い水準にあります。今後、累計額の増加に伴って上昇する見込みです。「管渠改善率」は類似団体平均値を大きく上回っており、法定耐用年数(50年)を経過した管渠が無いため、「管渠老朽化率」は0%です。しかし、供用開始から40年余りが経過していることからも、引き続き計画的な改築更新を実施し、管渠の適切な維持管理や長寿命化を図っていきます。
全体総括
地方公営企業法を一部適用し、公営企業会計に移行した初年度のため、前年度以前との比較はありません。令和6年度からのし尿・浄化槽汚泥処理の共同化の実施や立地促進による工場等の新規接続等により、大幅な収入増が見込まれる一方で、設備への多額の投資や適切な維持管理が必要です。令和3年3月に策定した経営戦略に基づき、引き続き健全な経営を図ります。